米、不法移民対策でメキシコ・中米と協力

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『【メキシコシティ=宮本英威】米南部国境で不法移民が増えている問題で、米政府がメキシコや中米への協力を呼びかけている。移民問題を担当する高官がメキシコを訪れた23日の会談では「安全で秩序だった移民」への協力で一致した。メキシコは19日からグアテマラとの陸路国境を閉鎖しており、移動の抑制に協働で取り組む。

この日の両国の高官協議には、米側からは大統領補佐官として南西部国境問題を担当するロベルタ・ジェイ…

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この日の両国の高官協議には、米側からは大統領補佐官として南西部国境問題を担当するロベルタ・ジェイコブソン元駐メキシコ米大使、米国家安全保障会議(NSC)上級部長(西半球担当)のフアン・ゴンサレス氏、メキシコはエブラルド外相らが参加した。

メキシコ外務省は会談後に「移民の人権、特に未成年者について議論した。中米の発展への国際的な協力で一致した」とツイッターへの投稿で明らかにした。

米政府がメキシコに高官を派遣したのは、南部国境での移民急増に協力を呼びかけるためだ。保護者が同行していない未成年者の拘束急増で保護施設の余裕がなく、整備が不十分な国境地帯の施設への収容が、与野党双方から問題視されている。

未成年者の拘束者数は2月に9457人と、1月比で6割増えた。前年同月比では3倍近い水準だ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、過去3週間の平均では毎日523人の未成年が拘束された。3月累計では1万6千人程度に達する見通しで、ペースは加速している。

トランプ前政権は移民に強硬的な政策で知られ、不法入国者は未成年も含めて送還されるケースが多かった。バイデン政権は原則として未成年者を保護しており、親が未成年者のみの越境を促している可能性が高い。

メキシコ国境を通過し米国入りを目指すのは中米出身者が多い。そのため、中米からメキシコへの入国管理も重要になる。今年1月から今月18日までで、メキシコ国内では不法滞在していた未成年は4180人が拘束されている。

メキシコ政府は19日から4月21日まで、南部のグアテマラとベリーズとの陸路の国境を閉鎖し、不要不急の出入国ができなくなった。国境の川沿いには国家警備隊や国家移住庁(INM)の職員を派遣し、警備を強化した。

メキシコや中米から米入国を目指す人々が絶えない背景には、治安悪化や経済格差がある。メキシコのロペスオブラドール大統領は23日朝の記者会見で「人々は楽しみのために米国に行くのではない。必要に迫られて行くのだ」と指摘した。

国際通貨基金(IMF)によると、2020年時点の1人当たり国内総生産(GDP)はホンジュラスが2412ドル、エルサルバドルが3821ドル、グアテマラが4239ドルにとどまっている。米国(6万3051ドル)とはもちろん、メキシコ(8069ドル)とも大差がある。

バイデン氏は20年11月の米大統領選の公約で、中米地域に4年間で40億ドル(約4300億円)を投資する考えを示している。治安や脆弱な法制度の改善につなげる意向で、各国と具体的な施策を詰めていく。NSCのゴンサレス上級部長はメキシコの後にグアテマラを訪問し、同国政府や非政府組織(NGO)との会合を予定しており、協力体制の構築を急いでいる。

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