森会長辞意 菅政権、危機意識薄く対応後手

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE107G50Q1A210C2000000/

『女性蔑視と受け取れる発言をした森喜朗元首相が東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長を辞任する意向を固めた。国内外で強まる批判のうねりに菅政権の危機意識は薄かった。調整役不在で対応が後手に回った。

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森氏が日本オリンピック委員会(JOC)の会合で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言したのは2月3日だった。それから辞意を固めるまで8日かかった。

菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で…

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菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で森氏の発言について「あってはならない」などと述べるにとどめた。5日に「五輪の重要な理念である男女共同参画からも全く異なる」と答弁した。8日は「国益にとっては芳しいものではない」と話すなど徐々に批判のトーンを強めたものの、進退には「私自身が問題にすべきではない」と言及を避ける姿勢を貫いた。

他の党幹部の間でも「余人をもって代えがたい」「踏みとどまってもらわないと」との擁護論が大勢だった。表だって辞任を求める声はほとんどなく、野田聖子幹事長代行が10日の記者会見で「自ら方向性を示していただきたい」と自発的な辞任に言及した程度だ。

国内外では日に日に批判の火の手が燃え広がった。世論や選手、スポンサー企業からも非難の声が高まった。国際オリンピック委員会(IOC)は4日に「森会長は謝罪した。この問題は決着した」との声明を出したものの、9日になって「完全に不適切だ」と修正せざるを得なくなった。

一連の過程で調整役不在という政権の弱みが露呈した。「菅政権に菅官房長官はいない」。第2次以降の安倍政権では官房長官だった首相が失言した閣僚らに辞任を促した。現政権で首相の意をくんで汚れ役を買って出る側近は見当たらない。かねて指摘されてきた不安が改めて浮き彫りになった。

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