アジアの大国連携探る インド取り込み、米が主導

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『日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による初の首脳協議は、中国の影響力の高まりを懸念するアジア太平洋の地域大国が米国の仲介で手を組む形となった。対中包囲網の色合いが強まるのを避けたいインドを取り込むため、米国が主導して新型コロナウイルスなどでの協力を打ち出して安全保障色を薄めた。

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「野心的な新たな共同パートナーシップを立ち上げ、ワクチン生産を拡大する」。バイデン大統領は12日の協議冒頭で、4カ国によるワクチン協力の意義を強調した。

バイデン氏に続いてモディ印首相が発言したのもインドへの配慮の表れだ。日本政府関係者によると、ワクチンを軸とした協力の構想は米国の発案だったという。新型コロナの協力であればインドにとっても参加のハードルは低い。オースティン国防長官も日韓歴訪後にインドを訪れる。

トランプ前大統領は多国間連携に関心を示さず、4カ国の関係を発展させる機運は乏しかった。「インド太平洋地域は国際法に基づき、普遍的な価値を支持し、威圧から自由であると確認したい」。バイデン氏は名指しを避けつつも中国への対抗心をあらわにした。

日米豪印4カ国の連携構想が浮上したのは2006年。当時は中国との関係を重視する豪印が「対中包囲網になりかねない」と慎重な姿勢を崩さず、実現しなかった。ただその後、両国の中国との関係は激変した。

20年以降、中国は豪州産の食肉や大麦、ワイン、石炭などに輸入制限を課した。豪州と近い太平洋島しょ国のソロモン諸島やキリバスは台湾と断交し中国と国交を結んだ。中国が軍事施設を建設すれば豪州や米国にも影響が出かねない。

インドも対中貿易赤字の拡大に悩む。中国依存が高まるのを懸念し、20年には中国など15カ国が参加する東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)への参加を見送った。国境係争地域での緊張も続き「印中関係は過去40年以上の間で最も難しい局面にある」(ジャイシャンカル外相)。

中国は人口が世界最多で、国内総生産(GDP)や軍事費も高い伸びが続く。アジアで中国と対峙する日豪印に米国が加われば人口、GDP、軍事費でいずれも中国を上回り、対抗軸を築ける。

次の焦点は18日に米アラスカ州アンカレジで開く米中会合だ。ブリンケン国務長官は中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と会談し、王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も同行する。中国はひとまず米との対話を試みるが、今後4カ国の包囲網が強まれば強硬姿勢を打ち出す恐れもある。

(ワシントン=永沢毅、加藤晶也)』