バイデン氏、分断修復へ試練 経済やコロナで成果強調 米大統領就任後初の単独記者会見

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『【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は25日、ホワイトハウスで就任後に初めての記者会見に臨んだ。経済回復や新型コロナウイルス対策で成果をアピールしたが、経済や移民政策で野党・共和党の支持は乏しい。民主党リベラル派への配慮を迫られ、トランプ政権下で進んだ米社会の分断修復は試練が続く。

「経済に新たな希望の光が見えてきた」。バイデン氏は会見冒頭で経済政策の成果を強調した。3月中旬に成立した1.9兆㌦(約207兆円)の新型コロナウイルス対策を受け、多くのシンクタンクなどが2021年の経済成長見通しを6%超に引き上げたと訴えた。新型コロナ対策ではワクチン接種を4月末までに2億回と当初目標の2倍に増やした。

バイデン氏は「私は問題を解決するために(国民から)雇われた。分断を生むためではない」と強調し、政権の重要課題に掲げた米社会の融和を目指す考えを改めて強調した。今後は党派色が一段と強まる銃規制や移民政策にも重点を置くと説明し、共和党に対し「我々と協力するのか、分断政治を続けるのを決めなければならない」と問いかけた。

バイデン氏の方針に反し、分断修復の進展は乏しい。象徴的なのが大型コロナ対策だ。採決で共和党は出席した全ての上院議員が反対票を投じ、下院も賛成に回る共和党議員はゼロだった。連邦債務の拡大などを懸念したためだ。

上院共和党トップのマコネル院内総務は24日、FOXニュースのインタビューで「就任後に私はバイデン氏と話していないと思う」と主張。「バイデン政権は超党派で何かを実現することに関心を持っていない」と批判した。バイデン氏はコロナ対策で当初は超党派での成立を目指したが、早期成立を優先して共和党との協力を断念した経緯がある。

バイデン氏は会見で、今後も共和党の協力が得られない場合に備え、上院の運営規則の変更にも触れた。上院では議事妨害を意味する「フィリバスター」というルールがある。議員が法案に反対する場合、討論を時間無制限で続けて可決を阻止できる。討論を打ち切るには上院(定数100)の5分の3の賛成が必要だが、民主党は無所属を含めて50人にとどまる。共和党の協力が得られず政策推進が滞る。

バイデン氏はフィリバスターについて「甚だしく乱用されている」と共和党を批判した。部分的にフィリバスターの対象外を認めていくべきだとの意見に関し「検討の余地がある」との認識を示した。具体的には選挙権拡大につながる法案をあげた。「(法案審議が)完全な無秩序状態になれば私が話していること以上のことを実行する必要がある」とも指摘。フィリバスターの対象外とする分野の拡大を支持する構えを示し、共和党をけん制した。

フィリバスターに不満を強めるのが民主党リベラル派だ。エリザベス・ウォーレン上院議員は3月中旬、支持者に宛てたメールでフィリバスター廃止を訴えた。銃規制の大幅強化や最低賃金の引き上げ、気候変動対策の推進を実現するためだと説明した。リベラル派が求める政策ほど共和党の協力を得にくい。党内ではリベラル派の発言力が増し、バイデン氏も無視できない。バイデン氏は共和党との板挟みになっている。

直近の政策課題には中南米からの不法越境者への対策もあがる。米南西部国境での2月の拘束者数は10万人を超えて19年6月以来の高水準だった。記者会見では国境問題に質問が集中し、バイデン氏は「1~3月は毎年増える」「中南米諸国が地震や食料不足に見舞われたことが理由だ」などと答えるにとどまり、防戦に回った。保守層は厳しい不法移民対策を主張しており、22年の中間選挙の争点になりそうだ。

米ピュー・リサーチ・センターによると、バイデン氏の支持率は3月上旬時点で共和党員に限ると16%にとどまる。野党支持者からの大統領支持率を政権発足から1カ月程度の時点で比べると、1981年以降で2番目の低水準だ。最も低いのはトランプ前大統領で11%だった。

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