アルケゴスに群がった金融機関 米当局・議会監視強める

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD3088X0Q1A330C2000000/

 ※ 最重要と思われる部分を、抽出した…。

『アルケゴスはデリバティブ取引の一種、「トータル・リターン・スワップ」を多用していた。株式を実際に保有せず、運用の損益のみを取引金融機関と交換する取引だ。現物株を買い持ちするよりも少ない資金で、巨大なポートフォリオを構築できる利点がある。投資家に過剰なレバレッジ(借り入れ)を促し、市場を危険にさらすとして批判する向きも少なくない。著名投資家ウォーレン・バフェット氏は03年の株主への手紙で「金融版の大量破壊兵器だ」と述べた。』

『ゴールドマンはリーマン危機時も市場の異変を察知し、早めにポジション見直しに動いたことで知られている。大型ブロックトレードは政府系ファンドや富裕層、財団など世界中の有力投資家を顧客にもつ同社ならではの取引といえる。このネットワークがなければ、大量の株を短時間でさばけなかった。一方、巨額損失懸念の浮上した野村やクレディは、顧客基盤で米銀大手に見劣りする。』

 ※ オレは、全く「デリバティブ」というものには、詳しくない…。ちょっと、解説も読んでみたが、到底理解できんかった…。

 ※ しかし、しょせんは「先物取引」の一種で、基本となっている構造は、「将来の価格の当てっこ」だ…。「将来の」価格なんで、今現在は、売買代金を、すぐに支払う必要が無い…。一定割合の「証拠金」で足りるんで、「現ナマ」が準備できなくとも、「相場を張ること」ができる…。

 ※ 江戸の昔から行われていた、「先物取引」の一種だ…。日本でも、堂島の「コメ相場」「小豆相場」なんかが、有名だ…。時代小説読んでると、「相場に手を出して、カマドを返した」「若旦那」の話しが、ゴマンと出てくる…。それで、「勘当されたり」してな…。

 ※ いずれ、「清算」が必要になるが、「担保価値が下がる」と「追証(おいしょう)」=追加の証拠金を、要することになる…。

 ※ 「当てっこ」なんで、「当てている」うちは、いい…。

 ※ しかし、人間、百発百中、「ずっと、当て続けるということ」は不可能だ…。

 ※ いつかは、「外れること」がある…。

『【ニューヨーク=宮本岳則】米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額取引が波紋を呼んでいる。日米欧の大手金融機関が多額の手数料収入を目当てにリスクの高い人物に群がる――。騒動からはこんな構図が浮かび上がってきた。規制・監督当局も事態を注視している。

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「(創業者ビル・)ホワンとチームは最善の道を決めるべく、あらゆる計画を議論している」。破綻の瀬戸際にあるアルケゴスは米東部時間29日夜、騒動…

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破綻の瀬戸際にあるアルケゴスは米東部時間29日夜、騒動後初となる短い声明を発表した。大手金融機関による債権回収売りで突如、渦中の人になったホワン氏。ウォール街では知る人ぞ知る人物だった。

インサイダー取引で摘発の過去

ホワン氏は2000年前半に設立したアジア株専門のヘッジファンド、タイガー・アジア・マネジメントで高い運用成績を残し、一部では「天才」とも呼ばれていた。ただし12年に中国株のインサイダー取引で当局から摘発され、同氏は有罪を認めた。顧客離れによってタイガー・アジアは解散に追い込まれ、ホワン氏は個人資産を運用するファミリーオフィス、アルケゴスを立ち上げた。

大手金融機関は当初、アルケゴスとのビジネスに慎重だった。法令違反を犯した人物との取引は通常、認められないからだ。ただ「アルケゴスの法令順守体制が確認できた」などといった理由で、大手金融機関との取引が徐々に再開されたようだ。関係者によるとゴールドマン・サックスがアルケゴスに口座開設を認めたのは、20年に入ってからだという。

ここにきて、アルケゴスと取引関係を持つ大手金融機関が次々と明るみになっている。ゴールドマンやモルガン・スタンレーといった米国を代表する投資銀行に加え、米商業銀大手ウェルズ・ファーゴも30日、アルケゴズ関連とされるブロック取引を実施し、市場関係者の間で話題になった。

日本では野村ホールディングスに続き、三菱UFJ証券ホールディングスが損失計上の可能性を公表した。同社とも詳細は明かしていないが、アルケゴス関連と見られている。欧州ではクレディ・スイスが野村と同様、損失計上のおそれがあると開示した。UBSもアルケゴスと取引関係があったとされる。

多額の手数料を落とす「上客」

アルケゴスは金融機関にとって「上客」だったはずだ。米メディアによるとホワン氏の資産は100億ドル(約1兆1000億円)。金融派生商品(デリバティブ)取引を活用し、実際の運用規模はその数倍に拡大していたという。複雑な取引になればなるほど、相手方の金融機関にも多額の手数料収入が入る。

08年の金融危機以降、金融機関は規制で自己売買を厳しく制限された。代わりに強化したのはヘッジファンド向け業務だ。投資資金の融資や借株の調達、証券管理・決済など運用に必要なサービスを提供する。金融機関同士の顧客囲い込み競争は激しい。ホワン氏は多数の金融機関を競わせながら、好条件を引き出し、取引規模を拡大させていたとみられる。

アルケゴスはデリバティブ取引の一種、「トータル・リターン・スワップ」を多用していた。株式を実際に保有せず、運用の損益のみを取引金融機関と交換する取引だ。現物株を買い持ちするよりも少ない資金で、巨大なポートフォリオを構築できる利点がある。投資家に過剰なレバレッジ(借り入れ)を促し、市場を危険にさらすとして批判する向きも少なくない。著名投資家ウォーレン・バフェット氏は03年の株主への手紙で「金融版の大量破壊兵器だ」と述べた。

ホワン氏と金融機関の蜜月は先週、終わりを迎えた。アルケゴスは米メディア大手株の取引で損失を抱え、複数の金融機関から追加の担保要求を突きつけられていた。関係者によると25日、突然の破綻で市場が混乱に陥るのを避けるため、ホワン氏側と取引金融機関の間で話し合いの場が持たれた。ゴールドマンやクレディ・スイス、野村、モルガン・スタンレーなどが出席したという。

SECもアルケゴス騒動に関心を寄せる=ロイター

出席者たちの脳裏には90年代後半の苦い記憶があった。ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)による巨額損失が発覚、取引の相手方となっていた金融機関も損失を被った。市場が大混乱に陥ったことで、さらに損失は膨らみ、金融システム不安に発展した。

「最初に引いた者が勝ち」

アルケゴスを巡る25日の会合では解決策を見いだせなかったようだ。会合後に一部の金融機関がアルケゴスにデフォルト(債務不履行)を通告し、担保差し押さえに動いたとされる。金融機関の間で疑心暗鬼が深まるなか、26日午前、ゴールドマンが債権を回収するため、担保にとっていたアルケゴス保有株の売却を始めた。噂は市場内ですぐに広まり、モルガンが追随した。

「『清算』は最初に引き金を引いた者が勝ち」。ウォール街のベテラントレーダーはこう解説する。ゴールドマンは105億ドル規模のブロックトレード(市場外の相対取引)をわずか1日で執行した。担保を十分にとっていたため、損失は軽微だった――。市場関係者によるとゴールドマンは外部にこう説明しているようだ。

大口注文処理に欠かせぬ顧客基盤

ゴールドマンはリーマン危機時も市場の異変を察知し、早めにポジション見直しに動いたことで知られている。大型ブロックトレードは政府系ファンドや富裕層、財団など世界中の有力投資家を顧客にもつ同社ならではの取引といえる。このネットワークがなければ、大量の株を短時間でさばけなかった。一方、巨額損失懸念の浮上した野村やクレディは、顧客基盤で米銀大手に見劣りする。

当局は監視を強めている。米証券取引委員会(SEC)はすでに金融機関から情報を集めていると明かした。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、米欧の当局が25日に開かれたホワン氏と取引金融機関の会合について関心を示していると報じた。今後、金融機関のリスク管理体制が問われることになる。

ウォーレン議員、「ファンドの透明性向上を」

バイデン米政権は31日、政権発足後初となる金融安定監督評議会(FSOC)を開く。米連邦準備理事会(FRB)やSECなど規制・監督当局の関係者が一同に集まる重要会合だ。アルケゴス騒動前から予定されていた会合だが、議論のテーマとしてヘッジファンドの監視・監督が挙げられていた。

ウォーレン上院議員は当局に監視強化を要求=ロイター

「次のヘッジファンド破綻が経済に悪影響を及ばさないよう、透明性の確保と強力な監視が必要だ」。民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は30日、ツイッターにこう投稿した。ウォーレン氏を含め民主党内にはヘッジファンドに批判的な議員が多い。1月下旬のゲームストップ騒動でも大規模な空売りがやり玉にあげられた。与党議員の圧力で当局も動かざるを得ない。

バイアコムCBS、ディスカバリー、百度(バイドゥ)――。26日の米株式市場では「アルケゴス保有銘柄」の上昇が目立ち、金融機関による処分売りが一巡したとの見方が広まってきた。ただし警戒感は残る。ある米銀関係者は「アルケゴスと同様の取引をしていたファンドが存在しても全く驚かない」と語る。トレーダーの間ではすでにホアン氏の元同僚が運営する投資会社の名前が流布されている。市場は新たな火種を抱えた。