ドラギ前ECB総裁、イタリア首相就任へ

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『【ウィーン=細川倫太郎】イタリアのマッタレッラ大統領は12日夜(日本時間13日未明)、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ前総裁を次期首相に任命した。各政党と連立協議を進めていたドラギ氏は、与野党から幅広い支持を取り付けた。伊政局の混乱はひとまず収束し、「ドラギ政権」が近く始動する。

ドラギ氏は大統領に閣僚名簿を提出し、承認された。13日に閣僚とともに宣誓式に臨み、首相に就任する。その後、上下院の議会の信任を得て、新政権が正式発足する。連立与党を構成していた左派「五つ星運動」や中道左派「民主党」、最大野党の極右「同盟」など幅広い政治勢力が新政権に参加する。

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閣僚は23人で、政治家と実務者が混在する。注目の人事の経済・財務相には、ドラギ氏が信頼を置くイタリア中銀のフランコ上級副総裁を起用する。五つ星のディマイオ外相は留任が決まった。新政権は、経済や社会に甚大な打撃を与えている新型コロナウイルスへの対応が急務となる。

ドラギ氏はイタリア中銀総裁を経て、2011年から19年までECB総裁を務めた。欧州債務危機に揺れた12年に「ユーロを守るためなら何でもする」と発言。強い指導力を発揮し金融緩和路線を進め、荒れていた債券市場を安定させた。市場からの信認が厚く、その危機封じ込めの手腕は「ドラギ・マジック」ともてはやされた。

大統領は危機対応能力に優れるドラギ氏であればコロナ禍を乗り越えられると判断し、白羽の矢を立てたとみられる。ただ、新たな連立与党は、これまで対立してきた政党の組み合わせとなる。支持基盤も違うことから、1つにまとめるのは容易ではない。就任早々、ドラギ氏の政治手腕が試されることになる。

伊政局を巡っては、少数政党を率いるレンツィ元首相がコンテ首相と対立し、1月13日に連立与党から離脱。政権運営が行き詰まったコンテ氏は26日、辞任を表明した。大統領は新型コロナの危機に立ち向かうには、すべての政治勢力の結集が必要だと訴え、3日にドラギ氏に組閣作業を要請した。

議会で議席の約3割を握る五つ星が11日、オンラインによる党員投票でドラギ氏の支持を決め、首相就任に大きく前進した。

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