中国、北極開発を5カ年計画に明記 周辺国は軍事目的警戒

『【北京時事】中国は第14次5カ年計画(2021~25年)で北極圏の開発協力を本格化する方針を明確にした。表向きには資源開発や航路の利用をはじめとする経済分野を重視。しかし、米国やフィンランドなど周辺国は軍事的な意図があるとみて警戒している。

領海管理強化で法改正 海事局の尖閣活動へ布石―中国

 11日に閉幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で採択予定の5カ年計画は「北極の実務協力への参加」を明記。「氷上のシルクロード建設」もうたい、シルクロード経済圏構想「一帯一路」と連動して北極圏の開発に関与していく構えだ。

 中国は13年に北極圏の8カ国で構成する「北極評議会」のオブザーバーになった。18年には「北極政策白書」を公表し、自国を「北極近接国」と規定。5カ年計画は白書を踏まえたものだ。
 北極圏は地球温暖化で氷が解ければ、資源開発や航路の利用が活発化するとみられている。米国地質調査所(USGS)の推定によると、全世界で未発見の天然ガスの30%、石油の13%が埋蔵されている。北極圏を通ってアジアと欧州を結ぶ航路はスエズ運河経由よりも大幅に期間を短縮できる。

 一方、北極圏は米ロに接し、軍事的に重要だ。フィンランド放送協会(YLE)は今月4日、同国の地方空港をめぐり、中国政府系機関が18年に買収を働き掛けていたと報じた。中国側は「研究拠点を設置するため」と説明していたが、フィンランド軍施設に近いため、同国国防省は認めなかった。買収交渉には中国軍関係者も関わっていたという。

 近年、習近平指導部はロシアと軍事的な連携を深めており、米国も中国の動向を懸念している。ポンペオ米国務長官(当時)は19年の北極評議会の会合で「北極海を新たな南シナ海にしてよいのか」と危機感をあらわにした。バイデン政権も同様の認識を持っているもようで、今年2月にカナダと安全保障などに関する「北極対話」の開始で合意した。』