中国農業政策、安保に重点 食糧生産年6500億トン堅持

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『【北京=川手伊織】中国の農業農村省は22日、2025年までの農業政策として食糧安全保障を重視する方針を示した。過去6年連続で達成した年6500億トン以上の生産量を数値目標として掲げた。対米摩擦を念頭に海外調達の不確実性が高まると懸念を示した。

唐仁健農業農村相が記者会見で明らかにした。20年の生産量は約6700億トンと最高を記録した。今後は就農人口の減少が生産規模を保つうえでの足かせとなる。農業の現代化を進めて、大豆やトウモロコシで米国の6割に満たない単位面積当たりの収穫量を増やす。

食糧安全への懸念を拭えないのは「外部の情勢を巡る不確実性や不安定さが明らかに増える」(唐氏)ためだ。大豆やトウモロコシを大量に海外から仕入れている。米国との覇権争いをはじめ外国との摩擦が続けば、食糧の安定輸入という問題は中長期的に中国にのしかかる。

習近平(シー・ジンピン)国家主席(総書記)も昨年12月、中国共産党の農業政策における重要会議で「食糧安全は国家の重要事項だ」と強調した。中国が長期目標で掲げるように中間所得層が拡大すれば、食糧需要も膨らむ。

食糧安保を巡っては、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会がすでに食品の浪費を禁じる法案の審議に入った。飲食店が顧客に過剰な注文をさせたり、「大食い」を売りにしたテレビ番組や動画を流したりすることを禁じる。21年には「食糧安全保障法案」も審議する方針だ。

唐氏は中国人の食卓に欠かせない豚肉について「供給量は21年後半に正常な水準に戻る」と語った。豚肉はアフリカ豚熱(ASF)の流行や20年の長江流域の洪水被害で供給量が落ち込んだ。

消費者物価指数(CPI)でみた豚肉価格は19年末から20年初めにかけて、前年同期の2倍超と高騰していた。必需品の値上がりをうけ、家計が節約意識を高める一因となった。

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