排出減計画、米中提出せず パリ協定に基づく2030年目標

排出減計画、米中提出せず パリ協定に基づく2030年目標
バイデン米政権 新計画 4月に公表の意向
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『国連気候変動枠組み条約事務局(本部・独ボン)が26日公表した報告書で、国連の求めに応じて2020年末までに地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づく温暖化対策の計画を提出したのは75カ国・地域にとどまった。温暖化ガス排出量に占める割合では世界全体の3割にすぎない。未提出の中国や米国など大排出国が30年時点での踏み込んだ削減目標を出すかが重要になる。

「50年の実質ゼロの具体化に向けた30年目標…

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「50年の実質ゼロの具体化に向けた30年目標は非常に重要だ」。報告書公表に先立って日本経済新聞などの取材に応じたエスピノサ事務局長は米中などを念頭に主要排出国の大胆な計画は不可欠だと訴えた。

11月に英国で開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)より前に出すよう求める構え。条約事務局はCOP26前に新たに提出された計画を踏まえた報告書の改訂版をまとめる。

パリ協定は各国に5年ごとに削減目標などを含む計画を提出するよう義務付けている。各国は16年に初めての計画を出し、今回は計画更新のタイミングだった。国連は20年末までに計画を出すよう促していたが、提出したのは欧州連合(EU)や英国、日本などで、大排出国の中国と米国、インドは提出しなかった。

EUは30年に90年比40%減を55%減に、英国は同53%から68%にそれぞれ引き上げた。南米のチリやアルゼンチンも目標を上積みした。75カ国・地域が提出した計画を事務局が分析したところ、30年の排出は136.7億トンとなり、以前の計画に比べると2.8%、10年実績比では0.5%それぞれ減る。

報告書は、更新された計画でもパリ協定の達成にはほど遠い現実を示した。目標を引き上げた英EUを合わせても世界の排出に占める割合は1割程度で、地球の気温上昇を食い止めるには半分近くを占める米中の積極的な関与が欠かせない。

パリ協定に復帰した米バイデン政権は4月に開く気候変動サミットを前に30年の計画を公表する意向とされる。バイデン大統領が野心的な目標を打ち出すのか注目される。中国も計画の見直しに前向きな姿勢だ。

日本も無関係ではいられない。今夏までにエネルギー基本計画の概要をまとめ、その後に現在の13年度比26%減の削減目標改定に着手する。小泉進次郎環境相は「50年の脱炭素社会の実現に向けてより政策を強化していくことが必要だ」と目標引き上げに意欲を示す。

気候変動への日本の取り組みの遅れはグローバルに事業展開する日本企業の海外事業にもマイナスとなる。加盟企業の売上高の合計が100兆円を超える日本気候リーダーズ・パートナーシップは「海外の取引先企業や投資家に対して日本の気候リスクが増大するとの印象を与えかねない」と懸念を表明する。

経済産業省や環境省、民間企業含め、すでに綱引きが始まっているが、国際社会に説得力のある数字を打ち出せるか課題となる。(ブリュッセル=竹内康雄、気候変動エディター 塙和也)

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