中国、機動的に副首相任免可能に 次期首相選びをにらむ 全人代組織法改正へ

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『【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は閉幕日の11日に全人代組織法改正案を可決する見通しだ。全人代常務委員会で副首相らの機動的な任免を可能にする案で、李克強(リー・クォーチャン)首相の後任選びをにらんだ動きと見られる。

現行法で副首相らの任免は毎年3月に開く全人代で決める必要がある。全人代は原則として年に一度しか開かれない。法改正すれば2カ月に1度のペースで開く全人代幹…

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法改正すれば2カ月に1度のペースで開く全人代幹部で構成する全人代常務委で任免できるようになる。

この法案は将来の首相選びに直結する可能性がある。憲法の規定で首相は3選が禁止されており、李氏は2023年3月で首相職を退く。その後任人事は22年秋に開く5年に1度の党大会で事実上決まる。

首相は中国政府(国務院)で経験を積んだ副首相から選ぶのが慣例だが、現職の副首相4人のうち3人が共産党幹部の定年(68歳)に引っかかってしまう。現状で残るのは党の青年組織、共産主義青年団(共青団)出身の胡春華(フー・チュンホア)副首相のみとなる。

習氏はこれまで共青団の組織力を警戒し、共青団出身者を遠ざけており、胡氏とも距離があるとの見方が多い。今回法改正をしないと、首相の適格者は胡氏のまま、22年の党大会を迎えることになりかねない。習氏が意中の人物を首相にするのなら、事前に副首相としての経験を積ませる必要がある。

9日付の香港の有力紙、星島日報は李氏の後継候補として胡氏の名前を挙げながらも、習氏に近い地方トップから起用する可能性にも言及した。李強・上海市党委書記や李希・広東省党委書記、陳敏爾・重慶市党委書記らが22年秋の党大会の前に副首相に起用され、李氏の後任首相候補になるかもしれないとした。

法案が副首相の任免権を付与する全人代常務委員会の委員長に共産党序列3位の栗戦書(リー・ジャンシュー)氏が就いていることも臆測を増幅している。習氏に最も近い腹心のひとりだからだ。

胡氏に逆風が吹いていることは確かだ。最近では2009~12年まで胡氏がトップの党員会書記を務めた内モンゴル自治区で石炭を巡る汚職が発覚した。習指導部は過去20年間の不正を調べる方針を打ち出している。

習氏は3月5日、全人代で内モンゴル自治区の代表を集めた分科会に出席し、一連の腐敗に「いずれ決着をつける」と表明した。調査の過程で胡氏に近い人物に問題が見つかれば、首相レースで大きなハンディを負いかねない。

首相は国務院(政府)を指揮・監督する。経済政策を中心とした権限を持つ。建国の父、毛沢東を支えたのは行政能力にたけた周恩来首相(当時)だった。1990年代後半に就任した朱鎔基首相(当時)は江沢民(ジアン・ズォーミン)総書記(当時)のもとで国有企業改革で大なたを振るった。

習指導部ではトップの習氏と李氏の不仲が取り沙汰されてきた。約一年半後に党大会を控え、李氏の後継レースが激しくなりそうだ。