イタリア、豪州向けコロナワクチン輸出を阻止 EUで初

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04DXW0U1A300C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアが英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンについて、オーストラリア向けの輸出を阻止した。4日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などが報じた。1月末に欧州連合(EU)が域外へのワクチンの輸出制限措置を導入して以来、初めての発動となる。

対象はイタリアの工場で生産した25万回分のワクチン。輸出制限では、EUが事前購入契約を結んだ製薬会社に対し、域内で製造したワクチンの出荷計画を事前に申告し、輸出する際には製造している国の政府の許可を得る必要がある。欧州委員会もイタリアの判断を承認した。

2月にイタリアの首相に就任したドラギ氏は最優先事項として新型コロナ対策を掲げ、自国民へのワクチンの普及を急いでいる。EUが米英などに比べワクチン接種が大幅に遅れていることに不満を抱き、2月25日にオンラインで開いたEU首脳会議でも、EUはより厳しい輸出規制が必要との認識を示していた。

ロイター通信は4日、関係者の話としてEUが輸出制限を6月末まで延長することを検討していると伝えた。現時点では3月末で終える予定となっている。一方、世界保健機関(WHO)は「ワクチンの公平な分配を妨げる恐れがある」などとEUを批判している。世界各国でワクチン接種が始まったが、今のところは資金力のある先進国に偏っており、途上国にはほとんど行き渡っていない。』