日米2プラス2 共同発表と共同記者会見の要旨

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1676M0W1A310C2000000/

『日米外務・防衛担当閣僚協議の共同発表の要旨は次の通り。

【同盟強化】 日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全、繁栄の礎であり続けると再確認した。日本は国家の防衛を強固なものとし、日米同盟をさらに強化するために能力を向上させると決意した。米国は核を含むあらゆる種類の米国の能力による、日本の防衛に対する揺るぎないコミットメント(関与)を強調した。

【中国】 中国による既存の国際秩序と合致しない行動は、日米同盟と国際社会への政治的、経済的、軍事的、技術的な課題を提起している。ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者への威圧や安定を損なう行動に反対する。自由で適法な通商への支持、航行と上空飛行の自由、その他の適法な海洋の利用を含む国際法の尊重を再確認した。

中国海警法などの最近の地域における混乱を招く動きに深刻な懸念を表明した。日米安全保障条約5条のもとで、沖縄県・尖閣諸島を含む日本の防衛に対する米国の揺るぎない関与について議論した。日米は現状変更を試みる、あるいは尖閣諸島の日本の施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも引き続き反対する。

台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。

南シナ海での中国の不法な海洋権益に関する主張と活動への反対を改めて表明する。国連海洋法条約のもとで設置されたフィリピンと中国との間の仲裁裁判所の2016年の判断が最終的で、当事国を法的に拘束する。

香港と新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念を共有した。

【北朝鮮】 北朝鮮の完全な非核化への関与を再確認した。北朝鮮に国連安全保障理事会の決議の全ての義務に従うことを求めた。(日本人)拉致問題の即時解決の必要性を確認した。日米韓の3カ国間協力はインド太平洋地域の安全、平和、繁栄にとって不可欠である。

【地域協力】 日米同盟の強さは共通の価値に基づくもので、志を同じくする民主主義国との緊密なパートナーシップのネットワークにより一層強化される。12日の日米豪印首脳協議は威圧的な力に制約されない、自由で開かれ、包摂的な地域の共有されたビジョンを示した。東南アジア諸国連合(ASEAN)と協働することを誓約した。

【新領域】 宇宙やサイバーといった領域、情報保全をさらに強化していく。将来的な課題へ対処するための、実践的な2国間、多国間の演習と訓練が必要である。

【米軍普天間基地移設】 代替施設を(沖縄県の)キャンプ・シュワブ辺野古崎地区と隣接する水域に建設する計画が、普天間基地の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であると再確認した。可能な限り早期に建設を完了する。

【在日米軍駐留経費負担】 現行の特別協定を1年延長する改正に合意したのを受け、双方の交渉官に双方が裨益(ひえき)する新たな複数年度の合意に向けて取り組むよう指示した。

【東日本大震災】 震災とその余波で失われた幾多の命を追悼する。

【次回開催】 日米同盟の深さと幅広さと無数の共通の優先的な政策に関する取り組みを強める必要性を認識し、年内の改めての開催を呼びかけた。

日米の外務・防衛担当閣僚による共同記者会見の要旨は次の通り。

冒頭発言

茂木敏充外相 インド太平洋地域の戦略環境は以前とは全く異なる次元にあり、日米同盟の重要性はかつてなく高まっている。日米両政府は同盟強化に向けてより具体的な作業に取りかかる。年内にも再度2プラス2を開き成果を確認する。

ブリンケン国務長官 我々は民主主義、人権、法の支配などを大事にする。ビルマ(ミャンマー)などでこうした価値観が危機にひんする。中国が威圧的な方法で香港の自治、台湾の自由、チベットの人権、南シナ海の海洋の安全を脅かそうとする。中国が威圧的なときは押し戻す。

岸信夫防衛相 海警法で日本を含む関係国の正当な権益を損なうことはあってはならず、東シナ海や南シナ海で緊張を高めることは断じて受け入れられない。安保環境が厳しさを増し、米軍と自衛隊が高度な演習を実施する必要があるとの認識で一致した。

オースティン国防長官 国防総省にとって中国は増大し続ける課題だ。グローバルな激動のなかでチームワークが不可欠だ。日米同盟の特長でもある。

質疑

――日米同盟の強化に向けどのような議論を。日本の今後の貢献は。

茂木氏 どちらが負担するかより、厳しい安保環境に対処するには日米がどういう役割を果たしていくのが重要かを擦り合わせている。ルールに基づく国際秩序の推進に取り組む。

――中国の脅威にどう対応するか。北朝鮮との交渉は。

ブリンケン氏 北朝鮮への政策で、あらゆる選択肢を検討している。2月中旬から連絡を試みているが平壌から返事はない。

オースティン氏 この20年、我々は中東に関心を払ってきたが、その間に中国は軍の近代化を進めた。中国などへの競争優位性を持っておく必要がある。

――対中政策のスピード感は十分か。対話に応えない北朝鮮にはどうするか。

オースティン氏 具体的な中国へのタイムラインは議論したくない。できるだけ早く、いかなる挑戦にも対応する。

ブリンケン氏 北朝鮮の政策はいま見直している。追加の圧力が必要なのか外交的な道が有効なのか検討している。日本人拉致被害者の家族からの手紙を読み、心が動かされた。

――海警法の施行で認識をどう共有したか。中国への対抗措置として自衛隊と米軍の共同訓練は。

岸氏 自衛隊と米軍はこれまで尖閣諸島周辺で共同訓練を多数している。引き続き各種の共同訓練を着実に積み重ねて日米が共に行動する姿を示す。』