米、ミャンマーの13個人・企業に制裁 軍政阻止へ圧力

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『【ワシントン=中村亮】米政府は11日、ミャンマー国軍のクーデターに関わったとして10個人と3企業を制裁対象に指定したと発表した。ミン・アウン・フライン国軍総司令官や国軍出身のミン・スエ副大統領が含まれる。安全保障に関わる物資の輸出も制限した。軍政回帰を阻止するため国軍への圧力を強めた。

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イエレン財務長官は11日の声明で「平和的なデモ参加者に対する暴力がさらに起きれば、ミャンマー国軍はきょうの制裁が始まりにすぎないということを知ることになる」と指摘した。国軍が民主化に逆行する政策を一段と進めれば、追加制裁を科すと強く警告したものだ。制裁対象となった個人や企業は米国での保有資産が凍結され、米企業との取引も禁じられる。

米財務省が11日に指定した制裁対象の個人10人は全てが国軍出身だ。ソー・ウィン国軍副司令官やミャ・トゥン・ウー国防相、ティン・アウン・サン運輸・通信相らを指定した。国軍は「サイバーセキュリティー法案」を起草し、インターネット上の情報統制を進める構えを見せており、米国は運輸・通信相を制裁対象に加えてけん制したとみられる。

制裁対象となったミャンマー・インペリアル・ジェイド社など3企業はミャンマー産の宝石を扱う。米財務省は3社が国軍や治安当局と緊密な関係にあるとの見方を示した。制裁を科して国軍の資金源に打撃を与える狙いとみられる。

ロイター通信によると3社は国軍系企業のミャンマー・エコノミック・ホールティングス(MEHL)の傘下にあるが、米国はMEHL自体への制裁は見送った。MEHLは傘下にインフラや金融、不動産なども手掛ける企業群を持つとされ、制裁を科した場合に一般市民の生活に悪影響が及ぶと懸念したとみられる。

ホワイトハウスはミャンマー政府が米国で保有する資金10億ドル(約1050億円)以上についても「国軍幹部による不適切なアクセスを禁じる」と説明した。商務省はミャンマー国軍や国防省に対する「機微に触れる物資」の輸出を制限した。安全保障に関わる製品を指すとみられる。

バイデン政権は制裁対象をミャンマー国軍に絞った。声明では医療分野やイスラム系少数民族ロヒンギャへの支援を続けると強調した。米国際開発局(USAID)はミャンマー政府の経済改革などの支援に使う予定だった4200万㌦を一般市民や民間企業を支援するプログラムに振り向ける。

市民生活への影響を抑える分、制裁の効果は限定的との見方がある。国軍のミン・アウン・フライン氏やソー・ウィン氏について、米国は19年にロヒンギャに対する人権侵害への関与を理由に制裁対象に指定済みだ。バイデン政権は同盟国や友好国と協調してミャンマー国軍に対して軍政回帰を撤回するよう迫る考えだ。

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