ミャンマーと向き合う「ASEAN盟主」の打算と現実

ミャンマーと向き合う「ASEAN盟主」の打算と現実
アジア総局長 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK064CJ0W1A300C2000000/

※ 今日は、こんなところで…。

『クーデター後のミャンマーの混迷に国際社会が懸念を深めるなか、国軍を初めて対話の場に引っ張り出したのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)だった。

3月2日にオンラインで開催した特別外相会議には、国軍が外相に任命したワナ・マウン・ルウィン氏も出席した。各国は抗議デモへの武力行使に自制を求め、アウン・サン・スー・チー氏の即時解放や国連特使の受け入れを促す発言も相次いだ。受け身に立たされたミャンマーが「こ…

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受け身に立たされたミャンマーが「この手の会議には二度と参加しない」と不満をあらわにする場面もあったという。

議長国ブルネイが発表した声明は、ミャンマー情勢に「懸念」を表明し、「平和的、建設的な方法で支援する用意がある」との表現を盛り込んだ。死者が増え続ける現状の打開へ具体策は欠いた。インドネシアのルトノ外相は「内政不干渉の原則は守らなければいけない。同時に民主主義や人権の尊重、法の支配も大事だ」と語った。

加盟10カ国が2008年に制定した域内憲法の「ASEAN憲章」は、ルトノ氏が言及した「加盟国の内政問題への不干渉」と「法の支配、良い統治、民主主義の原則及び立憲政治の順守」を明記している。が、2つは時に二律背反に陥る。後者が危機にひんしていても、前者が足かせになり、具体的な対応に踏み込めないからだ。

内政不干渉の原則には事情がある。1967年に原加盟5カ国で発足し、30年余りかけていまの10カ国体制を築いたASEANは、政治体制から経済発展の度合い、民族・宗教まで多種多様だ。「違い」を理由に足踏みするのではなく、共通点を見つけて前へ進むための知恵のひとつが、互いの内情にくちばしを挟まない不文律だった。

3月2日にオンライン形式で開かれたASEANの特別外相会議はミャンマー情勢への「懸念」を表明したが…=ロイター

慣例的だったルールを憲章として明文化する際、それを見直す動きはあった。加盟国の閣僚経験者らで構成する「賢人グループ」が提言した草案は、合意違反国への制裁制度の導入を盛り込んでいた。国内問題も例外ではなく、内政不干渉の修正を意図していた。

ところが憲章は同原則を温存した。国内で民主化・人権問題を抱えるベトナムやラオス、当時は軍事政権下のミャンマーの後発加盟国が反対したためだ。いったん進んだ民主化の時計の針を巻き戻す今回のミャンマー政変は「NATO(ノー・アクション・トーク・オンリー)」と皮肉られるASEANの課題をまたも露呈させた。

「平和的・建設的な支援」の道筋をASEANはどう描くのか。

「張本人のミャンマーを含む会合に曲がりなりにもこぎ着けたのは評価していい」。ある外交関係者はこう指摘し「ASEAN全体としてミャンマー情勢を主題とする会議を継続的に開くのは現実的ではない。個別の国が、国連や域外国と連携しながらどう動くのかが焦点になる」とみる。

「個別の国」はインドネシアをおいて他にないだろう。今回の外相会議もクーデター直後の2月5日、ジョコ大統領がマレーシアのムヒディン首相との首脳会談の席で提案したのが発端だった。

大統領の命を受けたルトノ氏は、新型コロナウイルスによる移動制限下にもかかわらずブルネイ、シンガポール、タイに飛び、調整を重ねた。そのままミャンマーの首都ネピドーを訪れる計画は「国軍の主張する再選挙を容認するつもりか」と同国内の反発を呼んだため中止に追い込まれたが、2月24日にタイからの帰国直前のドンムアン空港で、同国を訪れていたワナ・マウン・ルウィン氏との20分間の会談が実現。渋る同氏を説き伏せ、6日後の外相会議に持ち込んだ。

人口2億6千万人を抱え、ASEANの「盟主」を自任する唯一の大国は、これまでも域内の複雑な問題に調整力を発揮してきた。

ジョコ大統領は新型コロナの封じ込めや経済回復など国内問題への対応に追い立てられている=ロイター

1997年、米国が経済制裁を発動した直後にミャンマーのASEAN加盟が実現したのは、当時のスハルト大統領が「孤立させてはダメだ」と強力に後押ししたからだ。2011年に世界遺産「プレアビヒア寺院」周辺の帰属を巡りタイとカンボジアの国境紛争が起きた際は、停戦協議を仲介し、最終的に実施しなかったものの戦闘地域への自国軍の監視団派遣を決めた。17年にはミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの迫害が起きた西部ラカイン州や難民が逃れたバングラデシュをルトノ氏が視察した。

一連の動きには、インドネシア自身の事情も透けていた。ミャンマーの加盟前年の96年には東ティモールの独立に尽力したラモス・ホルタ氏(後に大統領や首相を歴任)とベロ司教がノーベル平和賞を受賞した。スハルト氏は、ミャンマー問題に米欧の干渉を認めれば、次は東ティモールを長年抑圧してきた自国の番になるのを恐れたといわれる。タイとカンボジアの国境紛争時はASEAN議長国だったし、ロヒンギャ問題は自国民の9割を占めるイスラム教徒の感情を多分に意識せざるを得なかった。

今回はどうか。シャトル外交の一挙一動を自国メディアに発信し続けたルトノ氏の振る舞いは、どこかパフォーマンスめいており、「盟主としての責任感」という奇麗事だけでは説明しきれない違和感も残した。

「ジョコ政権の権威主義化の印象を拭うため、ミャンマー問題に積極的に関与する動機は十分ある」と早稲田大の見市建教授は分析する。2019年の大統領選を挟み、ジョコ氏の世俗的なイメージを攻撃するイスラム急進派などの野党勢力に対抗するため、政権は抑圧的な姿勢で臨んできた。「民主主義の後退」「スハルト時代への回帰」といった国内外の批判をかわすためミャンマー政変はいい材料になる、との見立てだ。

ただ自国民がどう受け止めるかは別問題だ。インドネシア戦略国際問題研究所(CSIS)のリザル・スクマ上席主任研究員は「インドネシア人の間にスー・チー氏への同情はほとんどない。彼女が権力にしがみつくため国軍にロヒンギャへの迫害を許したと、多くの人が信じている」と指摘する。

インドネシアのルトノ外相はシャトル外交で調整を重ね、ASEAN外相会議の開催にこぎ着けた=ロイター

ルトノ氏に外相会議の調整を指示したものの、ジョコ氏自身にとってミャンマー問題の優先順位は高くないとの見方もある。「国内のコロナ対応で切羽詰まっている。ワクチン接種で感染拡大に歯止めをかけ、経済を一日も早く回復させるのが最大の政治課題」とアジアコンサルト・アソシエーツのバクティアル・アラム代表は言う。

混迷するミャンマー情勢に米欧や日本が有効な手立てを打ち出せない現状で、いち早く対話の場をお膳立てしたインドネシアへの期待はいや応なく高まる。ミャンマーへの関与を政権の得点につなげたいという打算と、一歩間違えれば政権批判の新たな種になりかねないという現実のはざまに立つのは、中国を念頭に置いた地政学上のバランスや、ここ10年で得たミャンマーでの経済権益の保全に頭を悩ます米欧や日本と、インドネシアも同様だ。

家具業から政界に転じ、地方首長を経て大統領に就いたジョコ氏は、自ら「外交は苦手」と口にする。20カ国・地域(G20)のメンバーながら、国際会議での存在感は薄い。14年の就任以来、毎年9月に開かれる国連総会を欠席し続け、コロナ禍のため事前収録した映像をネット配信した昨年が初めての演説だったほどだ。

しかしミャンマーの危機はASEANの危機でもある。域内の大国を率いるジョコ氏は、域外国との連携の扇の要を務め、課題だった外交成果を今度こそ挙げられるだろうか。

=随時掲載

高橋徹(たかはし・とおる)
1992年日本経済新聞社入社。自動車や通信、ゼネコン・不動産、エネルギー、商社、電機などの産業取材を担当した後、2010年から5年間、バンコク支局長を務めた。アジア・エディターを経て、19年4月からアジア総局長として再びバンコクに駐在。論説委員を兼務している。著書「タイ 混迷からの脱出」で16年度の大平正芳記念特別賞受賞。

黒田氏発言、米株上昇を誘発

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD00003_Z00C21A3000000/

『週末に1兆9000億ドル規模の追加コロナウイルス対策に議会通過の見通しが立ち、8日のニューヨーク(NY)市場寄り付き前には10年債利回りが1.6%を再突破していた。米ダウ工業株30種平均の時間外取引でもマイナス圏で推移していた。

そこに著名投資家デビッド・テッパー氏がメディア経由で発言。「大きなリスクは除去された。今、株価に弱気にはなれない」と強気の見解を述べた。

その理由として、日本人機関投資家が米国債買いに走り、10年債利回りも現水準で安定方向に向かう可能性を指摘した。

特に「長期金利変動幅を大きく拡大することが必要とも思っていない」との黒田東彦日銀総裁による衆院財務金融委員会での発言を重視。日本の生保など機関投資家は、今後、米国債購入に動かざるを得ない。為替ヘッジコストも含め、彼らにとって非常に魅力あるイールド(利回り)になるからだ、と述べた。

このカリスマ発言は、ウォール街でも、ただちに話題になった。

テッパー氏の発言で株価が動いた事例は少なくない。

特に週明けで長期金利上昇により市場が方向感を模索中のタイミングでのカリスマ発言なので、格好の買い材料となった。ダウ工業株30種平均もマイナス圏からプラス圏に転換。その後、上昇して306ドル高で引けた。

日本人の視点では、米国のカリスマ投資家が週明けの日本市場をフォローしていることは興味深い。テレビの司会者が「ジャパン、ジャパン」と連呼するなかで、他の出演者が「ジャパン??」とキツネにつままれたごとき表情を示していたことも印象に残った。

なお、市場の中期的関心は次に控えるバイデン政権のインフラ・グリーンエネルギー関連「景気刺激策」に徐々にシフトしている。まだ、実質的に白紙に近い状態だが、1兆ドル規模の追加財政出動となる可能性もあり、ドル金利への影響も懸念される。民主党はコロナ救済案を単独強行採決したので、今回の景気刺激策は極力共和党と話し合いの姿勢を見せている。それゆえ時間はかかりそうだ。

仮に、さらに1兆ドル財政投入が追加された場合、それでもテッパー氏の予言どおり米10年金利が基本的に安定化の方向で収れんするのか。そのレベルは1.5%なのか、1.8%なのか。2%ともなれば、さすがに米連邦準備理事会(FRB)も動かざるを得まい。

そして、日本の機関投資家が荒れるドル金利の平定役となるのか。カリスマのご託宣が試される時期が来そうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com 』

米2閣僚来日、コロナ下の対面協議 中国名指し批判で調整

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE090EY0Z00C21A3000000/

『日米両政府は16日にも、都内で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く。共同発表する文書は、沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入などを繰り返す中国を名指し、懸念を示すよう調整する。バイデン米政権が安全保障や技術力で中国との対抗意識を鮮明にするのを踏まえ、日米の対中協力を広げる。

日本側は茂木敏充外相と岸信夫防衛相、米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官がそれぞれ参加する。日米2プラス2はワシン…

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日米両政府は16日にも、都内で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く。共同発表する文書は、沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入などを繰り返す中国を名指し、懸念を示すよう調整する。バイデン米政権が安全保障や技術力で中国との対抗意識を鮮明にするのを踏まえ、日米の対中協力を広げる。

日本側は茂木敏充外相と岸信夫防衛相、米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官がそれぞれ参加する。日米2プラス2はワシントンで2019年4月に開いて以来。今年1月のバイデン政権発足後、閣僚の来日も初めてになる。

今回の最大のテーマが中国への抑止力強化だ。日米4閣僚は米軍による日本の防衛義務を定めた日米安保条約5条を尖閣に適用すると改めて確認する。中国が2月に施行した海警局を準軍事組織に位置づける「海警法」についても懸念を示す。

日米2プラス2は両国の安保政策を擦り合わせる最上位の協議体だが、これまで中国の海洋進出を名指しして批判することはしなかった。日米ともにサプライチェーン(供給網)を中国に依存しており、対中関係の悪化を経済などに飛び火させたくないとの思惑があった。

前回19年の2プラス2の共同文書は東シナ海での「現状を変更しようとする一方的かつ威圧的な試みに深刻な懸念」を表明した。中国の海洋進出が念頭にあるが、直接の言及は避けた。17年の前々回も名指しせず「東シナ海の平和と安定」のための日米協力と記すにとどめた。

今回の2プラス2で中国へのメッセージを明確に出すのは、日米の対中認識の変化がある。バイデン政権は3日に暫定版の国家安全保障戦略をまとめ、中国を経済や技術力などあらゆる面で「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づけた。「新しい国際規範や合意を形作るのは米国だ」と強調した。

中国に依存する半導体や電池、レアアース(希土類)の供給網を見直す方針も打ち出した。バイデン大統領が2月に署名した大統領令は同盟国との連携を明記し、日本や韓国、オーストラリアなどからの調達を増やしていく。米国内の生産拡大も促す。

国防総省のカービー報道官は2月23日、海警局による尖閣周辺の領海侵入について「誤算につながり、物理的な損害を生む可能性がある」と批判した。

バイデン政権が対中強硬戦略をとるうえで、日本との協力は欠かせない。日本にとっても米側のこうした姿勢は追い風となる。尖閣周辺の接続水域では中国海警局船による航行が常態化し、領海侵入も相次ぐ。海警局に武器の使用を認める海警法の施行により、現場海域で警備にあたる海上保安庁の緊張感が高まっている。

日本は日米安保条約5条の適用という「有事」にとどまらず、米国の関与を発信する好機と捉える。日米両政府が4日にオンライン形式で開いた外務・防衛当局の審議官級協議でも海警法について意見交換し、深刻な懸念を共有した。

2プラス2では香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権問題でも中国への懸念を確認する方針だ。北朝鮮の核・ミサイル開発の抑止や、宇宙・サイバーといった新たな領域での防衛協力も話し合う。

日米は豪州とインドを交えた日米豪印4カ国の枠組みも活用する。12日にも初めての首脳会合をオンライン形式で開き、安保面の連携を申し合わせる。新型コロナウイルス対策を巡ってはワクチンでの協力を探る。中国が自国産を各国に供給する「ワクチン外交」に対抗する。

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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ひとこと解説 言葉ではっきり立場を示すことはもちろん大事です。しかし、力と行動に裏打ちされていない言葉に限界があることは、オバマ政権時代のアジア政策で明白です。今回は、日米共同で東アジアでの抑止力を強化していくためのロードマップをしっかり示してもらえればと思います。
2021年3月9日 14:50いいね
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細谷雄一
慶應義塾大学法学部 教授
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分析・考察 現段階では、日米両国政府とも、安全保障研究の「教科書」にあるような、きわめてオーソドックスで、合理的な対応を進めており、かなりの程度安心してみることができます。日米両国政府とも、中国に対して現状変更の軍事力行使を抑制するための、明確な意思表明と、必要な軍事態勢を整えており、さらには日米両国での同盟関係強化と同盟関与の確認、さらにはクアッドのような拡大した結束を強める。ただし、アメリカ政府は同様の措置をとりながらも(経済制裁、安保協力強化、明確な意思表示)、1941年12月の日本は、「清水の舞台から飛び降りる」つもりで、真珠湾攻撃という非合理的に思える冒険に出ました。それほど国際政治は複雑です。
2021年3月9日 14:01いいね
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峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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分析・考察 米国の尖閣への関与を深めるのは日本に得策です。一方で米国内には尖閣での日中間の衝突には巻き込まれたくないとの消極論もあります。いざとなった場合の混乱の現場に米軍が速やかに援軍に駆けつけてくれる保証はありません。大型の武装漁船が尖閣上陸を試みるといった平時とも有事ともつかないグレーゾーン事態で海保と海自がどう連携して対処するか、足りないものはないか。日本の問題として国内で詰めた議論を急ぐべきだと思います。
2021年3月9日 12:47 (2021年3月9日 12:49更新)
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備えたことしか、役には立たなかった ~ある官僚たちの震災~

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210305/k10012898801000.html?utm_int=news_contents_tokushu_005

『大きな揺れ、迫り来る大津波。状況の把握もままならない中での初動対応。がれきに遺体が残る中での道路啓開。遺体を埋葬するための「ひつぎ」の確保…。

「備えたことしか、役には立たなかった」

あの日、経験なき大災害に直面しながら数々の判断を迫られた、ある官僚の告白です。
(社会部災害担当記者 清木まりあ)

3月11日午後2時46分/地震発生
「ロッカーや棚がガタンガタン倒れて。揺れの長さと大きさで、ただごとではないと」

当時、東北地方整備局長だった徳山日出男さん。陸・海・空を管轄する国土交通省の出先機関のトップでした。

当時の徳山さん

局長に就任したのは2011年1月。
阪神・淡路大震災など、過去に災害対応にあたったこともありましたが、基本は東京で対応。被災地の現場経験は、ほとんどありませんでした。

そして、就任2か月後の3月11日。あの巨大地震が発生しました。
当時は、局長室で打ち合わせをしていましたが、大きな揺れが収まるまで身動きがとれなかったと言います。

徳山さん
「宮城県沖地震の発生確率が高いことは頭に入っていました。ただ正直、自分が遭遇するとは…」
揺れが収まるとともに、防災服を着用。

A4の「メモ用紙」と「シャープペン」を握りしめて災害対策室に走りました。
3月11日午後3時/混乱の“初動対応”
災害対策室には、徐々に職員が集まり始めていました。
しかし「何が起きているのか」「何をすべきか」は混乱の状況。

発生直後の災害対策室

徳山さんが書いたメモ

<職員たちへの指示を書き出す>
思い思いに動いていては、組織としての初動対応を誤ることになる。

徳山さんがまず行ったのは、部下たちが何をやるべきか、自分の経験や知識を振り絞ってメモ用紙に書き出すことでした。「職員の安否確認」「道路や河川・港湾施設の被害状況の把握」「本省とのやりとり」「メディア対応」…。

メモで頭を整理しながら、職員の意見も参考にしていきました。

すると、駆け寄って来た防災課長から重要な提案が。

<職員無しで“防災ヘリ”離陸>
「局長、防災ヘリを上げていいですか。時間がないので“無人”で」

被害状況を把握するための「防災ヘリコプター」を職員無しで飛ばす提案でした。

通常のルールでは、防災ヘリを飛ばす時には職員が同乗することになっています。しかし、整備局からヘリコプターがある仙台空港までは、通常でも1時間弱。迅速な被害把握のため、職員を待たずにパイロットだけでヘリコプターを飛ばそう、というのです。

徳山さんは防災課長の提案を受け入れ、防災ヘリを飛ばすよう指示します。

しかし、仙台空港の管制からは…。

「飛ぶのであれば、自分の判断で安全を確認して飛んでほしい」

地震の影響で管制機能を失っていたのです。
飛び立つ防災ヘリ みちのく号
ーとにかく初動が人の生死を分ける。

それでも徳山さんはヘリを飛ばすよう指示します。
午後3時23分に仙台空港を離陸。地震発生から37分後のことでした。

徳山さん
「リスクがあるのはもちろん分かっていた。でもやらないで後悔するよりは、やって後悔した方がいいと思ったんです。責任は、何かあってから考えればいいと」

冠水した仙台空港(NHK映像)

その後、午後4時ごろ、仙台空港にも津波が押し寄せ冠水してしまいます。

結果として、この判断が功を奏しました。

3月11日午後4時~/最大の被災地はどこだ

リアルタイムで送られてくる防災ヘリからの映像は、想像をはるかに超えるものでした。

※このVTRでは津波の映像が流れます

押し寄せる巨大津波。次々に押し流される住宅。
仙台市から南方向の、福島県いわき市までの状況を把握することができました。しかし天候不良で北上はできず、三陸方面の状況は把握できませんでした。

こうした中、内陸の出先機関からは、土砂崩れや道路陥没などの被害情報が相次いで入ってきます。

通常なら、情報がある現場に職員や作業員を派遣して応急復旧にあたります。

ー情報空白地こそ、被害が大きいのでは?

この時、徳山さんの頭にあの大災害がよぎります。1995年の阪神・淡路大震災です。
地震発生直後は、比較的、被害が少なかったところからの情報が相次ぎ、本当に被害が大きかった地域の把握や支援が遅れてしまったのです。

このため徳山さんは、最大の被災地は“情報が無い”三陸など沿岸だと確信します。沿岸につながる救援ルートの確保を最優先にすることを決めました。

徳山さん
「被害が分かっている地域に応援を送らないという判断は、もちろん心苦しかったし、あとで問題になるかもしれないという懸念もありました。ただ、人も機械も燃料も不足することが予想される中、最大の被災地はどこなのか、優先順位の見極めが大事だと思ったのです」

3月11日夜~/救援ルートを確保せよ

沿岸に、一刻も早く救助隊や自衛隊が到着できるようにしなければならない。

しかし沿岸に近づけば近づくほど、道路は、押し流された家や車、がれきで埋もれています。海側から船で近づくにも、まだ「大津波警報」がでている状況。とにかく、道路の障害物を取り除いて、道路を啓開するしかありませんでした。

どうやって救援ルートを確保するのか。夜を徹した打ち合わせが続きました。

そこで結論に達したのが「くしの歯作戦」でした。

「くしの歯作戦」の図

沿岸近くを南北に走る国道45号線は、ほとんど通れないことが予想されます。一方、内陸を南北に走る国道4号線や東北縦貫道には、大きな被害はありません。そこで国道4号線から沿岸に向かって東へ、「くしの歯」のようにルートを啓開する計画です。

その一方で、啓開する機材や人員が確保できるのか、徳山さんには不安がありました。

そのとき、ある報告が飛び込んできます。

「地元の建設業者たちが、みずから動き始めています!」

東北地方整備局からの指示が無い中でも、地元の建設業者たちが、各地に集まり始めていたのです。地震の翌日、12日朝の時点で500人を超える作業員が集まりました。

地元の建設業者も“被災者”。家族や知人の安否がわからない人もいました。

それでも地元のために集まってくれた人たち。

ーありがとう…、ありがとう…。

徳山さんは胸が熱くなったと言います。

3月12日/苦難の道路啓開

地震翌日の12日。東北の沿岸では、まだ大津波警報が出ています。当時、東北地方整備局が定めていた業務継続計画(BCP)にも「津波注意報が解除された後に、巡回・復旧作業にあたる」とありました。

それでも徳山さんは12日からの道路啓開を決断。現場の作業員たちには「10分以内に高台や安全な場所に逃げられる場所でだけ作業をするように」と指示しました。

徳山さん
「また津波や地震が来たら命にかかわる…作業員の安全を考えると、悩みました。ルールを逸脱することになってしまうけど、道路を啓開できるのは私たちだけ。そう考えたら、やらないという選択肢はなかったんです」

がれきで埋もれた道路

がれきの撤去作業も、苦難の連続。

現場からは悲痛な訴えもありました。

「がれきに遺体があって重機が使えません…」

中から「遺体」が見つかり、大型の重機で作業することができなくなることもありました。このため手作業でがれきを取り除き、警察に来てもらったうえで、遺体を運び出してもらいました。

行方不明になっている家族を、がれきの中で捜している人も多く、重機での作業を嫌がられることもありました。そのたびに救援ルートを確保するために必要な作業であることを丁寧に説明してもらったということです。

啓開した道路

作業を始めた3月12日には、計画していた16の国道のうち、11のルートを啓開。3日後の15日には、15のルートを確保しました。(福島の1ルートは原発事故の影響で確保できず)

ルートが確保されたことで、救急車や警察、自衛隊などの緊急車両が通行可能に。医療チームも被災地に入ることができるようになり、少しずつ支援物資も届き始めました。

3月16日/被災地に足りないもの…

救援ルートができた。

次に徳山さんが取り組んだのは、被災地の市長や町長などに必要としている物資を聞き取り、届けることでした。

しかし、電話の聞き取りの中で、思わぬものを求められます。

当時の徳山さんのメモです。
「カンオケ(ひつぎ)」「遺体確認しても持ち帰れない」

道路の啓開によって、自衛隊や警察などによる捜索活動が進み、多くの遺体が見つかりました。一方で、「ひつぎ」が足りなくなっているというのです。

被災地の市長
「火葬場も被災してしまったので、今は仮埋葬(土葬)するしかない。でも、泥の中におられたご遺体を、そのまま土の中に埋めるなんてことはできません。『ひつぎ』をお願いします」

本来、「ひつぎ」は、国土交通省の所管外の物資です。職員たちからは、「所管外のことまで手を出して大丈夫なのか」という不安の声も上がりました。

国土交通省の予算で支払いが認められるのか、目途はたっていませんでした。しかし迷うこと無く「ひつぎ」を買い取り、被災地に送ることを決断します。背景にあったのは当時の国土交通大臣のことばでした。

徳山さん
「当時の大畠大臣がテレビ会議で言ってくれたんですよ。『徳山くん、現場のことは君が一番よく分かっているから、すべてを任せる。君が国の代表だと思って、あらゆることをやってくれ』と…だから、迷いなくできました」

その後、徳山さんが自治体に向けて出した通知文書です。

ー私を「整備局長」と思わず、「ヤミ屋のオヤジ」と思ってください。

「ほしいものは何でも用意するので気軽に言ってください」というメッセージでした。

要望を受けて調達した物資は、水や食料はもちろん、燃料や仮設トイレ、生理用品、洗濯機など、200種類以上にのぼったということです。

徳山さんは、その後も局長室に寝泊まりしながら対応を続けます。2013年7月まで局長として道路や堤防の復旧、住宅の高台移転など復興事業を進めました。

備えたことしか、役には立たなかった

あれから10年。当時の臨機応変な決断を徳山さんはどう感じているのか。聞いてみると、返ってきたのは意外なことばでした。

徳山さん
「あのときの機転だけでできたことなんて、一つもなかったんですよ。備えていたことしか役には立たなかった。災害が起きる前にどれだけ準備できていたか、というのが非常に大きかったんです」

地震直後の格納庫

震災が起きる前までの「備えが」判断を支えていたというのです。

<防災ヘリ>
たとえば初動を支えた防災ヘリ。
過去の災害で、すぐに飛び立てなかった教訓から、格納庫の中の一番手前に駐機するようにしていました。また、震災の2か月前には、ヘリの運航を委託する会社とすぐに連絡が取れるよう、緊急時の専用回線を新たに設けたばかりでした。

<道路啓開>
震災の翌日、なぜ500人もの作業員が集まれたのか。
東北地方整備局は、震災の前に多くの建設業者と災害協定を結んでいました。通信が途絶えている中でも、自主的に道路の被害状況を確認し集まっていたのです。

国道の多くが本体に損傷を受けていなかったことも復旧を早めました。阪神・淡路大震災の後、橋の耐震補強対策を強化してきた結果でした。
「備えていたことしか、役には立たなかった」

この言葉で始まる本があります。

「災害初動期指揮心得」です。

徳山さんを始め、東北地方整備局の職員たちが当時の経験をまとめた本で、全国に教訓を共有したいという思いから、電子書籍で無料公開されています。

この本にはもう一つのことばが記されています。

「備えていただけでは、十分ではなかった」

つまり、備えていても、実際に行動に移す意識を持ち、訓練などをしていなかったら十分に役立たないということです。

あれから10年。徳山さんは国土交通省を退職し、現在は、震災の教訓を伝える活動を行っています。

徳山さん
「今の災害でも『想定外だった』『被害情報がないから初動が遅れた』とよく聞きます。でもそれは10年前に日本が経験したこと。震災の教訓は何だったのか、教訓を生かすためには何をしておく必要があるのか。これを考えることからしか、災害への備えは始まらないと思います。だから私は自分が経験したことを伝え続けていきたい」

震災10年 何を“備え”につなげるか

多くの人が犠牲となった東日本大震災。

この10年、私たちは、今も苦しんでいる被災者の方々や、国や自治体の政策に足りないことなど、被災地や復興の課題を伝えてきました。

今回、徳山さんを取材して感じたのは、教訓は“対応できなかったこと”の中にだけあるのではないということです。当時、被災地では“対応できたこと”もあります。意外に気付きにくいのですが、実はその中にも多くの教訓がありました。

「備えたことしか、役には立たない…」

被災地の課題だけでなく、こうした教訓も含めて伝えていくことが、将来の災害への“備え”につながるのだと強く感じました。

社会部記者
清木まりあ
2010年入局
初任地は長野局
社会部災害担当として
防災や復興、
インフラの課題などを
取材
注目のコンテンツ』

コロナワクチン接種証明書の国内導入に慎重姿勢 田村厚労相

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210309/k10012905081000.html

『新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、田村厚生労働大臣は、決められた回数の接種を終えたことを示す証明書について、国内での導入に慎重な姿勢を示す一方、海外で日本人が不利益を被ることがないよう対応を検討していく考えを示しました。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、接種が進んでいる欧米を中心に、国をまたぐ移動に役立てるため、決められた回数の接種を終えたことを示す証明書を発行する動きが出始めています。

これについて、田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「『接種済証』を使うことを前提には考えていない。接種を受ける受けないは本人の判断であり、それによる不利益が起こらないよう政府として対応しないといけない」と述べ、国内での導入には慎重な姿勢を示しました。

一方、日本人が海外で証明書の提示を求められた場合の対応については「世界の状況を踏まえたうえで国民に不便が起こるということであればどう対応するか考えていかなければならない」と述べました。

一方、田村大臣は、各地の病床不足への対応をめぐり「急激な感染拡大で入院調整中の人が非常に多くなったことは反省しており、そうならない仕組みをどう作るかが大事だ」と述べ、都道府県などと連携し、体制作りを支援していく考えを示しました。』

キュメント3・11 イギリス大使館はなぜ「真実」を見抜けたか(上)

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/03080530/?all=1

『 Foresight 2021年3月8日掲載

2011年3月11日に発生した東日本大震災・福島第1原発事故による大混乱の最中、イギリス大使館は放射性物質の飛散リスクなどについて的確な情報を発信し続け、外国人のみならず日本人にとっても信頼できる貴重な情報ソースとなった。その指揮を執ったデビッド・ウォレン元駐日大使への直接取材で再現する、危機対応とパブリック・ディプロマシー(広報文化外交)のケーススタディー。』

『2年前の3月21日、ロンドンの日本大使公邸。多くの日英関係者が居並ぶなか、鶴岡公二駐英大使(当時)はデビッド・ウォレン氏に旭日大綬章を授与した。駐日大使(2008年~12年)を含め計3回通算13年の日本勤務と、英外務省を退職後、文化交流団体ジャパン・ソサエティ(本部・ロンドン)の会長(12年~18年)として日英関係に多大な貢献をしたとの理由だが、特筆されたのが東日本大震災での対応だった。震災に合わせた3月にわざわざ授与式をもったのもそのためだった。

鶴岡駐英大使はこう祝辞を述べた。

「ウォレン大使は震災2日後に被災地に入り、英国人の安否確認をするだけでなく、日本人被災者を励ましました。さらに英政府が立ち上げた緊急時科学助言グループ(SAGE)の客観データーをもとに、英国大使館を東京から移したり、英国人を東京から脱出させたりする必要はないと決定しました。英国のこの日本に対する揺るぎない友好的な姿勢は2015年のウィリアム王子の被災地訪問に結びつきました」』

『3・11では欧州を中心に少なくない在京大使館が放射性汚染を恐れ、大使館の機能を関西に移した。自国民を特別機で日本から大量脱出させ、また外国人の幹部や従業員が我先に帰国して、企業活動がマヒしたところも多々あった。後日、「申し訳なかった」と自国民の行動を謝罪した大使もいる。

そうした中、最も冷静かつ的確に対応したのが英国だった。ブレることのなかったその姿勢は、応援部隊を含め200人を超える大使館スタッフを率いたウォレン氏の指導力と、同氏と本国の連携に負うところが大きい。

 同氏はジャパン・ソサエティの会長職にある時、3・11の経験を文章にまとめている。昨年、東京で詳しく話を聞く約束だったが、新型コロナウイルス問題で来日がかなわず、電話で取材した。同氏の行動を中心に英国の対応を振り返る。』

『被災地の英国人は600人、誰とも連絡がつかなかった

3・11のこの日、ウォレン氏は昼、帝国ホテルでもたれたホテル創設120周年の記念昼食会に出席した。終わると、大使館に戻り、経済部の日本人スタッフ1人を連れて大使車で横浜に向かった。午後3時に日産自動車本社で英国人役員と対英投資について意見交換する約束があったからだ。英国への投資誘致は英大使の重要な仕事だった。

 大使車が同社の玄関に着き、降りようとしたその時、「ジシン!」と運転手が叫んだ。
「日本に通算13年暮らした私も経験したことのない激しい揺れだった」

日産の役員との携帯電話はつながらない。大使館に戻ろうと運転手に告げた。大使車のテレビは尋常ならざる事態を伝えていた。しかし道は大渋滞し、東京に入ったのは夜だった。最後は動かない車を乗り捨て、皇居のお堀伝いに歩いた。歩道も帰宅する人で溢れていた。同氏が千代田区一番町の英大使館にたどり着いたのは午後9時だった。』

『大使館内に入るやウィリアム・ヘイグ英外相(当時)から電話が入った。大使館スタッフの全員無事を確認した外相は、東京の状況を尋ね、津波に襲われた福島第1原発がどうなるか仔細にフォローするよう指示した。容易ならざる事態と認識した英政府も、関係省庁が参加する危機管理委員会(COBRA)を立ち上げていた。大使がベッドにもぐりこんだのは午前1時半を回っていた。公邸の寝室は、落下した本などで足の踏み場もなかった。』

『このような大災害・大事故の時に出先の大使館の仕事は大きく3つ。日本にいる自国民の安否確認と保護。対日支援。そして信頼ある情報発信、だ。

英国大使館は大阪の総領事館と合わせて計130人のスタッフがおり、このうち英外交官は約30人。英外務省はロンドンと各国の英大使館からスタッフを東京に送り込み、80人の増援部隊が到着した。ウォレン氏は200人超のスタッフを3班に分け、3交代8時間勤務の24時間体制を敷いた。英外務省とは4時間ごとに電話協議を持った。

英国からは日本にいる家族や親せきの安否の問い合わせが殺到していた。これを捌くため、安否確認の電話は大阪の英総領事館に自動転送するよう回線設定された。

「約1万5000人の英国人から在留届が出ていて、被災地には約600人が暮らしているとみられた。連絡網を作っていたが、誰とも連絡がつかなかった」』

『「東京の大使館はナンバー2が指揮できる」

 日本政府に支援の打診も行った。水や食料や物資、それに救助犬を連れた緊急援助隊を日本に送り込みたいが、どこの空港が受け入れてくれるのか。首相官邸が情報を一元化していたが、福島原発問題に忙殺されていて、問い合わせに「後で返事する」と繰り返すだけだった。業を煮やしたウォレン氏は12日朝、こう伝えた。

「救援機がマンチェスターで待機している。日本政府の許可がいらず、被災地にも近くて足場がいい米軍の三沢空軍基地(青森県)に飛ばしたい」

 大使の電話に、首相官邸の担当者は

「我々もそうしてほしいと思っていた」

 と後付けの返答をした。』

『13日夜、英救援機が三沢空軍基地に到着。救助犬と緊急援助隊の英チームは岩手県大船渡市に展開し、米、中国チームとともに1週間、捜索に当たった。これ以後、三沢空軍基地は英国から水や食料、放射能検査機器などを運び込む拠点となった。

 被災地に住む英国人と依然として連絡はとれなかった。「避難所に外国人がいる」との情報もあったが、東京からではいかんともしがたかった。安否確認には被災地に入らなければならない。大使は現地に入ることを決めた。』

『震災3日目の3月13日朝、5人のスタッフと、スポーツタイプの大型車に同乗して仙台に向けて出発した。事前に日本政府から、緊急車両以外は通行止めとなっていた東北自動車道の通行許可をとった。ドライブインでは車に詰められるだけ食料や燃料、水、防災グッズを買い込んだ。

「大使は東京にとどまって指揮をとり、現地は部下に任す考えはなかったのですか」
と聞くと、こう返ってきた。

「こういう時はトップが被災地に姿を見せることが大事なのだ。英国は自国民を見捨てないというシグナルであり、困難な状況にある日本人被災者に『英国は日本人と共にここにいる』と、勇気づけるメッセージにもなる。東京の大使館はナンバー2が指揮できる」』

『被災地入りの決断を支えた「SAGE」の助言

当時、福島第1原発はすでに危機的状況にあった。前日の12日午後に、1号機が水素爆発。後に明らかになったが、13日早朝には3号機の炉心溶融が始まり、14日朝には核燃料の大部分が圧力容器の底を突き破って、格納容器へ溶け落ちていた。2号機も放射性物質を放出し始めていた。大使は放射線リスクをどう見ていたのか。』

『「本国政府を通じてSAGEの見解が随時入っていて、日本政府同様、福島第1原発から20キロ圏外であればリスクはほとんどないというのがSAGEの判断だった」

1号機の水素爆発が起きた12日夜、日本政府は第1原発から20 キロ圏内に暮らす住民に避難指示を出していた。ウォレン氏が他の大使に先駆けて被災地に入れたのも、SAGEの助言があったればこそだった。

SAGE=緊急時科学助言グループは、緊急時に科学的知見に基づいた助言を得るための英政府の組織で、各省庁の科学顧問や外部の専門家で構成されている。3・11の前は2010年のアイスランドの火山爆発の時に招集されている(新型コロナウイルス問題で日本政府の専門家会議はこのSAGEを下敷きにした。これについては後述する)。』

『仙台には7時間かけて午後3時半に着いた。一行は英大使館が押さえた仙台市内のビジネスホテルに入り、二手に分かれて、1チームは病院と避難所を回って英国人の消息をあたり、大使のチームは宮城県庁で県幹部に面会した。

「お悔やみを伝えると、大変な状況下でも皆、驚くほど親切で、こちらが恐縮するほどだった」「本来、取り乱していてもいい状況なのに、誰もが強靭かつ冷静な態度を保っていた」』

『翌日、米CNNテレビが大部隊でホテルに入り、追い出された大使一行は別のホテルに移り、そこを前線基地とした。ホテル入口の大広間に「英国人支援デスク」と大書し、英国旗ユニオンジャックを立てた。在留届を手掛かりに、被災地の英国人の家や避難所を回っているチームからも英国人の情報が入りはじめた。

大使チームは2日目、3日目と宮城県内の南三陸町、多賀城市、気仙沼市などの避難所に足を伸ばした。連絡が取れなかった英国人にも出会え、食料も手渡した。その間も余震が続き、その度、「避難の必要のあるなし」の連絡が大使館から入った。

「津波の惨状と、避難所の人々の静かで秩序だった態度の対照に私は心揺さぶられた」』

『避難所を回っている最中も、情報発信の観点から英メディアの電話取材に応じた。大使が力を入れて伝えたのは3点。「英国人支援デスク」の電話番号を広く報じてくれるよう頼み、日本政府が最大限の努力をして原発事故を抑え込もうとしていること、また避難所で会った日本人の驚くべき秩序正しさと冷静さに感動していると繰り返し話した。

 大使は3泊し、16日夕、東京に戻った。この後、交代で5チームが仙台に入って、大使館に届け出がありながら、連絡がとれない英国人の家を回った。最終的に英国人170人が支援デスクを訪れ、大使館チャーターのバスで東京に運ばれた。

 日本人の伴侶と家庭を持っていて、

「このまま被災地に居続けたい」
という英国人も少なくなかった。同氏が被災直後の現地を3泊4日にわたって見て回ったことは、英国人の安否情報の早期確認に大いに役立った。また英本国にとっても被災地の様子を詳しく知る手助けになったはずである。最終的にウォレン氏の危惧は杞憂で終わり、英国人には犠牲者はいなかった。』

『ウォレン氏につづいて被災地に入った駐日大使は、3月23日に米国のジョン・ルース大使(当時)夫妻が石巻市に、同26日にフランスのフィリップ・フォール大使(同)が仙台市に入った。しかし被災地に3泊もした大使はいない。 (続く)』

『西川恵
毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。』

日本ガイシとネクストエナジー、NAS電池と太陽光発電を組み合わせた新サービス

https://newswitch.jp/p/26253

『日本ガイシとネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ケ根市)は、大容量蓄電池のナトリウム硫黄(NAS)電池と太陽光発電を組み合わせた新サービスの検討に合意した。新サービスは2021年夏ごろの提供開始を目指す。再生可能エネルギーを有効活用し、工場などのエネルギーコストや二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげたい考え。

新サービスは電力小売事業者にNAS電池と太陽光発電設備をパッケージ化した再生可能エネルギーシステムとして提案することを想定する。日本ガイシがNAS電池を供給、ネクストエナジーがパッケージ化してサービスを提供する。パッケージ化により導入コスト削減につながる。

太陽光発電から得た消費しきれない電力はNAS電池にため、夜間や消費電力が多い時間帯に使い、エネルギーコストとCO2排出削減につなげる。

日刊工業新聞2021年3月8日』

中国、強硬姿勢続く米国にいらだち 台湾問題ではクギ

https://www.sankei.com/world/news/210308/wor2103080001-n1.html

『【北京=三塚聖平】中国の王毅国務委員兼外相は7日の記者会見で、バイデン米政権への警戒を隠さなかった。トランプ前政権で悪化した米中関係を改善させる好機と捉えて接近を図った中国だが、自らが「核心的利益」と位置付ける香港問題などへの圧力はむしろ増しており、対中強硬姿勢を緩めない米国にいらだちを募らせている。

 「米国は新たな障害を作り出すべきではない」

 全国人民代表大会(全人代)の会場で行った会見で、王氏は対米牽制の発言を重ねた。「協力を双方が追求する主要目標にすべきだ」とも呼び掛けたものの、批判のトーンが強まったのは明らかだった。

会見する中国の王毅国務委員兼外相(ロイター)

その他の写真を見る(2/2枚)

 1月20日のバイデン政権発足前、王氏は「再び両国関係が正しい軌道に戻って協力することを望む」と強調。気候変動や新型コロナウイルス対策など、バイデン政権が重視する分野での協力を何度も提案した。

 しかし、今のところ中国が期待したような反応は得られていない。香港や新疆(しんきょう)ウイグル自治区などでの人権問題への批判は強まる一方で、対中制裁関税撤廃へ向けた動きもない。習近平国家主席は2月に行ったバイデン大統領との初の電話会談で、米中間で各種の対話枠組みを再構築することを提案したが、米側からは事実上黙殺されている。

 全人代直前の今月3日にブリンケン米国務長官が表明した外交政策の大枠では、対中関係を「21世紀における最大の地政学的な試練」と位置づけた。中国側には「自ら失点を重ねるトランプ政権の方が相手にしやすかった」(メディア関係者)との見方が広がる。』

日系女性が石で顔面殴られ鼻の骨折などの負傷

日系女性が石で顔面殴られ鼻の骨折などの負傷-米シアトルの中華街
https://www.recordchina.co.jp/b873051-s25-c30-d0198.html

『中国メディアの亜太日報(アジア太平洋デーリー)は5日付で、日系米国人の女性が米シアトルの中華街の路上で顔面を殴られて負傷したとする記事を発表した。

事件発生は2月25日午後9時半ごろ。記事によると、女性は白人のボーイフレンドと一緒で、同市内でアジア系住人が集中するインターナショナル・ディストリクトの中華街近辺にいた。警察側の記録によると、容疑者は石を詰めているとみられる靴下で女性の顔面を殴った。女性は意識を失った。女性は鼻の骨を折り、歯も砕けてしまった。それ以外の箇所でも8針を縫う必要があったという。

女性のボーイフレンドである男性は、米国ではアジア系住人への襲撃事件が増えており、2人もその対象になったのではないかと言う。女性が大けがをしたのは、まず女性に狙いを定めていたからだ。男性は、襲撃者は意図的に対象を絞っており、「私たちを本当に殺そうと思っていたに違いない」とも話した。

シアトル市警によると、同市で発生したアジア系人への襲撃事件は、2018年には6件、19年には8件が記録されているが、20年には14件と増加した。襲撃の際などに「アジア人は自分のいるべき場所にいろ!」「自分の国に帰れ!」と怒鳴られることもあるという。

記事によると、現地の検察関係者は襲撃が増えている原因について、アジア系住人が新型コロナウイルスを伝播しているとの誤った情報のためだろうとの見方を示したという。(翻訳・編集/如月隼人)』

南シナ海・東沙諸島

南シナ海・東沙諸島  ハードルの高い台湾進攻にかわる「成果」を誇示したい習近平主席 – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/c1bf9f3e57464ebb35a556af83ec6328

『(小島と環礁でつくられる東沙諸島はこれまでほとんど注目されてこなかった。台湾が実効支配するが、中国との距離のほうが近い【小笠原 欣幸氏 Newsweek 2021年2月23日号】)』

『****南シナ海の東沙諸島、中国軍機飛来し台湾は射撃訓練、「海峡危機の潜在的発火点」と米誌****

南シナ海に浮かぶ東沙諸島が中国と台湾の間で新たな焦点になりつつある。

東沙諸島は台湾が実効支配しているが、中国軍機が最近、頻繁に飛来して来る台湾の防空識別圏(ADIZ)南西部に位置する。台湾側も沖合で実弾射撃訓練を行うなどして中国をけん制。米紙は「台湾海峡危機の潜在的発火点」とも報じた。

東沙諸島は南シナ海の北東にある環礁。東沙島だけが平坦な「島」だ。約1500メートルの滑走路があるが、島の大きさは約2800×860メートルしかない。台湾の海巡署(海上保安庁に相当)職員や研究者が常駐。一般住民はいない。

地理的に中国沿岸から近く、台湾本島からは遠い。台湾本島からは約410キロで広東省の汕頭からは約260キロ。現在は台湾の海軍陸戦隊も守備に就いているとされる。

東沙諸島をめぐっては昨年5月、共同通信が「中国人民解放軍が8月に中国南部・海南島沖の南シナ海で、東沙諸島の奪取を想定した大規模な上陸演習を計画している」と報道し、注目を集めた。

記事は「東沙諸島は中国海軍の基地がある海南島から台湾南方のバシー海峡を経て太平洋へ向かうルート上にあり、中国軍が太平洋に進出するため戦略的に重要。中国初の国産空母『山東』も海南島の基地に配備されており、中国軍にとって東沙を制する必要性が高まっている」とも伝えた。

10月には東沙島に補給物資を運ぶ台湾の航空機が高雄から離陸したが,香港の航空管制から「安全を保障できない」と通告され,やむなく引き返した。軍事専門家は「中国軍がいつでも東沙の補給路を断つこともできるし,奪取しようと思えばできる状況にある」とみている。

台湾・中央通信社によると、海巡署東南沙分署は1日、東沙島沖で実弾射撃訓練を実施した。台湾南西のADIZには中国軍機の進入が相次いでいることから、各種の状況に備えるためとされ、9日にも東沙島沖で実弾射撃訓練を予定している。

国防部(国防省)が公表している軍事動向によれば、中国の各種軍用機は東沙諸島にも接近したことがあり、地域の平和や安定に緊張が生じている。

米紙ニューズウィークに寄稿した東京外国語大の小笠原欣幸教授(台湾政治)は「現時点では中国が台湾侵攻作戦を敢行する可能性は低い。それは台湾軍の抵抗、米軍の介入、国際社会での反中感情の高まりが予想されるからである」と指摘。その一方で「今年7月の中国共産党創設100周年、そして来年の第20回共産党大会を『中国の夢』で壮大に演出したい習近平国家主席は台湾問題で何らかの『成果』を示したいであろう。そこで浮上してくるのが東沙諸島だ」と述べた。【3月6日 レコードチャイナ】』

『上記記事にもある小笠原欣幸教授(台湾政治)は、以下のようにも。

*****南シナ海「東沙諸島」が台湾危機の発火点になる*****

<バイデン新政権誕生で強まる中国の軍事的威嚇、新たに「東沙諸島」が習近平の標的になる理由>

中国による台湾への軍事的威嚇が強まっている。中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は「台湾統一への強い自信と決意」を表明したが、実は台湾統一は一向に近づいていない。

「台湾アイデンティティー」が広がった台湾では、「統一お断り」が民意の主流である。その現実にいら立つ中国メディアは「台湾に懲罰を」という主張を繰り返している。

中国のやり方は暴力で家族を支配する行為に似ていて、台湾の気持ちはますます離れていく。

現時点では、中国が台湾侵攻作戦を敢行する可能性は低い。それは、台湾軍の抵抗、米軍の介入、国際社会での反中感情の高まりが予想されるからである。

しかし今年7月の中国共産党創設100周年、そして来年の第20回共産党大会を「中国の夢」で壮大に演出したい習は、台湾問題で何らかの「成果」を示したいであろう。そこで浮上してくるのが東沙諸島だ。

(中略)東沙は地理的に中国沿岸から近く、台湾本島からは距離がある。台湾本島からは約410キロあるが、広東省の汕頭(スワトウ)からは約260キロしかない。

現在は台湾の海軍陸戦隊約500人が守備に就いているとされるが、平坦な地形で基本的に防衛は不可能な島だ。

中国軍は常時奪取可能

以前、東沙はほとんど顧みられなかったが、南シナ海の戦略的重要性が高まったことで注目度が増してきた。太平洋からバシー海峡を通って南シナ海に入る入り口に位置するので、中国が東沙を支配すれば南シナ海にふたをする形となり、艦船や航空機の通過を監視・牽制する門番の役割を果たす。

東沙への警戒を大きく高めたのは、昨年5月の「中国軍が東沙諸島の奪取演習を計画」という共同通信のスクープ記事だ。

中国軍は東沙と台湾本島の間の海・空域で活発に活動し、台湾の補給路を断つ演習を集中的に行ったとみられる。上陸演習は海南島など別の場所だった可能性が高い。

10月には、東沙島に補給物資を運ぶ台湾の航空機が高雄から離陸したが、香港の航空管制から「安全を保障できない」と通告され、やむなく引き返す事件があった。

軍事専門家は「中国軍がいつでも東沙の補給路を断つこともできるし、奪取しようと思えばできる状況にある」とみている。

東沙への軍事行動といっても、

(1)周辺での軍事演習の常態化から始まり、(2)補給の航空機と艦船に嫌がらせをするグレーゾーン、そして(3)海・空域の封鎖で補給路を断つ、(4)攻撃予告で台湾軍を撤退に追い込む、(5)上陸作戦による奪取ーーまで段階的なオプションがいくつもある。

ここで重要なのが米中の駆け引きである。ジョー・バイデン新政権は就任後すぐに「われわれの台湾への約束は岩のように固い」と表明し、空母打撃群を台湾の南のバシー海峡付近から南シナ海へと航行させた。

一方、中国軍は2日間にわたって爆撃機など計28機を発進させ、台湾の防空識別圏に侵入し、その先を航行する米空母を標的とする対艦ミサイル発射の演習を行った。米中共に台湾をめぐって一歩も引かない立場を示した形だ。

習にとって「一石数鳥」

いま中国が台湾本島を攻撃すれば米軍が動くであろうし、日米で強い反中感情が巻き起こるであろう。しかし、日米で東沙諸島を知っている人はまずいない。米世論も「台湾から離れた無人島で米兵を死なせるのか」と受け止める可能性がある。

中国は、バラク・オバマ米政権期に南シナ海で環礁を埋め立て軍事基地化した成功体験を持っている。

加えて中国が、米軍が動きにくい台湾の周辺でバイデン政権の出方を試す可能性がある。

米中関係の主導権を握るため、まずバイデン政権の出鼻をくじいておいて、その上で米民主党が重視する地球温暖化対策、コロナワクチン提供、貿易の国際ルール作りなどでアメリカの顔を立てるといった高等戦術もあり得る。

中国は過去4年間、ドナルド・トランプ政権によって忍耐を余儀なくされたという思いがある。主導権を取り返そうと考えるのが自然である。

「東沙の有事は台湾有事と比べると国際社会の批判も大きくはならないし、なっても一時的」と、習指導部が計算する可能性もある。

そうなれば台湾には大きな打撃だ。これで台湾社会にパニックが起これば、習には儲けものだ。

つまり中国にとって、やり方とタイミングをうまくすれば「一石数鳥」ものプラスを得られる可能性がある。それは3期目を目指す習が政権を継続する理由にもなる。これが東沙のリスクだ。

実際に何も起こらなければそれが一番よい。ただ日本が危機感を持っておくことは戦争の予防につながる。

万が一、中国が台湾本島あるいは周辺島嶼へ武力行使することがあれば、日本で強烈な反中感情が巻き起こり「日中関係は10年も20年も正常化できなくなる」という見通しを、日本政府だけでなく日本の社会が発信する必要がある。

日中友好と平和を願うのであれば、まず「中国に武力行使をさせない」という決意を固めなければならない。【小笠原 欣幸氏 Newsweek 2021年2月23日号】』

『「台湾本島への武力行使ではなく,離島を奪取して内外に習近平の意志と力を見せつけ,「台湾統一が近づいている」という宣伝戦を展開する可能性である。合わせてバイデン政権の出方を試すことができる。それが東沙諸島である。」【2020年12月1日 笠原 欣幸氏】』

『ここで習近平の時間軸で考えてみたい。日本の中国専門家はほぼ全員,習近平が2022年の党大会で三選すると見ている。2032年とか35年まで続けるという見方も多い。

習近平の頭の中では「任期中に台湾問題に決着をつけるチャンスが十分ある」ととらえているであろう。他方で,すでに8年間権力の座にありながら台湾統一がいっこうに近づいていない「不都合な真実」がある。

政権継続の正当性を示すためにも,2021年の共産党百周年あるいは2022年の党大会において台湾問題で何らかの「成果」を示したいであろう。
 
加えて,中国は,台湾の有権者が再三の警告を無視して蔡英文を当選・再選させ,その蔡政権が米国との関係を深めていることに腹を立てている。「環球時報」は「台湾に懲罰を与える」「教訓を与える」という主張を繰り返している。中国国内向けにも「台湾を痛い目に遭わせる」何らかの行動の必要性が高まっている。
 
そこで浮上してくるのが,台湾本島への武力行使ではなく,離島を奪取して内外に習近平の意志と力を見せつけ,「台湾統一が近づいている」という宣伝戦を展開する可能性である。合わせて米のバイデン政権の出方を試すことができる。それが東沙諸島だ。【同上】』

『実際に何も起こらなければそれが一番よいのですが・・・。』

東日本大震災時も自衛隊は「有事」を意識していた

東日本大震災時も自衛隊は「有事」を意識していた
「想定外」の災害にも“揺るがぬ”国をつくるには
吉田哲 (Wedge編集部員)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22362

『編集部(以下、── )東日本大震災ではどのような形で出動させたか。

【折木良一(Ryouichi Oriki)】
元統合幕僚長
1950年、熊本県生まれ。72年防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。陸上幕僚長を経て、09年第3代統合幕僚長。12年に退官後、防衛省顧問、防衛大臣補佐官などを歴任した。著書に『自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質』(KADOKAWA)など。
(写真=井上智幸 Noriyuki Inoue)

折木 発災直後、北澤俊美防衛大臣(当時)から「自衛隊は最大何人出せるのか」と問われ、防衛警備上の観点から「12万~13万人」と答えた(当時の自衛隊総数は約24万人)。

 まず航空自衛隊はスクランブル(対領空侵犯措置)、海上自衛隊は警戒監視活動のため、少なくとも一定数の要員は確保しておかなければならない。次に陸上自衛隊は、緊張状態が続いていた南西諸島を担任する西部方面隊第8師団と第15旅団は動かせない。そして関西と関東の政経中枢や、北海道でも防衛警備の観点から1~2の師団、旅団は残しておかなければならないと計算した。』

『── 災害発生時にも、国防上重要な地域の部隊は外せないということか。

折木 大災害があっても、自衛隊の任務は国防。常に頭に防衛警備があり、いざとなれば 優先しないといけない。

 東日本大震災の時も、3月20日過ぎになると、東シナ海において海自護衛艦に対する中国公船からのヘリや小型機による異常接近や、ロシアの電子偵察機や戦闘機の東北沖での活発な活動などもあり、空自のスクランブル件数も大幅に増加するなど警戒監視活動の強化を余儀なくされた。中国もロシアも震災の支援はしてくれたが、国際関係は厳しいものがある。』

『── 自衛隊にとって災害派遣は有事や紛争への対応に役立つのか。

折木 大規模災害対応は、政府、関係省庁はもとより関係機関、自治体、企業、そして国民との連携や協働があって初めてうまくいく。それは専守防衛を国是とする日本国内において、自衛隊を運用するために求められることでもある。すべては自衛隊だけではできない。関係部署との連携が必須だ。

── 自治体との連携はどのような形で進んでいると考えているか。

折木 現在(2020年3月末)、退職した自衛官575人が自治体の防災関係部局に勤務している。自衛隊での知見を生かした避難計画作成や、災害発生時に自衛隊との調整窓口になっている。彼らは自衛隊に何ができて、何を頼めばいいのか、わかっている。

── 民間との連携は何ができるのか。

折木 民間企業は最近、事業継続計画(BCP)を真剣に取り組んでいる。災害などが起きた時に事業計画をどうするかが主体。危機管理への取り組みとして良い動きと言える。自衛隊も教訓を踏まえ、全国の高速道路会社や電力会社などと連携を深めている。災害時の高速道路の優先使用や自衛隊ヘリによる電力会社の発電機の輸送など相互に協力態勢を整えつつある。特に重要インフラについては、今後もリスクを見極めた官民の備えが必要である。』

『── 首都直下地震や南海トラフ地震に対し、いかなる対策をすべきか。

折木 東日本大震災での経験や調整は今後の大災害でも役立つはずだ。ただ、地震は全て態様が違い、被害も異なる。阪神・淡路は直下型で死者6434人、けが人4万3792人。対して、東日本は津波被害が大きく死者1万9729人、けが人6233人だった。

 首都直下地震は阪神・淡路に近いが、東京に国家機能があり、企業や通信インフラも集中している。国家機能をどう早期に復活させるかの観点が必要になる。南海トラフは津波で多くの自治体が機能しなくなる恐れがある。超広域になるので、自衛隊の部隊もすぐに全域で活動するのは不可能に近い。発災直後は部隊近傍での集中的な人命救助になるかもしれない。

 このように、態様が違う中で計画を立て、訓練しておく必要がある。対応にあたっては、全般を指揮統制する司令塔が最も重要だ。』

『── 具体的な司令塔の役割とは。

折木 危機管理は備えと対応の二面ある。備えは平時から人、モノ、組織を整え訓練しておくこと。対応は発災後、速やかに方針を示すこと。その中心が司令塔である組織のリーダーである。どう備えても実際は計画通りにならない可能性が高い。まず人命救助が最優先だが、リーダーにとって重要なのは、全体を見渡して、今、手を打たないといけない所を判断する、優先順位をつけて対応することだ。これは大変厳しい。そうした司令塔の判断についても日頃から訓練しないといけない。』

長期金利を左右する「米国例外主義」の行方(NY特急便)

長期金利を左右する「米国例外主義」の行方(NY特急便)
NQNニューヨーク 張間正義
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00002_W1A300C2000000/

 ※ 「米国例外主義」というものが、正しいのかどうかは分からない…。

 ※ しかし、米・日の経済構造は、決定的に「異なるところ」があると思う…。

 ※ それは、米国が「基軸通貨の発行国」だという点だ…。

 ※ ここが揺るがない限り、そして、「米国債が、順調に消化されて行く。」限り、米国民が必要とする「物資」を、「調達」して行くことが可能だ…。

 ※ 翻って、日本国はどうだろう…。
 
 ※ 日本国債は、今のところ、ほぼ国内勢で消化できている…。

 ※ しかし、そういう事態は、日本国の「経常黒字」及び「海外資産」によって支えられているという構図だと思う…。

 ※ そして、その「経常黒字」は、国民みんながせっせと「労働」し、資源を「浪費」せず、慎ましく生活する…。そういうことで、成り立っている経済構造だと思う…。

 ※ むろん、そういう「慎ましい日常生活」「経済活動」に必要な「物資」が、海外から滞りなく「調達」できる…、ということが大前提だが…。

 ※ 日本国民は、大部分は、そういう「経済構造」なんか、知ったことじゃないと思う…。

 ※ しかし、「本能的に」「薄々は」しっかりと、感じ取っているんだと思う…。

 ※ だから、「将来の先行きに、ばく然とした、不安を感じ」「自分の老後に、ばく然とした不安を感じる」んだと思う…。

 ※ さらに、もちろん、「災害列島」だから、それに対する「備え」も、必要だ…。

 ※ よって、日本国においては、「消費が盛り上がる」ということは、この先、期待薄だろう…。

 ※ こういう「経済構造」は、日本国だけに当てはまることじゃ無い…。

 ※ 米国以外の、「非基軸通貨発行国」全てに言えることだと思う…。

 ※ ただ、それを「自覚」して、「それを前提に」国政運営したり、国策を企画・立案・実行するかどうかの話しだろう…。

『米国債市場の景色が1年前から様変わりした。昨年3月に「経済の体温計」である米長期金利は過去最低となり、米経済の「日本化」と騒がれた。それから1年後の今は高成長・高インフレを意識した「米国例外主義」に傾きつつある。

5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発した。2月の雇用統計で雇用者数が市場予想以上に増え、景気回復期待が高まった。追加の経済対策などで春以降の景気急回復が見込まれる。20…

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2021年の実質国内総生産(GDP)成長率は「7%と84年以来の高水準となる」(調査会社オックスフォード・エコノミクス)。歴史的な高成長見通しは経済を冷やさず過熱もさせない「中立金利」の目線を引き上げる。

この動きは将来利益を現在価値に割り引く時に使われる長期金利の上昇につながり、理論株価が切り下がる。高PER(株価収益率)銘柄の多いハイテク株ほどこの影響が大きく、2月後半からの下げが大きい。ナスダック総合株価指数のPERは2月に37倍と歴史的な高水準を記録。今回同様、前回の景気後退から拡大への転換局面だった09年後半は20倍だった。長期金利は歴史的にみればなお低水準だが、急ピッチな上昇に対し高いバリュエーション(投資尺度)があだとなった。

1日に発表した決算と業績見通しが市場予想を優に上回ったビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズに、翌2日以降の市場は売りで反応。週間では10%安だった。新型コロナが業績拡大の追い風となった代表銘柄で、「新常態」への移行からコロナ禍後も好業績が続くとみられた。ただ、140倍を超えていた高いPERへの懸念が上回った。金利上昇による高PER銘柄潰しの動きが和らぐタイミングを市場は注視している。

先行きの米経済に対する見方は大きく変わった。昨年3月3日に長期金利は初めて1%を割った。同月9日には30年物国債利回りでさえ一時、1%を下回った。新型コロナが潜在成長率を低下させ、米経済の低成長と低インフレが加速すると市場がみたためだ。

それから1年後。5日に長期金利は一時、1.62%と昨年2月以来の高水準を付けた。30年物利回りは2.3%台まで上昇した。政府の政策総動員により米経済は高成長と高インフレの局面を迎えつつある。90年代の日本を振り返れば、財政政策の効果は基本的に一過性。翌年以降には「財政の崖」も到来する。かつ、日本は株式と不動産の資産デフレを放置し、デフレ経済に陥った。

米国では株式と不動産価格は歴史的な高水準にあり、資産デフレにはほど遠い。この状態で今後4年間の需給ギャップを上回る財政政策を実施する。日本ほど物価低迷に慣れていない米国では「高成長=インフレ」と捉える。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「一時的」とするインフレに対しても、懐疑的な市場参加者は多い。

政治や経済の面で米国は他国よりも優位性があるという意味で例外主義という言葉がしばしば登場する。将来の米経済の着地点が日本化で正解なら、足元の金利水準でも米国債は買えることになる。一方、例外主義が正しい場合、金利は今よりもかなり高い水準にいることになる。(NQNニューヨーク=張間正義)』

対北朝鮮、即応力低下に懸念 米韓演習縮小で

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM071F30X00C21A3000000/

『【ソウル=恩地洋介】米韓両軍が毎年恒例で実施してきた野外機動訓練は3年連続で見送りとなった。米軍や韓国の安保関係者からは、北朝鮮有事への即応力低下を懸念する声が上がっている。合同軍事演習が縮小となる一方、北朝鮮は周辺国を狙う弾道ミサイルを着々と開発しているからだ。

韓国紙大手の朝鮮日報によると、在韓米軍のエイブラムス司令官は最近、韓国政府高官に「野外訓練のないコンピューター訓練では連合防衛能力に支障が出る」との認識を伝えていた。軍出身の韓国野党議員は「指揮所に座るだけの軍隊は有事で戦えない」と憂慮する。

軍内部では指揮官も現場の兵士も頻繁に人が入れ替わり、継続的な訓練がなければ高い実戦能力を保てない。韓国軍の元特殊戦司令官によると、在韓米軍の将校は毎年6割、韓国軍の将校は毎年5割が交代するという。

米韓軍はかねて、春と夏に対北朝鮮の軍事作戦を想定した大規模訓練を実施してきた。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を繰り返した2017年には、指導部を除去する「斬首作戦」に加え、原子力空母や戦略爆撃機を周辺に展開した。

演習の縮小を進めたのはトランプ米前大統領だ。18年6月、会談した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の求めに応じて演習中止に言及。「あまりにも費用がかかる戦争ゲームはできない」として、19年春から野外機動訓練の「フォール・イーグル」を打ち切った。

北朝鮮軍は演習の最中、非常態勢をとり兵士を前線に張りつける。軍は普段、建設現場などに動員されており、演習の間は経済活動が停滞する。このため、大規模演習の中止は北朝鮮にとって大きな負担減となる。

金正恩氏は南北融和を呼びかける韓国に演習を中止するよう圧力をかけながら、自らは迎撃の難しい新型短距離弾道ミサイルの実験を繰り返した。1月の朝鮮労働党大会では戦術核兵器や、多弾頭技術などの開発を進めると表明している。

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米3万組織に攻撃、中国系ハッカーか Microsoft標的

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『【シリコンバレー=佐藤浩実】米国でマイクロソフトのメールシステムの脆弱性(セキュリティー上の欠陥)を突いたサイバー攻撃が広がっている。マイクロソフトによると中国系ハッカーが関与したとみられ、米政府も警鐘を鳴らす。被害は米国の産業供給網(サプライチェーン)の基盤である中小企業など3万の組織に及ぶとの推計もある。

「広範囲に影響を及ぼす可能性がある重大な脆弱性だ」。サキ大統領報道官は5日の記者会見で指摘した。「多数の犠牲者が出ていることを懸念している」と話し、システムの利用企業や団体に対し、ソフト更新などの対処を急ぐよう呼びかけた。

標的となったのは、企業がメールや予定共有に利用するマイクロソフトのサーバー向けソフト「エクスチェンジ・サーバー」。中小企業や地方自治体、学校などで広く使われている。ハッカーは同ソフトの脆弱性を突いて「Webシェル」と呼ぶマルウエア(悪意のあるソフト)を作成。ソフトを遠隔操作し、組織のデータを盗み出すという。

マイクロソフトは攻撃者について、中国政府が支援するハッカー集団「ハフニウム」だと分析する。同社によれば、ハフニウムは情報を盗み出すのを目的とするハッカーで、米国内の企業や団体を攻撃対象にしてきた。

攻撃は米セキュリティー企業の研究者が1月に発見し、マイクロソフトに伝えていた。同社は2日に脆弱性の修正プログラムを配布、被害を抑えるためソフトを速やかに更新するよう利用者に促していた。だがその後の数日間で、ハッカーが戦術を変更。修正プログラムを適用していないシステムに対し、幅広い攻撃を実施したようだ。

セキュリティー研究者のブライアン・クレブス氏は自身のサイトで「米国で少なくとも3万の組織がハッキングされた」と指摘した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなど複数の米メディアも「数万件規模の攻撃」と伝えている。米国外にも被害が広がっている可能性があるが、現時点で詳細は不明だ。

米国ではかねて、ロシアや中国、イランなどの国家と関係が深いとみられるハッカーからの攻撃が問題になっている。2020年12月には米テキサス州に本社があるソーラーウインズのネットワーク管理ソフトの脆弱性が発端となり、多くの政府機関が攻撃の脅威にさらされた。マイクロソフトは今回の攻撃は「ソーラーウインズへの攻撃とは無関係」としている。

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インド太平洋軍司令官にアキリーノ氏、バイデン氏が指名

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『【ワシントン=時事】米国防総省は6日、バイデン大統領が今春退任するインド太平洋軍のデービッドソン司令官の後任に、ジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)を指名したと発表した。就任には上院の承認が必要になる。トランプ前大統領も退任前、アキリーノ氏をインド太平洋軍司令官に指名しており、バイデン大統領がそれを追認した形だ。

アキリーノ氏は海軍兵学校を卒業後、イラク戦争などに従軍。2018年に太平洋艦隊司令官に就任した。インド太平洋軍は太平洋全域とインド洋までの広大な地域を管轄。アキリーノ氏が就任すれば、日本などの同盟国との連携を強化しつつ、中国や北朝鮮の脅威に向き合うことになる。

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