米、ASEANに外相協議を打診 ミャンマー制裁の理解訴え

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『【シンガポール=中野貴司】バイデン米政権が東南アジア諸国連合(ASEAN)に電話やテレビ会議形式での外相協議を打診していることが分かった。ASEAN重視の外交姿勢を示すとともに、ミャンマー問題でも制裁への理解を訴える狙いがあるとみられる。ただ、ASEAN内の意見は一致しておらず、早期に実現できるかは不透明だ。

ASEAN外交筋によると、米国は当初2月11日前後の日程を提案したが、ミャンマー、タイ、…

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ASEAN外交筋によると、米国は当初2月11日前後の日程を提案したが、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスが消極的で実現に至らなかった。そのため、2021年の議長国であるブルネイと有志国のみの協議の選択肢も含め、引き続き検討を進めている。「米国はミャンマー問題に限らず、外交問題全般を話し合いたいという意向」(外交筋)だという。

ブリンケン米国務長官は1月下旬の就任後、タイやベトナムなどの外相と相次ぎ個別に電話で協議した。シンガポールやインドネシア外相との電話協議では、ミャンマーのクーデターに関して「深刻な懸念」を共有した。ASEANの枠組みでの協議を打診する背景には、地域の平和や安定に積極的に関与する姿勢を強調する意図があるようだ。中国の域内での影響力が増す中で、南シナ海問題の対応でも連携をはかる。トランプ前米大統領はASEAN関連首脳会議を連続欠席するなど、ASEAN軽視の姿勢が目立っていた。

ミャンマー情勢も主要な議題となる見通しだ。米政府はミャンマー国軍のクーデターに関わったとして10個人や3企業を制裁対象に指定している。ASEANは内政不干渉の原則から制裁のような強い措置には距離を置く一方、民主主義や人権の尊重は重視している。米国はASEANの多くの国に制裁の狙いへの理解を深めてもらい、国軍への圧力を強めていきたい考えだ。

ただ、批判の矢面に立つことを恐れるミャンマーが米国との協議出席に否定的なほか、中国に近いカンボジアやラオスも米国と共同歩調をとる可能性は低い。仮に外相協議が実現しても、具体的な成果に結びつくかは未知数だ。

ASEAN内にはミャンマー問題を協議する特別外相会議の開催を目指す動きもある。インドネシアのジョコ大統領とマレーシアのムヒディン首相は2月初旬に会談し、特別会議を開くよう両国外相に調整を指示した。18日に会談したシンガポールのバラクリシュナン外相とインドネシアのルトノ外相も、ミャンマー問題に関する特別会議の早期開催を目指す考えで一致した。関係者によると、クーデター後に外相など主要閣僚を差し替えたミャンマー国軍は「ASEANの定例の会議には出席するが、特別会議には出席しない」方針を伝えてきているという。

ASEANはクーデターが起きた1日、「加盟国の政治的安定は、平和で繁栄した共同体の実現に不可欠だ」などとする議長声明を出した。ASEANが強い批判を控える背景には、「ミャンマーをいたずらに孤立させれば、中国やインドに接近してしまう」との思いがある。ただ、デモ参加者などが相次ぎ死亡し、ミャンマー情勢は混乱を増している。ASEANが主体性を持ち、事態の正常化へ役割を発揮できるかが問われている。