キューバ、自営業認可 15倍の2000業種に拡大

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 ※ 今日は、こんなところで…。

『【メキシコシティ=宮本英威】カリブ海の社会主義国キューバが経済の民間開放の拡大に踏み出す。現在は飲食や宿泊など127業種に限られている自営業の認可業種を2000業種超に拡大する。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で自営業者が多い観光業が大きく落ち込む中、規制緩和で経済の底上げにつなげる狙いだ。

共産党機関紙グランマの6日付の報道によると、自営業の拡大は閣僚評議会で合意した。具体的な業種は明らかに…

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具体的な業種は明らかになっていないが、自営業者に認められる業種をこれまでの15倍以上に増やす。今回の改革後も、124業種は国営に限る。

ディアスカネル大統領はツイッターへの投稿で「自営業者の選択肢を広げ、制限を取り除く。60万人超の労働者に恩恵がある」と意義を強調した。

社会主義国のキューバでは労働者は原則は公務員となる。ただ公的部門だけでは雇用を十分に確保できないため、ラウル・カストロ氏が国家評議会議長に就任した2008年以降、自営業の制限を緩和してきた。

ディアスカネル大統領(中)は「60万人超の労働者に恩恵がある」と指摘した(2020年11月、ハバナ)=ロイター

19年時点で自営業者は62万人と、全労働者の13%を占めている。14年12月に米国との国交回復方針が発表になったのを受け、米国人の来訪増に伴うビジネス機会を期待して自営業者への転換が相次いだ。外国人訪問者数の増加が後押しし、19年時点の自営業者は14年比で3割増えた。

ただ17年に発足したトランプ前米政権は、キューバへの経済制裁を強化し、ビザ(査証)の発給を厳しくし、航空便を制限した。さらに新型コロナの感染拡大が響いて、キューバへの外国からの訪問者数は20年に108万5920人と、19年の4分の1の水準に落ち込んだ。

キューバでの自営業者は飲食や宿泊、運転手といった観光関連の業種が多かった。新型コロナ禍で、こうした自営業者は大きな打撃を受けている。

キューバ政府が経済改革を急ぐ背景には、体制の変更が間近に迫っていることもある。4月に開く第8回共産党大会では、共産党トップの第1書記からラウル・カストロ氏が退く見通しだ。1959年のキューバ革命以降、実兄の故フィデル・カストロ氏と共にけん引してきた体制に区切りがつく。

今後はディアスカネル大統領やマレロ首相を中心とする指導体制に移行する。実力者のラウル・カストロ氏が現役のうちに、様々な課題の解決を少しでも進めたい考えがうかがえる。

1月には2種類あった通貨を一本化した。複雑な貿易決済を簡素化し、投資促進につなげる狙いがある。当面は1米ドル=24ペソで固定する。ただこのレートに関してはペソが過大評価されているとの見方が多く、今後のインフレ加速も警戒されている。既に「年初から野菜や果物が値上がりしている」(在ハバナの外国人)との声もある。

国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は、20年のキューバの実質経済成長率がマイナス8.5%だったと推定し、21年はプラス3%になると予測している。けん引役に乏しく、回復は緩やかにとどまる。

キューバと米国が国交を回復したオバマ米政権下で副大統領を務めたバイデン米大統領は、キューバとの関係改善を模索するとみられる。ただトランプ前政権は1月11日にキューバをテロ支援国に再指定した。経済制裁を解除するハードルは上がっており、キューバの苦境は続きそうだ。