五輪の透明性を世界注視 橋本氏、固辞から一転

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『東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の新会長に橋本聖子氏の就任が18日決まった。女性を蔑視した森喜朗氏の発言や後任人事をめぐる「密室」批判などで傷ついた信頼の回復が新会長の責務となる。大会実現に向けた課題が山積する中、透明性の高い運営を実現できるか、世界の注目が集まる。

「一連の経緯は国民や都民の気持ちを困惑させるものだったのではないか。私が問題解決するために努力しなければならない」。橋本氏は1…

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橋本氏は18日の就任会見でこう話し、組織委の信頼回復と透明性の確保に全力を挙げると強調した。

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関係者によると、会長候補は当初から橋本氏と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長の2人を軸に選考が進んでいた。ただ橋本氏は16日まで固辞する姿勢を崩さず、議論は一時、山下氏に傾きかけた。山下氏も要請があれば受ける覚悟を決めていたという。

だが多様性を重視する観点や、橋本氏の五輪での経験の豊富さなどを踏まえ、17日の審議では一転、橋本氏への一本化が決まった。候補者選考にあたった御手洗冨士夫氏は「17日午後6時ごろに橋本氏に電話で打診した。(翌18日の)午後0時半ごろに(受諾の)連絡がきた」と明かした。

御手洗氏は「アスリート出身者から熱烈な推薦があった」とし、御手洗氏を含む8人で構成する候補者検討委員会では、6人が橋本氏の名前を挙げたという。御手洗氏は「橋本氏が(特に)女性だからという議論はなかった」とも述べたが、問題の発端が女性蔑視発言だったこともあり、橋本氏の下で組織委が混乱を収拾できるとみた関係者は多かったとみられる。

新会長が率先して取り組むべきは、開催に向けた機運を取り戻すことだ。森氏の発言以降、ボランティアの1000人以上が辞退した。大会時には1日当たり医師が最大300人、看護師が同400人必要とされる。感染状況次第では協力を得るのが難しくなる可能性もある。

今回の新会長の選考過程では、組織委の透明性の欠如が改めてあらわになった。森氏は独自に水面下で川淵三郎氏に後任を打診して批判を浴び、その後の候補者の選定過程でも検討委のメンバーや審議内容は伏せられたまま議論が進んだ。18日に御手洗氏が一定の説明をしたものの、傷ついた信頼の回復はこれからだ。

新型コロナ対策をはじめ、橋本氏が直面する課題に対処するには、国内外の多くの関係者の協力が欠かせない。大会まで残り5カ月という限られた時間の中、組織委は開かれた運営を通じて世界の信頼を取り戻す必要がある。

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