実は、金融関係の破産処理法が無かった中国。

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『人間というのは、自分で思っている程に論理的でも、利口でもないので、数十年間、環境が変わらないと、この先も変化が無く続くと、根拠も無く思い込みます。バイアスがかかる思考というのは、ときに宗教じみた盲信になる事もあります。

経済バブルとセットで起きる土地神話というのも、その類で、かつて日本でも、土地神話がありました。銀行から借り入れをするにあたって、もっとも信用力の高い担保といえば、不動産で値上がりの見込める土地です。かつて、「そごう」が存在していた頃(今は西武傘下)、得意の戦略は、駅前の一等地を、都市整備計画などに噛んで、大々的に確保して、巨大な商業施設を作る。当然、莫大な借入金が発生しますが、土地が一等地である上、都市整備開発で商業施設や高層マンションなどが建設されるのが判っていますから、土地の値上がり分で、短期間に負債を縮小する事が可能です。減価償却すれば、その土地と建物を担保に、新たな出店計画を建てる事ができます。この戦略で、売上高で日本一になった事もありました。しかし、バブル崩壊で土地神話が崩れると、あっという間に破綻しました。その時の負債は、1兆8700億で、当時の新記録でした。

既に、こうした経緯を知っていた中国共産党は、経済が加熱しないように、色々な施策で予防を行っていました。それでも、国の規模が大きいのと、地方自治体が、中央に隠れて不正な土地の賃貸(中国では、土地を個人で所有できないので、賃貸権の売買になります)を、業者と結託して繰り返していたので、既に判っていたにも関わらず土地バブルは起きました。

中国の経済は、こうした土地の賃借権価格の暴騰によって可能になった、共産党ですら全体を把握していない、莫大な借金を原資にして回っています。こうした、借金が可能なのは、中国共産党が銀行などの金融機関を、面子にかけて潰さないだろうという根拠の無い確信によるものです。実際、中国では、ケース別の特別法による金融機関の破産処理が、数件発性していましたが、基本的には共産党からの支援で、金融機関の破産はありませんでした。そして、実は、「必要がない」という理由で、金融機関の破産法も無かったのです。

仮にも、共産国家で土地バブルによる貸し倒れで、金融機関が破産したなんて事になれば、国家の威信にかかわりますから、共産党政府としても、「考えたくなかった」のでしょう。しかし、今年の全人代の主役は、金融機関の破産法の制定でした。つまり、共産党政府としても、援助が臨界点に達したので、法律により粛々と不良債権をかかえる金融機関は、潰すしか無いという判断に至ったのです。

去年から今年にかけて、売上が数兆円に登る、元国有企業だったり、半官半民の中国のコングロマリットが、破産していますが、実は国民や企業の借金が集中している不動産関係の会社は、大手の破産はありません。もし、一箇所でも破産すると、複雑に担保が絡み合った借金が、連鎖破綻する恐れがあり、潰したくても潰せないのです。

しかし、銀行ですら、貸し出し資金の限界点に達しているので、いくら共産党から命令されても、砂に吸い込まれる水のように消えてしまう不良債権に追加融資する事が不可能になってきました。なので、今年は、不動産関係の大型破産が表面に出ると言われています。

そして、よりによって、先日、このタイミングで中国株の暴落が発生しました。数年前に上海株が暴落した一件以来、中国の大手証券会社には、暴落時に株の売却を禁止する圧力が加えられています。にもかかわらず、全人代の開催中に株の暴落が起きたという事は、反習近平勢力による、面子潰しと思われます。何しろ、主な議題が金融破産処理法の制定ですからね。

考えたく無い事は考えないは、何も夏休みの宿題を貯める小学生だけではなく、国家とて同じです。それを考える必要が無いくらいに貧乏だった時や、経済成長率が二桁で、借金が伸びる以上の勢いで経済が発展していた時には、問題にもならなかった負債の問題ですが、とうとう表面に出てきました。

原則論を言えば、共産主義社会では、土地バブルなんて事は、存在してはいけない事です。名目的に共産主義でも、経済が資本主義全開で回っている中国ならではの歪な構造と言えます。株式も立派に機能していますしね。』