米民主党、下院で急進法案を相次ぎ可決 中間選挙にらみ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12CYG0S1A310C2000000/

『【ワシントン=芦塚智子】米与党の民主党が、過半数を占める下院で急進的な法案を相次ぎ可決している。2022年の中間選挙に向け、支持基盤にアピールする狙いがあるとみられるが、大半は共和党と勢力が拮抗する上院の通過が困難とみられている。中道派や無党派の有権者の離反を招く可能性があり、党内には不協和音もある。

「党派的な権力奪取の法案だ」。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は24日、民主党の提案で下院が…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り917文字

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

有料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07

無料会員に登録する
https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGM010QT001022021000000&n_cid=DSPRM1AR07#free

ログインする
https://www.nikkei.com/login

「党派的な権力奪取の法案だ」。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は24日、民主党の提案で下院が可決した選挙改革法案を激しく批判した。同法案は、有権者登録の自動化などで投票をいまより容易にする内容。下院が3日に賛成多数で可決したが、民主党を有利にすると反発する共和党議員の賛成はゼロだった。

民主党はこのほかに下院でLGBTQ(性的少数者)への差別を禁止する「平等法案」や、白人警官による黒人男性暴行死事件を受けた警察改革法案、銃規制法案といった党派色の強い法案を可決した。いずれのも共和党の反対が強く、上院で議事妨害を避けて通すには60票以上が必要で、少なくとも10人の共和党議員の支持を得なければならない。

20年の選挙でホワイトハウスと上下両院の多数派を独占した民主党の指導部は、党の優先政策を実現する好機と主張。党内の左派に配慮するバイデン大統領も後押しする。だが、NBCテレビによると、中道派のゴットハイマー下院議員は「上院で棚上げされるだけの党派的な法案の通過に興味はない」と述べ、党指導部を批判した。

民主党の左派には上院で単純過半数による法案可決を強行すべきだとの意見もあるが、中道派は反対している。

米バージニア大の政治アナリストのコールマン氏は「中間選挙で再選を目指す民主党の下院議員は、成立しなくとも下院では多くの法案を通していると支持者に訴えることができる」と指摘する。だが「共和党は民主党を過激左派と攻撃する材料に使う」との見方を示し、いまの戦術がもろ刃の剣になると説明する。

コールマン氏は、伝統的に民主党支持者が多いヒスパニック(中南米系)やマイノリティー(少数人種)の労働者層にも、LGBTQの権利といった社会問題や治安問題では保守的な有権者がいると分析。「民主党は中間選挙で、有権者の生活に直結する具体的な成果を伝えるメッセージを慎重に構築する必要がある」と指摘し、新型コロナウイルス対策や経済政策に焦点を絞る方が賢明との見方を示す。

中間選挙では与党が大敗することが多い。民主党はオバマ政権の1期目の中間選挙で医療保険改革(オバマケア)への逆風などで大敗した。多数派維持を目指す民主党内では、リベラル政策の実現で支持基盤の動員を主張する左派と、超党派の合意を探るべきとする中道派のせめぎ合いが続きそうだ。