[FT]EUーアイルランド間物流、英国を迂回

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※ アイルランドと英領北アイルランドの、地理的な関係は、こういう感じだ…。

※ それで、英国はブレグジットして、EU加盟国で無くなった…。

※ すると、アイルランド⇔英領北アイルランド(及び、英国本土)間の物流は、EU加盟国どうしのものじゃ無くなったわけだ…。

※ そうすると、厳密には、EU加盟国⇔EU非加盟国 間の物流ということで、「通関手続き」が発生すべきものとなる…。それで、すったもんだしたわけだ…。一応、手続きを行って、「関税」もかける…、ということになったようだ…。

※ 元来は、こういう4本の物流線があったものらしい…。全部、英国本土との間のものになってるな…。

※ それが、「通関手続き」を要するものとなったんで、このルートを「迂回して」、直で「欧州大陸」へ繋いでいくルートが選択されるようになった…。

※ それで、『アイルランド島と欧州大陸を直接結ぶルートの需要が急増するなかで、フランスのシェルブールやダンケルク、ロスコフ、アイルランド南東部ロスレアの各港はブレグジット(英EU離脱)景気に沸いている。』というようなことになったわけだ…。

『トラック運転手のパトリック・カーワンさんは英国の欧州連合(EU)離脱前まで、フランスから北アイルランドへ冷凍肉を運ぶのに通常は高速フェリーで英仏海峡を渡った後に英国内を走り抜け、アイリッシュ海フェリーに乗っていた。だが、2月の寒い冬の夜、カーワンさんは仏ノルマンディーのシェルブール港からアイルランドに直行する所要17時間のフェリーに乗ろうとしていた。

「通関手続きが面倒だからね」。カーワンさんは運…

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カーワンさんは運輸会社オドノバン・トランスポートのトラックの運転席に座ったまま、その理由を説明してくれた。北アイルランドは英国領だが、2020年12月に合意した通商協定により引き続きEUの関税ルールが適用されている。

20年末に移行期間を終了した英国とEUの国境では、1月1日から検疫・通関手続きが始まった。これを受けてEU加盟国のアイルランドと他のEU域内を結ぶ物流は、英国を経由する「ランドブリッジ(陸橋)」ルートを迂回するようになった。11日夜、シェルブール港からアイルランドのロスレア港へ向かうフェリーは100台を超えるトレーラーやトラックを満載していたのに対し、英ポーツマスへ向かうフェリーの積載率は2割にも満たなかった。

直航ルート需要の急増でブレグジット景気に沸く
アイルランド島と欧州大陸を直接結ぶルートの需要が急増するなかで、フランスのシェルブールやダンケルク、ロスコフ、アイルランド南東部ロスレアの各港はブレグジット(英EU離脱)景気に沸いている。

ロスレア港湾局ゼネラルマネジャーのグレン・カー氏は「ブレグジット後に通関手続きが始まり、交通の流れががらりと変わった。この港町にもその影響がようやく及び始めた」と話す。

海から肌を刺す強風が吹きつけるなかでカー氏は「長年、閑散としていた港」の貨物輸送量が突然急増し、その恩恵を享受できるようになったと説明した。

「ロスレアと欧州を結ぶ船便は去年の1月には(片道)週3便しかなかったが、今や16便に増えた。往復では32便だ。ブレグジット直後1カ月間の寄港船舶数は1年前に比べて37%増え、大陸からの貨物輸送量は約5.5倍になった」

フランスの港湾当局やフェリー会社からも同様の声が聞かれる。ステナラインやアイリッシュフェリーズ、ブリタニーフェリーズ、DFDSなどの海運各社は英EU離脱が迫るなかで英国を迂回するルートの増便や輸送力増強に素早く動いていた。

シェルブール港湾局ディレクターのヤニク・ミレー氏は「準備段階では貨物の取り扱い能力を2倍にする計画だったが、結局2倍では間に合わず3倍にした」と打ち明けた。17世紀以降、英国海軍に対抗するための戦略拠点として発展してきた同港で、ミレー氏は荷さばき港湾作業員を増員しようとしている。

煩雑な通関手続き避け海路を選ぶ
アイルランドの貿易業者はこれまで時間とコストを最も節約できる大陸市場への輸送経路として英国を経由する「ランドブリッジ」ルートを好んできたが、今は時間はかかっても直航の海路を選ぶようになった。英国の港湾では貨物が留め置かれる懸念があり、通関作業も煩雑だからだ。

「様々な問題が発生するのは先刻お見通しさ」とロスコフに本社を置くブリタニーフェリーズのジャン・マルク・ラウエイ会長は強調した。「12月24日の(英EU通商協定)合意で最悪の事態は回避されたが、それでも貿易環境は変わった。関税ゼロは維持されたものの、通関手続きの復活は阻止できなかったのだから」

同氏によると、ブレグジットの前までは英国へ向かうトラックは「フェリー出航の3分前に港に到着すれば、船が満杯でない限り乗れた。英仏海峡を渡るのは8月の行楽シーズンに仏本土とリゾート地イル・ド・レを結ぶ全長2.9キロの橋を渡るより簡単だった」。

1月のデータを見ると、新型コロナウイルス感染対策による一時的な渡航制限の影響もみられるとはいえ、これまで英国経由だった年間15万~17万便のトラック輸送の半数以上がアイルランド―フランス間の直航フェリーに移りそうだ。それでもロスレア港湾局のカー氏は、北アイルランド発着のトラックも含めて年間8万便のトラックが英国を迂回するため同港を利用するようになるとみている。「これまで見たことのない数のトラックがロスレア港に押し寄せている」

一方、英国発着の貨物は急減しており、ダブリンに次ぐ規模のロスレア港の1月の取扱量は49%減った。英・アイルランド間の年初来貿易量が50%落ち込んだのと軌を一にしている。

英仏間のフェリーはほぼ空の状態
英仏間の貨物量も年明け以降減っている。港湾当局者やフェリー会社によると、シェルブール港発のフェリーの多くはEU離脱後の生活必需品確保を目的とする7700万ポンド(約113億円)規模の計画の下で英政府の予約で押さえられ、ほぼ空の状態で運航しているという。

何十年間も英国内を走り抜けて生計を立てててきたトラック運転手たちも劇的な変化に直面している。アイルランドの運輸会社の運転手、デイブ・レイノルズさんは「北は北極圏まで」配送すると豪語するが、EU―アイルランド間の輸送には「1月以降、英国に仕事がない限り直航ルートを利用している」と打ち明けた。

ロスレア港から車で約1時間、フランスへの入国に陰性証明が必要な運転手のためにアイルランド政府がコロナ検査場を設置したトラック休憩所で、レイノルズさんは英国経由のルートをほとんど利用しなくなったと話した。「英国に行く必要があれば行くけど、そうでなければ完全に迂回している」

シェルブール港でも、中古トラクターをスペインから北アイルランドのニューリーへ運ぶ途中の運転手、テリー・ウォルシュさんが同じ話をした。「一番安いのは英国経由だが、みんな直航ルートを選んでいる」

By Victor Mallet & Arthur Beesley

(2021年2月15日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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