対北朝鮮、即応力低下に懸念 米韓演習縮小で

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『【ソウル=恩地洋介】米韓両軍が毎年恒例で実施してきた野外機動訓練は3年連続で見送りとなった。米軍や韓国の安保関係者からは、北朝鮮有事への即応力低下を懸念する声が上がっている。合同軍事演習が縮小となる一方、北朝鮮は周辺国を狙う弾道ミサイルを着々と開発しているからだ。

韓国紙大手の朝鮮日報によると、在韓米軍のエイブラムス司令官は最近、韓国政府高官に「野外訓練のないコンピューター訓練では連合防衛能力に支障が出る」との認識を伝えていた。軍出身の韓国野党議員は「指揮所に座るだけの軍隊は有事で戦えない」と憂慮する。

軍内部では指揮官も現場の兵士も頻繁に人が入れ替わり、継続的な訓練がなければ高い実戦能力を保てない。韓国軍の元特殊戦司令官によると、在韓米軍の将校は毎年6割、韓国軍の将校は毎年5割が交代するという。

米韓軍はかねて、春と夏に対北朝鮮の軍事作戦を想定した大規模訓練を実施してきた。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を繰り返した2017年には、指導部を除去する「斬首作戦」に加え、原子力空母や戦略爆撃機を周辺に展開した。

演習の縮小を進めたのはトランプ米前大統領だ。18年6月、会談した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の求めに応じて演習中止に言及。「あまりにも費用がかかる戦争ゲームはできない」として、19年春から野外機動訓練の「フォール・イーグル」を打ち切った。

北朝鮮軍は演習の最中、非常態勢をとり兵士を前線に張りつける。軍は普段、建設現場などに動員されており、演習の間は経済活動が停滞する。このため、大規模演習の中止は北朝鮮にとって大きな負担減となる。

金正恩氏は南北融和を呼びかける韓国に演習を中止するよう圧力をかけながら、自らは迎撃の難しい新型短距離弾道ミサイルの実験を繰り返した。1月の朝鮮労働党大会では戦術核兵器や、多弾頭技術などの開発を進めると表明している。

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