ミャンマー進出外資、共同声明で政変に「深刻な懸念」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271W70X20C21A2000000/

『【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーに進出している有力な外資が、国軍によるクーデター後の状況に「深刻な懸念」を表明し始めた。1日現在で米コカ・コーラ、仏トタルなど40社が共同声明に加わり、国軍に民主化プロセスへの回帰を求めている。人権抑圧を見過ごしてビジネスを優先すると、世界市場で消費者に敬遠されかねないとの危機感も背景にあるようだ。

2月中旬に呼びかけを始めたのは民間団体「責任あるビジネスのためのミ…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り743文字

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料』

2月中旬に呼びかけを始めたのは民間団体「責任あるビジネスのためのミャンマー・センター(MCRB)」。MCRBはミャンマーを巡る企業活動の透明性、ビジネスと人権の関係について政策提言してきた。元駐ミャンマー英大使のビッキー・ボウマン氏が代表を務める。

共同声明は「人権の尊重や円滑な情報の流通は、安定したビジネス環境の基礎となる」と指摘。2月1日のクーデター後のミャンマーの混乱については「対話と和解により、市民の利益にかなう形で問題が解決されることを望む」と主張した。

声明はほかに、スウェーデンのアパレル大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)、英食品・日用品大手ユニリーバ、豪エネルギー大手ウッドサイドなどが参加する。一般家庭向けの消費財を製造、販売する多国籍企業や、天然資源が豊富なミャンマーで活動するエネルギー企業などが目立つ。日本の大手企業は見当たらない。

大手財閥を含む現地企業100社以上も「共同声明の趣旨に賛同する」と表明した。銀行最大手のカンボーザ銀行、不動産開発や金融サービスを手掛けるヨマ・グループ、小売り最大手のシティーマート・ホールディングなどだ。

MCRBは2014年から毎年、ミャンマーに関係する企業の透明性を評価する報告書を公表してきた。11年のミャンマーの民政移管を受け、現地企業の近代化を促すのが当初の目的だった。

ボウマン氏は日本経済新聞に対し「(ミャンマーで)事業を続けるうえで、合弁や取引の相手企業が、国軍と密接だったり人権侵害に加担したりしていないか、改めて検証する必要がある」と指摘した。

国軍への抗議デモに参加するミャンマーの市民も企業の動向に敏感だ。最大都市ヤンゴンでのデモに加わっていた大学教員の男性(47)は外資企業に「いま新規に投資すれば、国軍支配を認めることになる」と述べ、事業拡大に慎重な姿勢を求めた。