「脱貧困達成」政治遺産に、習氏が演説

「脱貧困達成」政治遺産に、習氏が演説
2022年党大会にらみ、実績強調
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『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は25日、2020年を期限とした「脱貧困」で実績をあげた共産党関係者らを表彰した。その席上で「党創立100周年の重要なときに、わが国の貧困脱却攻略戦は全面的な勝利を収めた」と成果を改めて誇示した。

表彰式は北京市の人民大会堂で開き、ナンバー2の李克強(リー・クォーチャン)首相など指導部が勢ぞろいした。中国国営中央テレビ(CCTV)が中継した。

習氏は「農村に残った9899万人の貧困層はすべて貧困から脱出した」と主張した。そのうえで「これは党の偉大な栄誉である」と自賛した。国と地方で過去8年間で1兆6000億元(約26兆円)を投じたという。

習指導部は2020年12月に開いた党最高指導部会議、政治局常務委員会で脱貧困の「達成」を宣言した。今回再び内外に宣伝するのは習氏の政治的遺産(レガシー)作りの意味合いが強い。

22年秋には5年に1度の共産党大会が開かれる。12年に党トップの総書記に就いた習氏は異例の3期目を視野に入れている。

強国路線を掲げる習指導部は米欧との摩擦が絶えず、新型コロナウイルスの発生や香港問題でさらに溝が広がった。20年の国内総生産(GDP)を10年のGDPの2倍に増やす具体的目標も達成できなかった。脱貧困をアピールして統治の正当性を強調する狙いがある。

党内でも異論がある。20年5月に李首相が「月収1000元(約1万6000円)の人がまだ6億人」と発言し、内外で波紋を広げた。指導部内で意見の隔たりがあるとみられている。

中国の都市部では1年間の収入が4000元という脱貧困の基準を満たしていても、住宅費や食費なども値上がりし、生活の不満はくすぶる。

今年7月1日には共産党創立100年を迎える。年内最大の政治イベントのひとつで、習氏は「(ややゆとりのある)小康社会の全面的な実施」を宣言する構えだ。脱貧困はその前提条件となっており「成果」を急いだ面は否めない。

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