「中国は唯一の競争相手」、米政権が安保戦略の指針「国際秩序、米が主導」と宣言

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040O40U1A300C2000000/

『【ワシントン=永沢毅】米ホワイトハウスは3日、バイデン政権の外交・安全保障政策の当面の指針となる暫定版の国家安全保障戦略をまとめた。経済や技術力などあらゆる面で中国を「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づけたうえで、「新しい国際規範や合意を形作るのは米国だ」と宣言した。

まとめたのは「国家安保戦略の暫定指針」で、これに沿って各省庁が政策の具体化を進める。後にまとめる国家安保戦略のたたき台ともなる。

指針は中国を「経済、外交、軍事、技術力を複合させ、安定した開放的な国際秩序に絶えず挑戦する唯一の競争相手」とみなした。その上で「私たちの利益を促進し、価値を反映する新しい国際規範や合意を形作るのは中国ではなく米国」と表明。同盟国との連携強化などを通じ、中国に対抗する方針を示した。

同時に「中国との戦略的競争は国益にかなう場合の協力を妨げるものではない」との考えを示した。気候変動、医療、核軍縮などでの「協力を歓迎する」と打ち出した。

北大西洋条約機構(NATO)や日本、韓国、オーストラリアとの同盟関係を「米国の最も素晴らしい戦略的資産」と誇示。インドや東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化に注力すると強調した。国際機関での指導力も回復させると訴えた。

米軍はインド太平洋と欧州に重点配備し、中東では国際テロネットワークやイランなどに対処できるよう適正な規模にするとうたった。「米国は『終わりなき戦争』には関わるべきではないし、そのつもりはない」と表明し、アフガニスタンにおけるテロとの戦いの早期終結をめざす方針を強調した。

武力行使は「最後の手段にすべきだ」と明記。軍事介入には頼らず、外交を通じて問題の解決をめざす立場を明確にした。

北朝鮮の核問題は「韓国、日本と足並みをそろえて核・ミサイル計画の脅威を減らすため、外交力を結集する」と訴えた。新型コロナウイルスや経済危機を克服し、米国の力を立て直すと重ねて強調。貿易や経済政策は「少数の特権階級だけではなく、すべての米国人のためのものでなければならない」と主張した。

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松尾博文
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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別の視点 バイデン政権は米軍をインド太平洋と欧州に重点配備し、中東は「適正な規模」にする方針を示しました。ブリンケン国務長官は同日の外交演説で「中東やアフガニスタンへの軍事介入は良い結果をもたらさなかった」と述べ、軍事力の行使は「米国人の生命や米国の国益が脅かされる」場合と語りました。

意味するのは、オバマ元大統領が在任中に宣言した「米国は世界の警察官ではない」ことの再確認です。

この10年の中東混迷の根に米国の存在感低下があることを考えると、米外交・安全保障戦略の対中国シフトに伴う、中東への一層の関与低下が地域情勢にもたらす変化にも要注意です。

2021年3月4日 10:36いいね
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