[FT]ノルウェー通信会社、ミャンマーの情報統制を非難

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『ノルウェーの国営通信会社で、ミャンマーに進出している外資最大手の一つであるテレノールは、クーデターで全権を掌握した国軍が導入しようと企てる「サイバーセキュリティー法案」を厳しく批判した。

インターネット上の情報を統制する大幅な権限を当局に認める内容の法案だが、テレノールのシグベ・ブレッケ最高経営責任者(CEO)は、フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に、適用範囲があまりにも広い上に、人権に対す…

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インターネット上の情報を統制する大幅な権限を当局に認める内容の法案だが、テレノールのシグベ・ブレッケ最高経営責任者(CEO)は、フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に、適用範囲があまりにも広い上に、人権に対する配慮が欠けており、このままの形で施行されるべきではないと語った。

「(法案に対する)我々の対応は非常に明確だ。それがどのように受け取られるかは分からない。先行きがとても不透明で、異常な状況だから」とブレッケ氏は述べた。

個人データへのアクセスが無制限に可能になる新法案

法案反対派は、法案が可能にする厳しい情報統制を批判する。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は、「ユーザーのデータにアクセスする無制限に近い権限を国軍に与えるもので、声を上げる人は誰でも危険にさらされることになる」と言う。

ミャンマー国軍は1日、民政移管から10年を経ずして、民主的に選ばれた政府を転覆させ、アウン・サン・スー・チー国家顧問ら要人を拘束した。

ノルウェー政府が株式の過半を所有するテレノールは、ミャンマーで難しい選択を迫られている。国軍は、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターの遮断をテレノールなどの通信会社に命じた。

ミャンマーに2100万人以上のユーザーを持ち、多くの市民にとってインターネットへの主要なポータルでもあるフェイスブックは15日、同法案は「平和的な政治言論を封殺する」ものだとして、「法案の即時撤回」を求めた。

テレノールは、クーデター以来、軍から受けたアクセス遮断命令のリストを公式サイト上で公開していたが、14日、当局からのこうした命令を公表することはもはやできなくなったと発表した。その理由についてブレッケ氏は、コメントできないと語った。

新たな形の情報規則・規制を導入

「国軍は、新しいタイプの規則や規制を導入しており、事情をすべて明らかにすることはもはや不可能になった。非常に懸念している」。ブレッケ氏は述べた。

16日には、2夜連続でインターネットが遮断された。

サイバーセキュリティー法案についてブレッケ氏は、4つの懸念を指摘した。言論の自由やプライバシーといった人権への配慮が欠けていること、非常事態宣言の最中に実施するのはタイミングが悪すぎること、法律の運用が監視の対象にならないこと、そして、通信法に定めのある合法的傍受に関する条項も含まれるなど適用範囲が広すぎることだ。

ブレッケ氏は、さらに規制が強化された場合のテレノールの対応については語ろうとしなかった。「今後について臆測でものをいうことはできない。事態の推移を見守るしかない」

ノルウェー政府は、テレノールのミャンマーにおける事業についてはコメントできないとしているが、ブレッケ氏は、「ノルウェー国内のステークホルダーは、我々のおかれた難しい状況を理解している」と話した。

テレノールは、暫定政権下の2013年にミャンマーに進出した。ブレッケ氏は、ここ数年で同国が世界に門戸を開いてきたことは「少しばかり誇りにしていい」と語った。

「現在の状況が平和的な解決に向かっていないことを危惧している。我々の事業に関しては、現在できることをするしかない。今後の見通しは全く分からない」

ブレッケ氏は、ミャンマーが「後退」するのを見ることは「とても残念」だとしながらも、(民政移管化前)50年間も「鎖国状態」におかれて同国の国民に通信手段とインターネットへのアクセスをテレノールが提供してきたと強調した。

By Richard Milne

(2021年2月16日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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