目標見送りで柔軟対応 新5カ年計画、成長率示さず―中国全人代

『【北京時事】5日開幕の中国全国人民代表大会(全人代)で公表された第14次5カ年計画(2021~25年)は、これまで提示してきた期間中の経済成長率目標の設定を見送り、代わりに「年度ごとに所期目標を打ち出す」方針を示した。世界経済の先行きが不透明な中、5年間の数値目標に縛られず、状況に合わせて柔軟に対応する余地を確保する狙いがありそうだ。

 中国は20年の国内総生産(GDP)を10年比で2倍にする目標を掲げたものの、新型コロナウイルスの流行や対米貿易摩擦で想定外の急減速に見舞われ、未達成に終わった。習近平国家主席は昨年11月、35年までの長期目標に関し、GDPの倍増は「完全に可能」と述べ、新たな目標を示唆した。経済の急減速で低下した求心力の回復を図る考えとみられる。

 今後15年間での倍増には年平均4.7%を上回る成長が必要だが、成長率の長期的な低下傾向を踏まえると、最初の5年間に当たる第14次計画では高めの目標設定が望ましい。対米摩擦や海外でのコロナ禍など外部の不透明要因が残る中、年度ごとの目標設定に切り替え、できるだけ高い成長率を柔軟に追求する構えだ。

 外部要因に左右されにくい経済の基盤となるのが、習氏自らが提唱した「国内大循環」だ。内需拡大で巨大な国内市場と貿易強国を実現し、これを生かして海外から投資や貿易を呼び込む。ただ、内需の柱である個人消費は感染抑制後も依然として弱く、思惑通りに進むかは見通せない。

 科学技術の自立も重要戦略に盛り込まれた。米国による中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)制裁で露呈した海外技術への依存軽減を目指し、半導体などの国産化を推し進める考えだが、補助金が主要な手段となるのは確実で、中国の過度な産業支援を問題視する米国を刺激する可能性もある。』