ドイツ州議選、メルケル与党が敗北 緑の党・SPDが勝利

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『【ベルリン=石川潤】14日実施されたドイツ西部2州の州議会選挙で、メルケル首相の国政与党、キリスト教民主同盟(CDU)がいずれも過去最低の得票率で敗北した。今回の州議選は9月の連邦議会(下院)選挙の前哨戦で、政権維持を目指すCDUにとっては手痛いスタートとなった。バーデン・ビュルテンベルク州では緑の党、ラインラント・プファルツ州ではドイツ社会民主党(SPD)が勝利した。

公共放送ARDの14日午後7時すぎ(日本時間15日未明)時点の得票予想によると、バーデン・ビュルテンベルク州では緑の党が前回16年を上回る32%程度の票を集め、同州での第1党の座を守った。CDUは第2党だが、得票率は前回より3ポイント以上落とし、23%程度にとどまる見通しだ。

ラインラント・プファルツ州では、同州を牙城とするSPDが前回16年とほぼ同じ35%程度の得票で第1党を維持した。第2党のCDUは前回より約5ポイント落とし、27%程度となったもようだ。

極右政党のドイツのための選択肢(AfD)はいずれの州でも10%前後の票を獲得した。ただ、得票率は前回よりも大きく下げており、勢いには陰りがみえる。

CDUの敗北は、マスク取引を巡って議員が利益を得ていたという不祥事が選挙直前に浮上した影響が大きい。長引くロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の遅れで高まっていた有権者の不満に火を付けたかたちだ。

CDUのツィーミアク幹事長は「(同党にとって)良い夜ではない」と敗北を認めた。緑の党のハベック党首は「(選挙の年の)すばらしいスタートだ」と語った。

9月の連邦議会選挙は、引退を表明しているCDUのメルケル氏の次の首相を決める選挙だ。ドイツ全体の世論調査ではCDUの支持率はトップで、2位の緑の党を大きく上回っている。ただ、足元では支持率が下がり気味で、今回の敗北は秋に向けて不安を残す結果となった。

CDU党首に1月就任したラシェット氏にとって党の立て直しが急務となる。ポストメルケルの最有力とみられている同氏だが、早くも正念場を迎えつつある。

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赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局編集委員
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今後の展望 CDUで地方選を率いたのは長年、執行部と対立してきた党内非主流派。敗北で非主流派は勢いをそがれ、ラシェット党首の党内基盤が揺らぐことはないでしょう。ただコップの中の争いをしている余裕はありません。14日夜、電話取材に応じた与野党幹部は異口同音に「9月の国政選挙に影響する」と断言しました。

注目はバーデン・ビュルテンベルク州の次期州政府の枠組み

⑴同州で「緑の党+中道左派SPD+新ビジネスFDP」の3党がCDU排除で合意、連立へ
⑵その動きが国政に及び、9月国政選挙で3党あわせて過半数を制す
⑶緑の党首班の政権発足
…との構想も選択肢に浮上。政党の合従連衡がポスト・メルケルを左右しそうです
2021年3月15日 8:12いいね
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