バイデン氏「財政出動、大胆に」 1.9兆ドル対策実現主張

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『【ワシントン=河浪武史】バイデン米大統領は16日の市民との対話集会で「今は財政出動を大胆に実行すべきときだ」と述べ、1.9兆ドル(約200兆円)の新型コロナウイルス対策の早期実現を主張した。政界や経済界に浮かぶ規模縮小論を一蹴し、大型対策で雇用回復を目指す。経済格差の是正へ「最低賃金を(2倍の)時給15ドルに引き上げる」とも主張した。

バイデン氏は米CNNが主催した中西部ウィスコンシン州での対話集…

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バイデン氏は米CNNが主催した中西部ウィスコンシン州での対話集会に臨み、「食料の確保や家賃の支払いに苦しむ生活者が多く、経済は今なお厳しい。(1.9兆ドル法案の)成立を約束する」などと述べた。同政権は1人最大1400ドルの現金給付を柱とする1.9兆ドル規模の追加対策を公約している。下院は2月下旬の通過を目指しており、議会指導部による法案化の作業はヤマ場だ。

ただ、1.9兆ドルの財政出動には「規模が過大で経済の過熱を招きかねない」(サマーズ元財務長官)などと見直し論も浮上する。米議会は既に4兆ドルの経済対策を発動済みで、2020年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は危機前の1年前の97.5%まで回復。1.9兆ドルは名目GDPの9%にも相当し、追加対策は米経済の需要不足を大きく上回るためだ。

バイデン氏は16日の集会で「今は小さすぎる経済対策より、大きな対策が望ましい」と述べ、1.9兆ドルの財政出動の規模縮小論に反対した。同氏はオバマ政権時の2009年の金融危機対策が8000億ドルにとどまったことに「さらなる財政出動が必要だった」などと指摘。財政出動の規模の小ささが、その後の雇用回復の遅れの一因だったとし、大型対策の必要性を訴えた。

同氏の懸念は雇用情勢だ。1月の失業者は1000万人と危機前の2倍近い水準で、就業者数も1年前より6.3%少ないままだ。雇用はGDPほどは回復しておらず、「追加対策が成立すれば1年で700万人の雇用創出が可能だ」と労働市場の立て直しを重要視した。

米議会は1.9兆ドルの経済対策に法定最低賃金(現在7.25ドル)の引き上げを盛り込む方向で検討する。最低賃金は09年以降、据え置きが続いてきたが、バイデン氏は「15ドルへの引き上げを間違いなく支持する」と主張。低所得層の底上げを優先する考えを強調した。

バイデン政権は新型コロナのワクチン普及も加速し、7月末までに3億人に2回の接種を目指すという。同氏は「過大な推測はすべきではないが、次のクリスマスの頃には状況が変わっているだろう」と述べ、経済活動が年内に正常化する可能性をにじませた。