クリミアめぐり緊迫 ウクライナ、奪還へ強気

『【モスクワ時事】

ウクライナのゼレンスキー大統領が、2014年にロシアによって併合された南部クリミア半島の奪還を目指す姿勢を強く打ち出し始め、両国間の緊張が高まっている。ウクライナは、ロシアに厳しい立場を取るバイデン米政権の支援を期待して強気に出ているとみられる。ロシアは反発し、対決姿勢を強めている。

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 ウクライナではクリミア併合後に東部で始まった政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が続く。19年に就任したゼレンスキー氏は東部紛争の解決を優先してきたが、ウクライナとロシアにフランスとドイツを交えた4カ国の和平協議は停滞。状況に不満を抱いていたゼレンスキー氏は、米国など、より多くの国を巻き込みクリミア奪還を目指す戦略にシフトした。

 ゼレンスキー氏はロシアに圧力をかけるための新たな国際枠組み「クリミア・プラットフォーム」を提唱。8月23日に首都キエフで首脳会議を計画し、バイデン米大統領も招待した。ゼレンスキー氏は今月16日、ツイッターに「ウクライナは(クリミアの)脱占領・再統合に向けた戦略を準備した」と書き込んだ。「クリミア・プラットフォームで世界を結束させる」と表明している。

 こうした動きに対しロシア外務省のザハロワ情報局長は15日の声明で「違法かつ侵略に向けた威嚇」と断じた。クリミア・プラットフォームへの参加は「ロシアに対する非友好的な行動と見なす」と警告している。

 プーチン大統領は18日、モスクワで開かれたクリミア併合7年を記念するイベントに参加。「14年の(クリミアでの)住民投票の結果は歴史的正義の回復だ」と強調、ロシアへの統合を求めるクリミアの住民の求めに応じた結果だと併合を正当化した。

 両国関係の緊張が東部紛争に波及する恐れも高まっている。紛争は昨年7月、停戦入りしたが、最近は停戦違反が常態化。死者も相次ぎ、停戦どころか戦闘激化が懸念される。』