習近平の共産原理主義回帰への誤算、錯覚と王滬寧

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『2018年5月、中国当局は盛大にカール・マルクス生誕200周年のイベントを行い、最高指導部が「共産党宣言」を再学習したという。中国の多くの実業家がこれに驚きを隠せなかったという。「共産党宣言」は私有制度、資産階級(資産家)の消滅を目標に掲げているからだ。

2018年9月、トランプ大統領は2000億ドル相当の中国製品への関税を10%に引き上げ、米中貿易戦がぼっ発した。同月25~28日、習近平国家主席は中国東北部の3つの省を視察し、毛沢東時代によく用いられた「自力更生」のスローガンを口にした。2019年5月10日、トランプ政権が対中制裁関税を引き上げた後、習近平政権の毛沢東路線を踏襲する姿勢がより鮮明になった。

Screenshot(3)中国共産党中央政治局が2019年5月13日の会議で、6月以降全党員に「初心を忘れず、使命を銘記」という思想教育を徹底的に行うことを決定した。会議はまた、全党員に対して「党の執政の階級基礎と群衆基礎を絶えず固めよう」と求めた。「階級」と「群衆」は、共産主義理論のキーワードだ。中国国民に、文化大革命を彷彿させた。約10年間に及ぶ文化大革命では、毛沢東らが呼び掛けた「階級闘争」で、数多くの知識人が粛清された。

新新聞1606期00習近平氏が毛沢東思想を持ちだしたのは、王滬寧(ワン フーニン)氏:写真左の右 と大きく関係するとみられる。党の指導理論の構想に長けている学者出身の王滬寧氏は、江沢民元国家主席の右腕である曽慶紅の推薦によって、江沢民に党中央政策研究室政治組の責任者に抜てきされ、党のプロパガンダを担当した。江沢民時代に「三つの代表」、胡錦涛時代に「科学発展観」などの思想理論の起草を主導した。王氏が10年間以上、「江沢民と胡錦濤」、「江沢民と習近平」の権力闘争を生き抜き、「政界の不倒翁」との異名を持つ。参照記事

民族主義者を側近にした不幸:習氏は2017年、有力側近に民族主義者である王滬寧(ワン フーニン)氏を序列5位の中央政治局常務委員に選んだ。この人事が、習氏の外交政策を大きく変えさせ、米国と対決する路線に誘い込んでしまった。王氏は、米国留学経験を持つが、「真面目」に米国で学んだのでなく、米国の欠点ばかりをあげつらう異端児であった。これが、米国軽視を習氏に吹き込んだ背景である。

201710191119_1習近平氏は、2035年までに米国経済へ追いつき、抜き去るという目標を立てた。この裏には、前記の王滬寧氏が采配を振るったことは容易に想像できる。この夢の計画は、国家主席任期制限撤廃とともに、2017年10月の第19回中国共産党大会で了承された。習氏は党大会冒頭の演説で「新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう」と述べた。

しかし、選んだ側近が、米国を軽視する民族主義者であるという悪条件が重なり、今回の米中貿易戦争では、無残な敗北を喫したのである。この計画は、もともと人口問題(労働力供給)と環境破壊という、100%予測できる問題を無視した不完全な計画で、大きな誤解を生むものである。中国は深刻な人口動態や環境破壊の実態を無視して、「バラ色」のデタラメ計画をつくっていた。

p1問題は、中国がGDP世界1位の夢に憧れた理由は何かだ。
それは、中国共産党の統治能力の高さを内外に示して、国内政治の安定化を実現する。同時に、米国から覇権を奪って「中華の夢」を実現する。名実ともに、世界の盟主交代によって、世界を共産主義化するというのであろう。このシナリオ・ライターが、王滬寧氏であることは間違いない。日本で言えば、軍部の若手将校を操った大川周明という役どころであろう。あるいは、帝政ロシアの怪僧ラスプーチンになぞらえる人物と思われる。

習氏は2017年、有力側近に民族主義者である王滬寧(ワン フーニン)氏を序列5位の中央政治局常務委員に選んだ。この人事が、習氏の外交政策を大きく変えさせ、米国と対決する路線に誘い込んでしまった。習近平氏の誤算は、大変な人物を抱え込んでしまった。参照記事 参照記事

中国の経常収支黒字は、2015年には3041億ドルを稼ぎ出して世界1位になった。それが、2018年には490億ドルに縮小して、世界11位と大幅な後退である。経常収支黒字は、多くは外資系企業の輸出が稼ぎ出したものだ。それを、中国企業の奮闘と錯覚して、前記の「中華復興」という夢を語らせたのであろう。「他人の褌で相撲を取っている」ことに気付かず、有頂天になったのだ。参照記事 肝心の外資が中国離れの中、習近平体制は人口問題(労働力供給)と環境破壊を力づくで抑えようとする一方で、習近平は自身の格付けに日本への国賓招致を狙っている。 』