長期金利を左右する「米国例外主義」の行方(NY特急便)

長期金利を左右する「米国例外主義」の行方(NY特急便)
NQNニューヨーク 張間正義
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00002_W1A300C2000000/

 ※ 「米国例外主義」というものが、正しいのかどうかは分からない…。

 ※ しかし、米・日の経済構造は、決定的に「異なるところ」があると思う…。

 ※ それは、米国が「基軸通貨の発行国」だという点だ…。

 ※ ここが揺るがない限り、そして、「米国債が、順調に消化されて行く。」限り、米国民が必要とする「物資」を、「調達」して行くことが可能だ…。

 ※ 翻って、日本国はどうだろう…。
 
 ※ 日本国債は、今のところ、ほぼ国内勢で消化できている…。

 ※ しかし、そういう事態は、日本国の「経常黒字」及び「海外資産」によって支えられているという構図だと思う…。

 ※ そして、その「経常黒字」は、国民みんながせっせと「労働」し、資源を「浪費」せず、慎ましく生活する…。そういうことで、成り立っている経済構造だと思う…。

 ※ むろん、そういう「慎ましい日常生活」「経済活動」に必要な「物資」が、海外から滞りなく「調達」できる…、ということが大前提だが…。

 ※ 日本国民は、大部分は、そういう「経済構造」なんか、知ったことじゃないと思う…。

 ※ しかし、「本能的に」「薄々は」しっかりと、感じ取っているんだと思う…。

 ※ だから、「将来の先行きに、ばく然とした、不安を感じ」「自分の老後に、ばく然とした不安を感じる」んだと思う…。

 ※ さらに、もちろん、「災害列島」だから、それに対する「備え」も、必要だ…。

 ※ よって、日本国においては、「消費が盛り上がる」ということは、この先、期待薄だろう…。

 ※ こういう「経済構造」は、日本国だけに当てはまることじゃ無い…。

 ※ 米国以外の、「非基軸通貨発行国」全てに言えることだと思う…。

 ※ ただ、それを「自覚」して、「それを前提に」国政運営したり、国策を企画・立案・実行するかどうかの話しだろう…。

『米国債市場の景色が1年前から様変わりした。昨年3月に「経済の体温計」である米長期金利は過去最低となり、米経済の「日本化」と騒がれた。それから1年後の今は高成長・高インフレを意識した「米国例外主義」に傾きつつある。

5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発した。2月の雇用統計で雇用者数が市場予想以上に増え、景気回復期待が高まった。追加の経済対策などで春以降の景気急回復が見込まれる。20…

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2021年の実質国内総生産(GDP)成長率は「7%と84年以来の高水準となる」(調査会社オックスフォード・エコノミクス)。歴史的な高成長見通しは経済を冷やさず過熱もさせない「中立金利」の目線を引き上げる。

この動きは将来利益を現在価値に割り引く時に使われる長期金利の上昇につながり、理論株価が切り下がる。高PER(株価収益率)銘柄の多いハイテク株ほどこの影響が大きく、2月後半からの下げが大きい。ナスダック総合株価指数のPERは2月に37倍と歴史的な高水準を記録。今回同様、前回の景気後退から拡大への転換局面だった09年後半は20倍だった。長期金利は歴史的にみればなお低水準だが、急ピッチな上昇に対し高いバリュエーション(投資尺度)があだとなった。

1日に発表した決算と業績見通しが市場予想を優に上回ったビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズに、翌2日以降の市場は売りで反応。週間では10%安だった。新型コロナが業績拡大の追い風となった代表銘柄で、「新常態」への移行からコロナ禍後も好業績が続くとみられた。ただ、140倍を超えていた高いPERへの懸念が上回った。金利上昇による高PER銘柄潰しの動きが和らぐタイミングを市場は注視している。

先行きの米経済に対する見方は大きく変わった。昨年3月3日に長期金利は初めて1%を割った。同月9日には30年物国債利回りでさえ一時、1%を下回った。新型コロナが潜在成長率を低下させ、米経済の低成長と低インフレが加速すると市場がみたためだ。

それから1年後。5日に長期金利は一時、1.62%と昨年2月以来の高水準を付けた。30年物利回りは2.3%台まで上昇した。政府の政策総動員により米経済は高成長と高インフレの局面を迎えつつある。90年代の日本を振り返れば、財政政策の効果は基本的に一過性。翌年以降には「財政の崖」も到来する。かつ、日本は株式と不動産の資産デフレを放置し、デフレ経済に陥った。

米国では株式と不動産価格は歴史的な高水準にあり、資産デフレにはほど遠い。この状態で今後4年間の需給ギャップを上回る財政政策を実施する。日本ほど物価低迷に慣れていない米国では「高成長=インフレ」と捉える。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「一時的」とするインフレに対しても、懐疑的な市場参加者は多い。

政治や経済の面で米国は他国よりも優位性があるという意味で例外主義という言葉がしばしば登場する。将来の米経済の着地点が日本化で正解なら、足元の金利水準でも米国債は買えることになる。一方、例外主義が正しい場合、金利は今よりもかなり高い水準にいることになる。(NQNニューヨーク=張間正義)』