米政権、アジア外交始動 日本重視、中国に対抗―北朝鮮政策で擦り合わせ

『【ワシントン時事】米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が15日から日本と韓国を歴訪する。その後、ブリンケン氏は米アラスカ州で中国外交トップと会談し、オースティン氏はインドを訪問する。両長官は共に初外遊。バイデン政権のアジア戦略の行方を占う機会になりそうだ。

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 両長官は最初の訪問先となる日本で16日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に出席、日米同盟強化を再確認する方針だ。中国を「唯一の競争相手」と位置付け、対抗姿勢を強めるバイデン政権は、日本との連携を最重視する姿勢を鮮明にしている。4月前半にも予定される菅義偉首相の訪米に向けた準備を加速させる。

 韓国でも2プラス2を開催する。韓国側に米軍駐留経費の大幅増額を求め、在韓米軍撤収にたびたび言及するなど、トランプ前政権下でぎくしゃくした同盟関係の修復を図る。今月妥結した駐留経費交渉の正式合意を発表する可能性もある。

 日韓両国では、バイデン政権が見直し中の北朝鮮政策も議題になるとみられるが、ソン・キム国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)は電話会見で「見直し完了には数週間かかる」と指摘。公表に向け、日韓と擦り合わせを行いたい考えだ。

 また、オースティン氏はインドでシン国防相と会談し、情報共有を含む安全保障分野での連携強化について議論する見通し。インドは米国製の攻撃型無人機の調達を検討しているとされ、装備面での協力についても話し合うもようだ。

 一方、ブリンケン氏とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、アラスカ州アンカレジで、中国の外交政策を統括する楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員、王毅外相と会談する。12日開催の日米、オーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)のテレビ首脳会談や、今回の外交安保閣僚の日韓印歴訪を通じて同盟国や友好国との連携を強化し、民主主義の価値を重視する「強い立場」を築いた上で、中国に対峙(たいじ)する構えだ。

 楊氏らとの会談では、米国などが「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定した新疆ウイグル自治区の少数民族迫害を議題にする方針。サリバン氏によると、中国船舶の沖縄県・尖閣諸島周辺への侵入も取り上げる。ただ、米政府高官は「協力の可能性を残し続ける」とも述べており、気候変動や核不拡散などで協調の余地があるかを探りたい思惑もある。 』