NY州、高齢者施設のコロナ死者数公表遅れ 知事に批判

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『【ニューヨーク=大島有美子】米東部ニューヨーク州が高齢者施設での新型コロナウイルスによる死者数の公表が大幅に遅れたほか過少に発表していたことがわかり、州議会議員などからクオモ州知事への批判が相次いでいる。クオモ氏は15日の記者会見でデータの提供が遅れたことを認めた。意図的にデータを隠蔽したとの見方からクオモ氏の責任を問う声も上がっている。

20年3~4月にコロナ感染が急拡大したNY州では、医療施設…

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20年3~4月にコロナ感染が急拡大したNY州では、医療施設の増強が間に合わず、3月下旬に高齢者施設でのコロナ患者受け入れを要請した。受け入れた施設が患者の遺族などから訴えられないように免責条項もつけた。ただ重症化しやすい高齢者が集まる施設に患者を収容したことで、感染が広がり死者数も急増。当時から州の対応について有権者や連邦議会議員からの批判の声が出ていた。

州司法長官の事務局が1月末に公表した調査では「州が公表した高齢者施設でのコロナ死者数は実際より50%ほど少ない可能性がある」とした。州の保健当局が高齢者施設の入居者のコロナ感染者のうち、病院に搬送された後で死亡した場合は高齢者施設の死者数に入れていなかったためだ。

会見するニューヨーク州のクオモ知事(15日)

NY州は6日に高齢者施設での死者数を修正。1月下旬時点で8700人超と公表していたが、2月5日までの累計死者数を1万3197人と発表した。クオモ氏は15日の記者会見で死亡場所の区分けによる違いで「すべてのデータは正確に報告している」と強調した。

クオモ氏の側近が、トランプ前政権の司法省から求められていた高齢者施設の死者数の開示について、政争の具となるのを避けるため「凍結した」と述べたことも明らかになった。司法省への対応を優先し、州議会議員や記者からの質問にも数カ月回答しなかった。クオモ氏は「皆忙しかった。(議員や記者などへの回答を)より優先すべきだった」と釈明した。

シエナ大学が16日に発表した世論調査によると、クオモ氏の職務遂行能力についての支持率は51%と、1月時点の56%から低下した。特に高齢者施設における死者数のデータ公開については「評価する」が39%、「評価しない」が55%だった。クオモ氏は「政治ではなく、データや事実、科学に基づき判断する」と折に触れて強調していただけに、データ公表の遅れに対する不信感が強まっている。

同州の対応については、「住民の信頼を裏切るものであり、(州知事令など)知事の特別権限を再検討すべきではないか」(民主党のNY州議会議員)「すぐに訴追されるべきだ」(NY州選出で共和党のステファニク下院議員)など批判の声が出ている。一部の州議会議員はコロナ下で知事に与えた非常事態権限を剥奪すべきだと訴えている。