メキシコ・中米への送金、最高を更新 米経済対策が支え

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『【メキシコシティ=宮本英威】メキシコと中米への外国からの送金が2020年に軒並み過去最高を記録した。主な就労先である米国で失業給付が増額されたことなどが後押しした。エルサルバドルなどは送金受け入れ額が国内総生産(GDP)比で20%を占め、メキシコは、原油収入の2倍以上だ。米国の新型コロナウイルス経済対策がメキシコや中米経済を支える構図となっている。

新型コロナの感染が世界中に広がった20年前半時点…

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新型コロナの感染が世界中に広がった20年前半時点では、国外で働く労働者から親族への送金は減るとの見方が一般的だった。ただ米国ではトランプ前政権が失業給付の上乗せ策などを実施した。正規の就労ビザを保有する移民労働者は失業給付の受給資格を持つため、平時の給与よりも多くの給付を受け取った移民も多く、送金の増加につながった。

メキシコへの外国からの送金額は20年に19年比11%増の406億660万ドルとなった。5年連続で過去最高を更新した。中米各国でも軒並み過去最高を記録しており、グアテマラが8%増の113億4041万ドル、エルサルバドルは5%増の59億1860万ドル、ホンジュラスは4%増の57億2990万ドルだった。

メキシコ出身のアルマンド・モンテスさん(54)は、米カリフォルニア州ロサンゼルスのワイン工場で働く。20年は新型コロナの影響で工場が一時閉鎖した時期もあった。それでも、メキシコ中部ケレタロ州に住む親族からの苦しい生活を訴える声に応じて「これまでと同じように必要に応じて数カ月ごとに500~2000ドルの送金を続けた」という。

メキシコや中米で海外からの送金を受け取るのは主に低所得者層で、食料や日用品購入の原資になる場合が多い。非正規雇用に従事する比率も高く、狭い住居に大勢で住み、新型コロナのまん延で打撃を受けた人々とも重なる。各国の消費は依然として厳しい状況だが、仮に送金が減少していた場合には、一段と経済が落ち込んだ可能性もある。

メキシコや中米は新型コロナによる経済活動の制限だけでなく、20年11月には大型ハリケーンが相次いで直撃した。投資の受け入れや輸出も低調で、住居と就労先を同時に失った人々も多いが、米欧のような公的なセーフティーネット(安全網)は乏しい。メキシコのロペスオブラドール大統領は20年を通じ、堅調な送金が「貧しい家庭の助けになっている」と何度も述べていた。

国際金融協会(IIF)によると、エルサルバドルとホンジュラスは送金額がGDP比で20%、グアテマラは12%、メキシコは3%に達しており、送金が経済の重要な構成要素となっている。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスによると、2019年の海外送金の受け入れ額のランキングでは1位がインド、2位は中国で、メキシコは3位だった。

1月に発足したバイデン米政権は総額1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策を計画している。2月27日には、議会下院が対策法案を可決した。失業給付を積み増す特例措置は延長し、上乗せ額は週400ドルとなる見込み。

失業給付とは別に、これまでに計2回、1人あたり最大1800ドルを配った現金給付は3度目として1人あたり最大1400ドルの支給を目指す。米国の大規模な経済対策がコロナ禍や自然災害に苦しむ中米の経済を下支えする構図が続きそうだ。