中銀デジタル通貨の越境決済 中国、タイやUAEと研究

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『【北京=川手伊織】中国は、中央銀行が発行するデジタル通貨をめぐり国境をまたぐ決済システムの研究を加速する。中銀の中国人民銀行は24日、香港やタイ、アラブ首長国連邦(UAE)の中銀と共同研究を始めると発表した。外国送金や為替決済の仕組みも研究する。デジタル通貨のルール作りで先行する思惑がありそうだ。

中国は国内の主要都市でデジタル人民元の実証実験を重ねてきた。中国人民銀行法の改正で法定通貨にデジタル…

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中国人民銀行法の改正で法定通貨にデジタル通貨も加える方針を示し、法制面の準備も進める。2022年2月の北京冬季五輪までの発行をめざしている。

将来、中銀発行のデジタル通貨が広がることを想定し、外国との決済を巡る環境整備にも乗り出す。香港の中銀にあたる金融管理局(HKMA)とは、すでにデジタル人民元の越境決済について技術的テストを始めた。

タイとUAEも加え、残高や交換の記録をインターネット上で分散管理するブロックチェーン(分散型台帳)技術を研究する。海外と相互にデジタル通貨を送金し、為替決済できる仕組みを築く。

国際決済銀行(BIS)の調査では、デジタル通貨を研究する中銀の約6割が実証実験の段階と答えた。タイの現地紙によると、タイ中央銀行は国内卸売りの大口決済でデジタル通貨「インタノン」を試験的に使っている。20年には小売りにも対象を広げることを決めた。UAEも17年からサウジアラビアと実験してきた。

人民銀はアジアなど他の中銀にも参加を呼びかける。中国を中心にした多国間の決済システムの研究を進め、国際標準を巡る議論で主導権を握る思惑がある。国境をまたぐデジタル通貨のインフラ整備は、人民元の国際化にもつながる。

中国は1月、国際的な決済インフラの国際銀行間通信協会(SWIFT)と合弁会社を設けた。中国側は人民銀のデジタル通貨研究所や人民元の国際銀行間決済システム(CIPS)などが参加する。SWIFTが合弁会社の55%の株式を保有する。

関係者によると、デジタル通貨普及時の国際送金を巡る研究が主要事業の1つだという。SWIFTのシステムはコンピューターと通信回線を使って銀行間で電文を送信し、貿易決済や個人の資金移動を実施しているが、通貨そのものがデジタル化すれば「電文の発信機能の意義がなくなる」(金融市場関係者)との声も多い。

中国は国際標準であるSWIFTの影響力を生かし、デジタル人民元の国際化を進めたい考えだ。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Business/Markets/Currencies/Thailand-and-UAE-join-China-s-global-digital-currency-push?n_cid=DSBNNAR
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