日経平均2万9000円割れ 長期マネーに逆回転リスク

日経平均2万9000円割れ 長期マネーに逆回転リスク
証券部 北松円香
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD262G00W1A220C2000000/

『26日の東京株式市場で日経平均株価が急落し、終値は前日比1202円安の2万8966円と2月5日以来の低水準となった。米国の長期金利の上昇(債券価格の下落)が、低金利環境の継続を前提に株高の波に乗ってきた株式投資家を揺さぶった格好だ。一時的な変動との見方もあるが、一部の市場参加者は債券安によって年金基金など長期投資家が株から債券に資金を移す「リバランス」を誘発するリスクも意識した。

「朝方はグローバ…

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「朝方はグローバル・マクロ系ファンドによる株価指数先物の売りに加えて、海外年金のリバランスとみられる株売りの注文も出ていた」。外資系証券のトレーダーはそう明かす。

今回の金利上昇・株安によって本格的な調整局面に入ったとの見方は少ない。大和証券の石黒英之シニアストラテジストは「今日の株価は過剰反応。これから経済正常化が進むとすれば株式の投資環境は悪くない」という。

それでも投資家が身構えるのは、たとえ景気回復基調や企業業績の改善傾向が変わらないとしても、株安が長引く経路があるためだ。既にその兆候はある。アセットマネジメントOneの酒井義隆ファンドマネジャーは機関投資家向けに株の買い持ちと空売りを組み合わせて運用するロング・ショートファンドで、2月上旬から通常よりやや保守的なポジションに傾けた。理由は主に2つ。1つは最近の株価指数先物の動きに象徴される値動きの荒さ、そしてもう1つが年金基金など長期投資家のリバランス懸念だ。

「これまでの株高で、2割程度の年金基金でポートフォリオに占める株の比率が上がり、リバランスが必要という情報も耳にしている」と酒井氏。この日の株安で多少、株の比率が下がっても、金利上昇で債券の比率が低下したことで、リバランスの必要性はくすぶり続ける。「リバランスで株価が下がり始めると、(各資産のリスク量が同等になるように資金配分する)リスクパリティ戦略のファンドの売りも加わる可能性があり、日経平均は2万8000円程度まで下がりかねない」と警戒する。

「直近の金利上昇は米セントルイス連銀のブラード総裁が金利上昇を『適切』と表現したことが原因だろう。個人的には米連邦準備理事会(FRB)が今後火消しに動き、株価も下げ止まると予想しているのだが」。ゴールドマン・サックス証券の石橋隆行ヴァイス・プレジデントは思案顔だ。ここまで株式市場には「株式益回りと金利のスプレッドを踏まえれば株に割高感は少ない」「低金利下では投資家の資金は債券から株に流れる」といった強気な見方があふれていた。金利の急変動に端を発する思わぬ株安が行き着く先はまだ見えない。