半導体材料、中国に活路 後発組が政府系と合弁 フェローテックなど、シリコンウエハーで追い上げ

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※ 横たわっている「棒」みたいなものは、「シリコン・インゴット」というものだ…。

※ これを、薄くスライスして、「シリコンウエハー」(円盤みたいなもの)を作成する…。

※ 立てると、こんな感じ…。

※ 製造方法の概念図は、こんな感じ…。

※ シリコンの材料をドロドロに溶かしておいて、何らかの「タネ」を作って、回転させながら、ゆっくりと引き上げる…。

※ インゴット(棒)の直径が大きければ大きいほど、良い…。それだけ、多くの「半導体チップ」を作成することができるからな…。

※ ノウハウの固まりなんで、競合するのは難しい…。それで、上記の円グラフにもあるように、信越化学とSUMCO(日本の会社だ…。住友系列だったはず)で、5割以上のシェアを占めている…。

※ そこへ、「殴り込み」をかけよう…、という話しだ…。

『日台の大手が寡占する半導体材料のシリコンウエハー市場で、フェローテックホールディングスなど非先端品が主力の日本の後発企業が中国で投資を積み上げている。中国の半導体国産化政策をテコに、大手が進出に慎重な中国での生産拡大を急ぐ。大手との技術格差や技術流出リスクなど課題は抱えるが、成長が見こめる市場で先行して大手優位の構図に挑む。

「5年でトップ集団に追い付きたい」。フェローテックの賀賢漢社長の鼻息は荒い。半導体製造装置の部品が主力…

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半導体製造装置の部品が主力の同社は、ウエハー業界では2002年に中国で旧世代品の生産を開始した「後発」だ。

そのフェローテックは20年から、中国政府系や民間のファンドを対象に中国のウエハー子会社などの増資や株の売却を実施した。調達額は21年2月までに合計約700億円にのぼり、同社のジャスダック市場での時価総額(約800億円)に匹敵する。賀社長は「募集金額の何倍もの投資家が集まった」と投資熱に驚く。
現地投資マネー呼び込み

資金の主な使途は先端半導体で用いる直径12インチ品の量産だ。浙江省杭州市で20年度から量産を始め、22年までに月10万枚まで増やす計画だ。ウエハー事業拡大への投資額は少なくとも1500億円を見込み、自社だけでは負担が重い。増資や売却で株式保有比率は3割弱まで下がるが、投資負担で赤字が続いていたウエハー子会社が連結から外れ、財務体質を維持・改善できる利点もある。

半導体ウエハーは日本の信越化学工業とSUMCOが5割強のシェアを持ち、米インテルなど世界の半導体メーカーに供給している。20年には業界3位の台湾・環球晶円(グローバルウェーハズ)が4位の独企業の買収を発表し、さらに集中が進む。

RSテクノロジーズの方永義社長も「25年までにSUMCOを超えたい」と野心を隠さない。同社は半導体の抜き取り検査に使う再生ウエハーの世界最大手。通常のシリコンウエハーは18年、中国政府系の北京有色金属研究総院(GRINM、現・有研科技集団)との合弁で参入した。一部の工程は共通で技術を生かせる。20年10月に山東省徳州市で新工場を立ち上げ、21年中に8インチ品の生産能力を月13万枚まで高める計画だ。12インチ品では徳州市の政府系ファンドの出資も仰ぎ、年内に月1万枚のテスト生産を計画。将来的に月30万枚の量産をめざす。
大手は技術流出警戒

中国政府は産業政策「中国製造2025」で半導体の自給率を7割に高める目標を掲げた。11日閉幕した全国人民代表大会(全人代)でも関連産業の強化を打ち出し、材料や製造装置は重点分野の一つだ。ウエハーでは天津中環半導体(天津市)や新昇半導体(上海市)が量産に取り組むが、大手と渡り合うメーカーはない。

フェローテックやRSテクノロジーズが期待するのが、国策を背景にした補助金や投資マネーだ。「現地資本を入れることで、国営企業と同等の補助金が得られる」(RSテクノロジーズ)。両社とも現地の生産会社を上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」などに上場させる方針だ。
フェローテックHDが生産する半導体の基板素材となるシリコンウエハー

一方、現状で上位メーカーと技術の差は「非常に大きい」(外資系証券アナリスト)。半導体ウエハーは品質を測る指標の一つである純度を高めるために、大手はシリコン結晶の塊を作る「引き上げ装置」を自社開発してノウハウを囲い込んでいる。フェローテックは以前から旧世代ウエハー向けの装置を内製してきたが、先端向けでは「何十年の差がついている。一つ一つクリアしていく」(同社)と認める。再生ウエハーの加工ではこの工程が無く、RSテクノロジーズは「引き上げ装置の開発が一番の課題」(方社長)と話す。

両社の中国での生産が軌道に乗っても、1社で月200万枚規模の12インチウエハーを生産する大手との差はなお大きい。ただ先行する大手は製品は輸出しても技術流出の恐れなどから中国生産に慎重だ。両社は「現地会社の役員構成などで経営の主導権を維持して技術流出を防ぐ」などとする。「パワー半導体基板など中長期的な成長が見込まれる子会社の持ち分比率が低下することで将来の利益がグループ外に流出する」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川義人シニアアナリスト)との指摘もある。

中国では20年夏、英半導体設計アームと中国合弁の間でトップ人事をめぐる対立が表面化した例もある。後発組の戦略が実を結ぶためには、慎重なかじ取りが必要になりそうだ。

ボストン・コンサルティング・グループの予測によると、半導体の生産能力で中国は30年に世界の24%を占め、台湾などを上回り量で世界最大となる。国策に後押しされて、中国では半導体に関係する様々な分野で多数のメーカーが設立されている。地方政府が出資する半導体製造受託企業が事実上破綻するなど既に淘汰も始まっている。競争環境の厳しさはウエハーも同様だ。

(龍元秀明、福本裕貴、長谷川雄大)