米、ファーウェイ排除へ2000億円 機器撤去費を肩代わり

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『【ワシントン=鳳山太成】米政府は国内の通信会社で使われる中国・華為技術(ファーウェイ)製品を排除する取り組みを始める。19億ドル(約2000億円)を手当てし、機器の撤去や取り換えにかかった費用を肩代わりする。トランプ前政権の中国企業への強硬姿勢が、バイデン政権でも継続する。

米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。…

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米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品を取り除くための実施規則を決める。対象は通信会社が使う基地局の制御機器や無線装置など。撤去や廃棄、代替製品の購入にかかった費用を政府が負担する「返済プログラム」を設ける。2020年12月に成立した予算に含まれた19億ドルを活用する。

米通信会社は申請して条件を満たせば、費用を受け取れる。新規則では利用者が1000万人以下の通信会社を支援の対象とする方向だ。政府の補助金を受け取る通信会社が中国2社の製品を使うのも禁じる。手続きや設備投資に今後2年以上かかる見通しだ。

新規調達を禁じるだけではなく、既存の機器まで取り除くのは簡単ではない。安価で手厚いアフターサービスに引かれて中国2社と取引してきたのは、主に地方や農村部をカバーする小規模の通信会社だ。

FCCによると、少なくとも中国2社の製品を使う通信会社は50社に上る。経営体力に乏しい企業からは「自前で撤去などの費用を負担するのは厳しい」との声が上がっていた。

FCCが通信網から中国2社を排除するのは、中国政府に情報が抜き取られるリスクを警戒するためだ。18年から規則づくりを開始。安全保障上の脅威がある企業に中国2社を指定するなど、準備を重ねてきた。議会も超党派で関連法案を通した。

ファーウェイやZTEはスパイ活動への関与を否定している。ファーウェイはこのほど新規則の導入撤回を求めてFCCを提訴した。

高速通信規格「5G」への設備投資が本格化するなか、米国の中国企業排除は他国企業には商機となる。基地局の整備を一手に手掛けるスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアが攻勢をかける。

日本勢でもNECや富士通、楽天モバイル、NTTなどが、異なるメーカーの基地局製品を組み合わせて使える「オープンRAN」を推進する。通信網の整備で世界大手のファーウェイが抜けた穴に日本勢が食い込む可能性もある。

米国議会では与野党問わず中国企業に警戒を強めている。トランプ前政権はファーウェイへの事実上の禁輸措置を発動するなど強硬姿勢を貫いた。バイデン政権でも大きな流れは変わらない。

バイデン大統領に商務長官に指名された東部ロードアイランド州のジーナ・レモンド知事は1月の上院公聴会で、ファーウェイとZTEを名指しして「中国が米国の通信網にバックドア(裏口)を設けて、米国の安保を危険にさらすのを許すわけにはいかない」と警戒心をあらわにした。

これまで米国は、政府機関や取引先企業に対し、ファーウェイやZTEなど中国製品の排除を求めてきた。さらに通信網にある既存の製品を取り除く段階に進む。バイデン政権は同盟国と足並みをそろえて中国に対抗する構えだ。日本や欧州も一段と厳しい対応を迫られる可能性がある。

中国も対抗措置を講じる可能性がある。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国はレアアース(希土類)の輸出規制を検討していると報じた。レアアースは米最新鋭ステルス戦闘機F35などの生産に不可欠で、米国は輸入の8割を中国に依存している。

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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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別の視点 バイデン政権がトランプ政権の対中強硬政策を継承することはこれでさらに明らかになった。他方の中国もこのことをよく理解している。このところ、習近平国家主席はヨーロッパの主要国首脳との個別会談を相次いで行う一方で、中東欧諸国とのフォーラムも急遽開催している。米中対立が高まるなかで欧州への接近を急いでいるが、その効果はいかほどか。今後の成り行きが気になるところだ。
2021年2月17日 7:54いいね
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