米国務長官「中国の制裁に屈せず」 欧州に結束訴え

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『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は24日の演説で、中国の人権問題をめぐる米欧と中国の対立について「我々は主張を曲げずに結束することが極めて重要だ」と強調した。中国に譲歩すれば「いじめ行為が機能するとのメッセージを送る恐れがある」と指摘し、中国による制裁に屈しないよう欧州に訴えた。

ブリンケン氏は23~24日にブリュッセルで開いた北大西洋条約機構(NATO)外相理事会に出席した後、NATO本部で演説した。

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ブリンケン氏は「我々は同盟関係やそれを支える価値観を再び重視しなければならない」と強調した。北大西洋条約第5条が定める集団的自衛権の行使を改めて確認し、欧州防衛について「揺るぎない誓いだ」とした。

ブリンケン氏は南シナ海の軍事拠点化などをあげて「中国の軍事的野望は毎年強まっている」と警鐘を鳴らした。「現代の科学技術もあり、地球の反対側で起きている課題はもはや遠く離れたものではなくなった」とも強調し、中国の脅威はインド太平洋地域に限らず欧州を含む世界に広がっているとの認識を示した。

中国による経済面での制裁措置などを念頭に「我々の一つの国が抑圧されたら同盟国全体で対処すべきだ」と指摘。「我々の経済関係を主要競争国と深めるよりも、(同盟国同士で)相互に一段と深めていって脆弱性を減らす必要がある」と強調した。中国への経済依存度を下げるべきだとの見方を示唆したものだ。

バイデン政権は欧州連合(EU)と中国の包括投資協定に否定的な立場をとっており、批准手続きを慎重に進めるよう欧州議会に働きかけを強める可能性がある。

ブリンケン氏は「同盟国に対して米国と中国のどちらかを選ぶように迫ることはしない」とも述べた。気候変動や新型コロナウイルス対策をあげて欧州諸国も中国と協力を進めるべきだと指摘した。トランプ前政権は同盟国に米中の選択を迫って同盟関係が揺らぐ要因になったとの見方があり、バイデン政権は各国の事情も踏まえる構えとみられる。

ロシアについては「我々の同盟関係に対抗し、集団安全保障の土台となるルールに基づく秩序を弱体化させる新たな軍事能力や戦略を構築している」と警戒感を示した。ロシアが選挙や新型コロナウイルスワクチンに関する偽情報を流していると非難。「個別国だけでなく、我々が共有する価値観を脅かしている」と訴えた。

NATOは加盟国の軍事費支出を国内総生産(GDP)の2%以上に引き上げる目標を掲げている。これについてブリンケン氏は「一つの数字が集団安全保障や国益の防衛に対する各国の貢献を完全に示しているわけではない」と述べた。トランプ前政権は2%目標に強くこだわったのとは対照的だ。トランプ政権は目標に到達しない国の防衛義務を履行しない構えも見せ、米欧同盟の亀裂を生む大きな原因になっていた。

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