日米豪印が外相会議 対中の枠組み、バイデン政権も継承

日米豪印が外相会議 対中の枠組み、バイデン政権も継承
国際法逸脱を抑止
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『日本、米国、オーストラリア、インドは日本時間18日夜、オンラインによる外相協議を開く。1月のバイデン米政権発足後、4カ国で話し合うのは初めて。トランプ前政権時代に構築した枠組みを維持し、中国の国際法を逸脱した海洋進出への共同対処をめざす。

茂木敏充外相、ブリンケン米国務長官、ペイン豪外相、ジャイシャンカル印外相が参加する。4カ国外相による協議は昨年10月に都内で対面の会合を開いて以来となる。…

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開催は米国が呼びかけた。加藤勝信官房長官は18日の記者会見で「バイデン政権による『自由で開かれたインド太平洋』や日米豪印への強いコミットメント(関与)を示すものと評価している」と強調した。

日米豪印は中国の台頭を意識して立ち上がった枠組みで、自由や民主主義、法の支配などの価値観を共有する国同士で経済や安全保障上の協力を進める。

日本は今回の協議で中国の海洋進出への共同対処を念頭に置き、国際法を順守する重要性を訴える。

背景には2月1日に施行された中国の海警法への懸念がある。同法は日本の海上保安庁にあたる海警局を準軍事組織に位置づけた。茂木氏は9日の記者会見で、沖縄県尖閣諸島周辺の領海に侵入する海警局の行為が国際法違反との認識を示した。

日本は南シナ海に関しては中国による人工島整備や軍事拠点化などの現状変更の試みに反対してきた。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年、南シナ海で中国が主張する独自の境界線「九段線」には国際法上の根拠がないと認定した。中国は判決を「紙くず」と批判して受け入れなかった。

日米豪印の枠組みはトランプ米政権時代の17年、マニラで局長級の協議を開いたのが始まりだ。19年に初の外相会合をワシントンで開き、20年には日本が呼びかけて都内で会談し会合を定例化すると決めた。

最近は英語で4を意味する「QUAD(クアッド)」という通称が定着した。

バイデン政権は国際協調を重視する。中国の軍事力拡大に対処するにはインド太平洋の有力国との連携が必要だと判断し、前政権がつくった枠組みを引き続き活用する。

バイデン政権は首脳協議の開催を3カ国に打診している。実現すれば初めてで、4カ国の結束をより強く打ち出せる。

各国とも中国とは対立一辺倒ではなく、共存する分野が混じる複雑な関係にある。米国は安保や経済で中国と覇権を争いながら、地球温暖化対策では協力を引き出そうと期待する。

日本は東シナ海の領海侵入に反発しつつ、巨大市場である中国との経済上の関係は維持する。新型コロナウイルス発生源の調査を求めて中国と対立する豪州も、資源輸出を中心とする経済で中国に依存する。

伝統的に「非同盟」の立場をとってきたインドは、中国との対決姿勢を出すのを避ける。国境地帯で衝突しながらも、新型コロナが拡大するまではモディ首相と習近平(シー・ジンピン)国家主席が往来しあった。

米国が呼びかけた日米豪印の首脳協議はインドが慎重なために日程が固まらない。

中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は日米豪印の協力を「インド太平洋版の新『北大西洋条約機構(NATO)』を作ろうとしている」と警戒する。

日米豪はインドが枠組みに参加しやすいように気を使う。今回の外相協議を巡る各国の発表文は議題として新型コロナ対策や気候変動問題を列挙した。「中国」や「安全保障」といった文言はなかった。

「対中包囲網」という色彩を薄めてインドが参加しやすい環境を整える。