[FT]今夏の集客は 気をもむ南欧の観光業

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『スペインのマヨルカ島でマリア・アントニア・リュイさんが経営するホテルチェーンは、月に少なくとも150万ユーロ(約1億9000万円)の赤字を出しているが、彼女は夏に立ち直れることを願っている。

そのヒポテルズ・グループは営業する30のホテルのほぼ全てが新型コロナウイルス禍の影響で休業となり、従業員3000人のほとんどを一時帰休させている。営業しているのは唯一の海外拠点、メキシコのリゾート地カンクンに…

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営業しているのは唯一の海外拠点、メキシコのリゾート地カンクンにある1館だけだ。

リュイさんだけではない。新型コロナワクチンの接種が進まず、ここにきての感染再拡大が2度目の「失われた夏」をもたらす恐れが強まるなか、南欧の観光業は先が見えない状態にある。

2020年の観光業の落ち込みはスペイン経済に大打撃を与えた。先週公表されたスペイン銀行(中央銀行)の推計では、最大の書き入れ時である7~9月の外国人旅行者からの観光収入が前年同期比78%減った。

通常、観光業はスペインの国内総生産(GDP)の約12%を占める。観光業の不振が響き、20年の同国のGDPは約11%減と欧州連合(EU)内で最大の下落率を記録した。

最も打撃が大きいのはスペインだが、観光業は南欧全体のGDPの11%、フランスを含む南欧諸国の雇用の6分の1を占める。

南欧は北部欧州よりもコロナ禍の痛手が大きく債務水準が高いので、苦境にある企業や雇用を下支えしようにも限界がある、とスイス資産運用大手ピクテ・ウェルス・マネジメントのシニアエコノミスト、ナディア・ガルビ氏は説明する。「失われた夏の再来というリスクが問題を悪化させ、政策にしわ寄せが行くだけだろう」と同氏は警鐘を鳴らす。

回復は昨年の減収分の4分の1との分析も
米金融大手モルガン・スタンレーの欧州経済担当責任者のジェイコブ・ネル氏は、ワクチン接種が十分なスピードで進んでいないことを問題視する。「(欧州諸国の)ワクチン接種の遅れで、またひと夏を失いそうなリスクが現実に高まっている。南欧は(経済的に)北部諸国からさらに引き離されるかもしれない」

スペイン銀が公表したシナリオでは、21年の同国の国際観光収入は19年実績の56%に回復し、経済成長率はプラス6%に達する見通しだ。同銀は観光業と経済が大幅に上振れする可能性もあるとする一方、経済成長率はわずか3%、観光業は20年実績をさらに割り込んで19年水準の14%にとどまるという悲観シナリオも示している。

他国も打撃が続くことに身構えている。ギリシャ観光業協会によると、同国の雇用の2割を支える観光業の収入は20年に77%減少した。

21年の見通しも同様に暗い。最新のデータでは、ギリシャの2月のホテル予約は前年同月比で74%減少し、インターネットによるホテルの空室の検索件数も63%減っていた。セオハリス観光相は先日、今年は「昨年よりは良い年」になるとの楽観的な見方を示したが「予約が落ち込んでいる」ことも認めた。

独保険大手アリアンツのアナリストチームは、欧州の独立系ホテルの売上高が20年は半減し、21年夏はその減収分の25%しか取り戻せそうにないと分析している。

米金融大手ゴールドマン・サックスは観光業の急回復を見込み、スペインでは21年のGDPを1.4ポイント、ギリシャでは1ポイント、それぞれ増加させると予測する。ただし、これは6月までに経済活動制限がほぼ解除されることが前提だ。ゴールドマンは夏が終わるまで制限が維持された場合には、南欧全体の成長率が1.3ポイント低下するという下降シナリオも示した。

「市民の移動は制限、海外観光客は受け入れ」に批判
鍵となるのはワクチン接種だ。旅行者の出発国と訪問国の両方で感染拡大を食い止め、各国政府による渡航制限解除に道を開く。EUは夏が終わるまでに成人の7割に接種することを目指しているが、フォンデアライエン欧州委員長は9月21日までを夏とする見解で、観光業界は危機感を募らせている。それでは休暇シーズンはほとんど終わってしまうからだ。

オンライン旅行会社として再出発した英トーマス・クックのアラン・フレンチ最高経営責任者(CEO)は「この夏に休暇旅行があるのは間違いないだろう」としつつも「その時期と基準がどうなるか、私たちは見極めかねている」と話す。

現時点で観光業界が直面する障害は増えている。ドイツ政府はマヨルカ島があるバレアレス諸島を旅行したドイツ人旅行者数の多さに驚き、独航空大手ルフトハンザに4月初めのイースター(復活祭)休暇期間には、現在ほぼ満席というマヨルカ島への便を増やさないよう命じた。同時に国外への休暇旅行を一時禁止する措置も検討している。スペインへの国別旅行者数で最多の英国は、海外渡航の制限を強化している。

そのスペインでは、市民の国内移動を制限する一方、EUからは観光客を受け入れようとしているとして、当局は国内から批判を浴びている。

「肝心なのは観光業が再起しなければならないということ、そして持続可能でなければならないということだ」とスペインの観光業界団体の幹部は述べる。「そのために今、制限の強化が必要であるのなら、それは構わない。しかし我々が求めているのはワクチンの接種を早めることだ」

スペイン、ギリシャ両政府は、EU共通のワクチン接種証明書の導入が間に合わない場合に備え、英国と2国間で渡航に関する取り決めを交わそうと動いている。

「夏のピークシーズンを救うためなら何でもしなければ」と冒頭のリュイさんは言う。「19年の半分の数でもお客を入れてくれるという話が来たら、喜んでどこでもサインするわ」

By Daniel Dombey, Martin Arnold and Alice Hancock

(2021年3月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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マヨルカ島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A8%E3%83%AB%E3%82%AB%E5%B3%B6

『観光業の特徴
バレアレス諸島経済の主要な原動力となっている2つの部門は、工業と農業を押しのけて観光業と建設業である[13]。マヨルカ島には世界有数のホテル企業がある[13]。マヨルカ島の沿岸はほぼ全域が観光地となっているが、観光客の大半は南岸のパルマとカルビア、さらに北岸のポリェンサ湾とアルクーディア湾に集中している[13]。数多くの美しい砂浜やビーチ・リゾートが島内に点在しており、マヨルカ島にあるビーチの数は139か所に上る[103]。特にバカンスの季節になるとビーチは海水浴を楽しむ観光客でごった返す。ビーチ以外にも、北部には海へと切り立つ断崖絶壁やその間に点在する村々、また東部のポルト・クリスト(英語版)にはドラック洞窟など多数の巨大な鍾乳洞がある。

アンドラッチ港
今日でもマスツーリズム観光客は「太陽と砂浜」を求めてマヨルカ島にやってくる[104]。旅行会社のイメージ戦略によって5S (Sea、Sand、Sun、Sangría、Sex)を目的とした夏季の観光客が多く、特に浜辺での飲酒と性行為を目的とする若者による騒音問題やモラルの低下は社会問題にもなっている[105]。2011年の国別観光客数はドイツが37%、イギリスが21%、スペインが13%だった[5]。平均滞在日数は8.5日間だった[5]。

パルマにあるオテル・メディテラネの宿泊者名簿には、エヴァ・ガードナー(アメリカの女優)、リチャード・ニクソン(アメリカ大統領)、イラン国王、エロール・フリン(オーストラリアの俳優)、アガサ・クリスティ(イギリスの作家)などの名前がみられ、オテル・ソン・ビダが開業した際の主賓はモナコ大公レーニエ3世とグレース・ケリー妃だった[75]。ポリェンサにあるオテル・フルマントールの宿泊者名簿には、ウィンストン・チャーチル(イギリス首相)、ダグラス・フェアバンクス(アメリカの俳優)、チャーリー・チャップリン(アメリカの俳優)、クリストファー・プラマー(アメリカの俳優)、ウェールズ公チャールズ、モナコ大公レーニエ3世とグレース・ケリー妃、スペイン国王フアン・カルロス1世とソフィア妃などの名前が書かれており[75][106]、ジャクリーン・ケネディ・オナシス(アメリカのファーストレディ)やその夫アリストテレス・オナシス(実業家)もこのホテルを起点にヨットで地中海を巡航した[106]。』

マヨルカ島のおすすめ観光スポット11選
https://tabippo.net/majorca-vacation-rentals/