[社説]中ロが迫った英安保方針転換

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『英ジョンソン政権が向こう10年間の外交・安全保障の方針を発表した。目を引くのが、日本を含むインド太平洋地域を重視する姿勢だ。同盟国である米国をはじめ共通の利益と価値観を持つ国との結束を強調した。

背景にあるのは「切迫した直接的脅威」と位置づけたロシアと、貿易面では重要としながらも「体系的な挑戦を受けている」とする中国の存在だ。

中国については、キャメロン政権時代の2015年に同国が主導するアジアイ…

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中国については、キャメロン政権時代の2015年に同国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に主要国で最初に参加表明するなど親密な関係にあったが、方針転換が鮮明となった。

英国は年内に最新鋭の空母をアジアに派遣、海上自衛隊などとの共同軍事演習に参加する予定だ。日本は尖閣諸島周辺での領海侵入など中国から圧力を受けている。アジア太平洋地域の安定に積極的に関与するという英国の立場を歓迎したい。

今年6月に開く主要7カ国(G7)首脳会議の議長国である英国はインド、オーストラリア、韓国の首脳を招待している。日本は「自由で開かれたインド太平洋」を実現するためにもこれらの国々と連帯を強め、メッセージを出し続けることが重要だ。

懸念されるのは、保有する核弾頭数の上限目標を引き上げたことだ。英国は冷戦時に約500発の核弾頭を保有したが、10年に発表した方針では20年代半ばまでに上限目標を180発まで減らすとしていた。それを覆し、260発まで増やす政策に転換した。

中ロを念頭に置いた対応だが、対立をあおってはならない。新たな軍拡競争につながらないよう目をこらしたい。

いま存在する核軍備管理条約は米ロの新戦略兵器削減条約(新START)のみ。核削減を求める非保有国の不満は募る一方だ。中英仏も加えた多国間の軍縮の枠組みをつくる必要性がさらに高まった。日本は率先して早期に議論する土壌をつくってほしい。