中国国防費6.8%増 21年、3年ぶり伸び拡大 習指導部、軍拡の勢い止まらず

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『【北京=羽田野主】中国の軍拡の勢いが止まらない。中国国務院(政府)の5日の発表によると、2021年の国防費予算(中央政府分)は前年比6.8%増の1兆3553億元(約22兆6000億円)だった。伸び率は18年以来、3年ぶりに拡大した。インドやフィリピンなど周辺国や米国との緊張が高まる恐れがある。

国防費の伸び率は20年(6.6%)を上回った。日本円に換算すると前年より約1兆5000億円の増額になる…

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日本円に換算すると前年より約1兆5000億円の増額になる。日本の防衛予算の4倍ある。国防費は名目値のため、物価変動を考慮した実質で示す経済成長率の目標とは単純に比較できないものの、成長率目標(6%以上)を上回った。

軍事費拡大の一つの背景に海軍の増強がある。米海軍は20年に「米中が保有する艦船数の差がますます広がる」との試算を公表した。中国人民解放軍の艦船数は20年の360隻から30年に420隻になる一方、米国は約300隻から34年までに355隻に増えるにとどまる。

習指導部はウクライナから購入し改修した空母「遼寧」や初の国産空母「山東」に続き、上海で建造中の第3の空母を年内に進水させる可能性がある。空母が3隻になれば、実戦配備、整備、訓練に1隻ずつ割り振ることができ、東・南シナ海に常時展開しやすくなる。遼寧や山東はすでに台湾海峡周辺の軍事訓練に参加している。

中国国防省は1日、ホームページで尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺への領海侵入を「常態化する」と公表した。日本政府関係者によると、領海侵入をくり返す中国海警局の中国公船の背後には不測の事態に備えて中国海軍が常時控える。

もう一つの背景が士気向上を狙った軍人の待遇改善だ。複数の軍関係者によると、今回の国防費には新疆ウイグル自治区やチベット自治区など辺境地域を守る軍人の給料を4割上げ、ほかの地域の軍人も2割増やす措置が盛り込まれた。

チベットのインド国境付近では20年、インド軍との衝突で中国側にも死傷者が出た。解放軍は20年末に6年がかりの組織改革を終えた。中国の軍事専門家は「習氏が主導した改革が完成し、軍を鼓舞する狙いがある」と解説する。