「米朝首脳の関与必要」 核問題解決に向け―トランプ前政権高官

『【ワシントン時事】トランプ前米政権のホワイトハウスで北朝鮮核問題に関わったシンクタンク「民主主義防衛財団」のアンソニー・ルッジェーロ上級研究員は8日、時事通信のインタビューで、北朝鮮政策の見直しを進めるバイデン政権に対し「首脳レベルの関与をやめてはいけない」と訴えた。その上で「外交と圧力」を同時に追求することが重要だと指摘した。

 トランプ前大統領は当初、経済制裁の強化などで、ミサイル・核実験を継続する北朝鮮に「最大限の圧力」をかけ続けた経緯がある。だが、2018年6月に金正恩総書記との米朝首脳会談が実現して以降、米韓合同軍事演習を中止するなど「大幅に圧力が減じた」という。

 ルッジェーロ氏は「(歴代米政権は)圧力と外交を同時に利用できなかった」と省みる。トランプ政権も同じ轍(てつ)を踏んでおり、圧力が緩む中で実務レベルの協議も進まず。最終的に北朝鮮の非核化は進まなかった。

 ただ、ルッジェーロ氏は、トランプ氏と異なるやり方であっても、バイデン大統領は首脳レベルの関与を維持すべきだと主張した。トランプ氏の首脳外交については「非核化の在り方や、米国が期待するものは何かを米大統領が正恩氏に直接伝える機会になった」と意義を説明した。

 また、15日からとされるブリンケン国務長官とオースティン国防長官の日韓歴訪に言及。「(外交と圧力を)同時に追求することを示す一つの方法になる」と期待する。また「北朝鮮側もバイデン政権の政策について何らかの対話を望むだろう」と指摘し、今後、米朝接触の可能性があるとの見方を示した。

 一方、米朝交渉が停滞する中、米専門家の間では、北朝鮮の核兵器保有を事実上認める軍備管理交渉のアプローチを主張する声も上がっている。ルッジェーロ氏は軍備管理には「立ち入った検証」を北朝鮮に認めさせる必要があり、現実的ではないとの認識を示し、北朝鮮問題の解決は「非核化が唯一のオプションだ」と強調した。』