〔テスラのモデル3、バッテリーはパナソニックから乗り換え…。〕

テスラの大幅値下げと、静かにやってくる「中国製」モデル3の衝撃
https://news.yahoo.co.jp/articles/152f494b133f0d1b9c2131dacac16b3633911aeb?page=2

『値下げの鍵を握るバッテリー

それにしても、なぜここまで大幅な値下げが実現したのか。鍵を握るのは、バッテリーの調達先の変更だ。

2017年7月に米国で納車が始まったモデル3は、カリフォルニア州フリーモントの工場で生産され、パナソニック製のバッテリーを採用していた。ところが、19年12月末に中国・上海でテスラの大規模工場「上海ギガファクトリー」が稼働してから、ここでの生産分が中国・寧徳時代新能源科技(CATL)と韓国・LG化学のバッテリーに切り替わったのである。

EVの原価に占めるバッテリーの比率の高さと今回の値下げ幅を考慮すると、バッテリーの変更によるコスト低減効果が相当に大きかったことがうかがえる。そこに上海での量産効果も相まって、中国では2020年10月の段階でモデル3の大幅な値下げが発表されていた。今年に入ってからは欧州各国でも次々に値下げが明らかになり、その波がようやく日本にも訪れた、というわけである。』

『だが、驚きはそれだけではない。ここまでの説明から気付いたかもしれないが、値下げのポイントとして重要な意味をもつのが、「中国製」という点である。

「中国製」の量産車がやってくる

さかのぼること約1カ月。これまでカリフォルニア産だった日本向けのモデル3の大半が、テスラの上海ギガファクトリー製になるという知らせが飛び込んできた。欧州ではすでに20年11月から上海ギガファクトリー製のモデル3が販売されており、これに続く動きとなる。いまやテスラにとって、中国が自動車生産のハブになったのだ。

一定規模以上の台数の「中国製」のクルマが型式認定を取得して継続的に日本に輸入されるという話は、日本の自動車産業の歴史において知る限り聞いたことがない。おそらく今回が初めてではないだろうか。

いまやガジェットであれば中国製は当たり前で、「iPhone」をはじめとする最新の機器は次々に中国からやってくる。電子部品もバッテリーも中国製が大半である上、深センのような都市にモノづくりの強固なエコシステムがあるからだ。

そこに自動車の電動化の波が押し寄せてきた。これまでガジェットを中心に強みを発揮してきた中国のモノづくりのエコシステムが、世界中の自動車メーカーの中国進出で高度化してきた自動車産業と重なり始めたのである。

今回の動きからは、EVにおいて自動車が「精密機械」から「ガジェット」にますます近づいてきたという避けがたい事実が浮き彫りになってくる。そこに中国のモノづくりのエコシステムが適合し始めたことで、まさにパラダイムシフトが起きつつある──。そんな重要な転換点を象徴する出来事として、「中国製テスラ」の衝撃は計り知れない。

この中国製への切り替えについてもテスラ側は公式にはアナウンスしておらず、今回はショールームの担当者からの電話連絡で知った。のちにメールに添付されて送られてきた請求書にも、品名として「Model 3 – China」としっかりと書かれている。納車は3月中旬になるという。

個人的には上海ギガファクトリー製モデルへの切り替えは歓迎だった。というのも、上海製になって品質が米国製より向上したという情報があったからだ。この点をテスラの担当者に尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

「中国で生産されるということで不安に思われるお客さまも確かにいらっしゃいます。でも、テスラの上海ギガファクトリーは最新設備による自動化が進んでおり、むしろフリーモントで生産されたモデルより品質が向上しています。iPhoneだって中国で生産されていますよね。すでに日本に入っている展示車両を見ていただければ、品質がよくなったことはすぐにおわかりいただけると思います」』