搾取系IT企業の値下げが始まった。

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

 ※ 「机上空間」さんのサイトからだ…。

 ※ いつもながら、鋭い考察なんで、見といた方がいい…。

 ※ こういう「名ばかり事業主」ビジネスは、大流行りだ…。リスクを、丸々「名ばかり事業主」に負わせることが、可能だからな…。

 ※ しかし、「法的に対処する」ということは、難しい…。

 ※ 何回か語ってきたが、「近代私法の大原則」は、「私的自治の原則」だからだ…。

 ※ つまり、「私人間においては、自由な意思で、お互いに約束したことは、法は、それを尊重する。」という話しになっている…。

 ※ しかし、この法則には、大前提がある…。

 ※ それは、「私人間」には、「対等な、自由な意思」があるはずだ…、ということだ…。

 ※ そもそも、契約時に、「対等な力関係」とか、「自由な意思」を発揮できる基盤とかが無いような場合、その「約束」を「強制すること」が、果たして「法と正義」に適う(かなう)と言えるのか?

 ※ そういう、根本的な疑問がある…。
 
 ※ しかし、一旦「契約」して、「契約書」にサイン(押印)してしまうと、訴訟でそれを覆すのは、なかなか難しい…。

 ※ 企業側は、当然、「敏腕弁護士」「凄腕弁護士」を繰り出してくるからな…。

 ※ そういう「専門家」を雇う、金銭的な余裕は、たっぷりとあるんだ…。

『以前、「IT系キラキラ事業に注意」などの記事で、当時、話題になった、いくつかのIT系新興企業について、注意喚起をしましたが、とうとう賃金を引き下げるスキームに入ったようです。宅配系の業務受託企業であるUber Eatsは、このところの武漢肺炎不況で、配達員が十分な人数を確保できたのを受けて、予定されていたであろう賃金の引き下げに踏み切りました。

ITを活用した、Uber EatsやUberのような業務は、個人を個人事業主とみなして契約する為、独立した事業主として契約を行います。つまり、会社からの生活の保証を前提としていないし、契約の更新に当たって、条件が折り合わなければ、いつでも解雇できるという事です。解雇という言葉にもなりません。契約の打ち切りですね。

もちろん、業務上の危機管理や、その他面倒事については、全て自己責任ですし、ノルマの未達に対して、自由にペナルティーを課す事もできます。相手は、従業員ではなく、契約対象の個人事業主だからです。一定のクォリティーを発揮しない相手には、罰金を取る事ができます。

一見、高そうに見える賃金には、そういったリスクも含まれています。そして、事業の立ち上げ段階でこそ、人員の確保の為に割高な賃金を払っていましたが、人員が確保できれば、一方的に単価を下げてくるという事も、先の記事の時点で私は言っていました。文句を言えば、契約期間の終了とともに、契約打ち切り決定です。社員でも従業員でも無いので、契約終了後の保証は、一切ありません。

IT系と言うと、語感が良いですが、ようは搾取労働をAIなどを使って、今の技術で可能な限り効率化したのが、こうした企業の本質です。業態自体は、手作業で昔から存在していたものばかりです。業務上で起きた、事故、クレーム、トラブルの解決責任も、全て業務委託先になっている個人の責任になるので、実は考えられているよりも、リスキーな仕事になります。

私は、AIやITを使って、単純労働を人に分配して、上がりをピンハネする業態を、「搾取系IT企業」と呼んでいます。業態自体は、手作業で行う形で昔からあり、それを大規模にコスト・レスで行う為に、IT技術を使っているだけの企業ですね。これでも、今風に見えるので、うまく宣伝すれば、面白いように投資資金が集まったりします。

この手の企業の特徴は、業務の依頼手続きを代行するだけなので、業務自体の一切合切は、現場で作業にあたる個人に丸投げする点です。なにが発生しても、契約的には、一切の責任がありません。高めに見える賃金は、その分も含まれた単価です。そして、それさえ、人員が確保できれば、一方的に切り下げる事が可能です。

失業した方にとっては、それでも仕事があるだけありがたいのかも知れません。しかし、この労働に溺れてしまうと、将来が無い事は確実です。生殺与奪の権利を合法的に、企業に握られるからです。個人事業主(より、くだけた言い方をするなら「一人社長」)として、契約するという事は、そういう事を合法的にできるという事です。

そして、恐ろしいのは、同一労働同一賃金という概念すら無いという事です。契約に当たって、雇い主の企業には、公平を保証する義務はありません。なぜなら、個人単位で契約を結ぶので、受注が少ない地域や、配達員が過剰な地域の単価だけ引き下げても、何ら法律上の問題はありません。むしろ、そういう細かい差別化で、利益を拾っていくのが、ピンハネしている側がITを導入する理由でもあります。

労働を通じて、個人のスキルが蓄積しない仕事は、これからは、自分の未来を潰す事になります。目先の条件に、惑わさせないようにする必要があります。』