[FT]香港当局、二重国籍者への締め付け強化

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 ※ 「二重(多重)国籍」の問題は、万国共通の課題だ…。

 ※ 国家は、「自国民(自国籍民)」に対しては、「強制力(国家権力)」を及ぼすことができる。「法に抵触する場合は、逮捕し、裁判にかけ、刑罰を科すこと」ができる…。

 ※ しかし、A国の追及に対しては、「私は、B国民です。」と言い、B国の追及に対しては、「私は、A国民です。」と言って逃れることが可能となる…。

 ※ これは、国税庁なんかの「課税の追及」に対しても、言えることだ…。

 ※ そういう「言い逃れ」は、「正義」「法の支配」に反するので、どの国も何らかの「対策」を講じている…。

 ※ 特に、自国民の管理・統制にやかましい「権威主義国家」「統制国家」だと、なおさらだ…。

『香港当局が二重国籍を認めなくなったため、英国政府は香港発行の旅券(パスポート)を持つ英国市民をこれ以上助けることができないかもしれない——。英国は、英国の市民権を持つ香港居住者に対してこのように警告した。

「自国民への支援が困難」
英国の外務・英連邦省は香港への渡航情報を更新し「英国と中国の両国籍を保有している方の場合、たとえ英国のパスポートで香港に入境したとしても、香港当局からは中国市民として扱…

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英国の外務・英連邦省は香港への渡航情報を更新し「英国と中国の両国籍を保有している方の場合、たとえ英国のパスポートで香港に入境したとしても、香港当局からは中国市民として扱われる可能性があります」と指摘した。「もしそうであれば、英国総領事館の領事支援を受けられないかもしれません」とも警告した。

香港は1997年に英国から返還された際、中国から50年間の「高度な自治権」を約束された。だが、ここへきて香港を中国に近づけるような試みが相次いでおり、二重国籍者の扱いの変更もその一環だ。

香港当局による市民への締め付けは、過酷な「香港国家安全維持法」を2020年半ばに施行したことに始まり、反体制派リーダーの拘束を経て、香港社会の変革にまで至っている。同法の導入は、19年に香港で続いた民主化運動への中国政府の対応策だった。

これまで海外に住む家族との関係を維持しながら香港で働くか、その逆ができた中国人の二重国籍者は、香港に数十万人居住している。今回の英政府による警告は、そうした人々の先行きがいかに不透明になったかを浮き彫りにしている。

最近、外国のパスポートを持つ中国との二重国籍者が香港で逮捕か勾留された際、カナダや米国などの外交官が支援しようとしたのを香港当局が阻止する事態が幾度も発生した。英政府の警告は、そうした動きを受けて出されたものだ。

香港でも適用される中国の国籍法は二重国籍を認めていないが、香港政府は長らく外交官が自国の二重国籍者に面会することを認めてきた。ある外交官は「今、こうした個人への面会に支障が生じているのなら、将来的にも困難になるかもしれない」と語った。

香港の治安当局は、外国のパスポートを持つ香港市民には領事官の保護を受ける資格がなく、中国国籍の放棄を申請して認められるまでは外国人として扱わないとの見解を示した。

香港の地位損なう「自滅的決定」

中国は1月、英国が発行したパスポートを持つ一部の香港市民に対する締め付けを強める意向を示した。これは英国が最大300万人の香港市民に対し、英国海外市民(BNO)パスポートの提供を通して英国市民権を獲得する道を開いたことへの対抗措置だった。

英内務省によると、20年7月から21年1月までの間に約7000人のBNOパスポート保有者が英国での居住を許可された。これは、英国市民権の獲得への新たなルートが正式に開かれる前の人数だ。

中国政府は、BNOパスポートを有効な身分証明書とは認めないと表明した。香港当局は、飛行機に搭乗する香港市民が香港のパスポートか身分証明書を持っているか確認するよう航空会社に義務付けた。

現時点では、旅行の際にBNOパスポートを使わない大多数の香港市民に影響はない。ただ、中国政府はさらなる措置をとる権利を持っているとの見解を示している。

英外務省の広報官は「香港当局が、収監中の英中二重国籍者への我が国の領事官による面会を阻止し、我々が1997年から提供してきた領事支援を妨げているのは不適切だ。我々は各国と提携し、直ちに自国民への面会が再開されるよう香港当局に強く求める」と表明した。

米国やカナダもここ数週間、拘束されている二重国籍者への面会が制限されていることや、香港当局が市民に対して国籍の選択を迫っていることに懸念を示している。

米国務省は「香港の新たな政策により、市民が国籍選択の影響を十分に理解する機会を与えられないまま脅迫下で選択宣言を強制されることや、法執行機関の権力乱用が行われることを深く憂慮する」と表明した。外国人を拘束した場合にその国の領事機関に通報する義務や、領事官が被拘束者に面会する権利は、領事関係に関するウィーン条約の下で二重国籍者にも適用されるとも強調した。

香港の人権向上を訴える英慈善団体「香港ウォッチ」の政策ディレクターのジョニー・パターソン氏は、伝統的に様々な人々のるつぼである香港には二重国籍の市民が多くいると指摘。「二重国籍を認めないという決定は自滅的だ。BNOパスポートの枠組みで香港を去る人々を止められないばかりか、すでに危うくなっている香港の国際拠点としての地位をさらに低下させるかもしれない」と語った。

By Primrose Riordan and Robert Wright

(2021年2月9日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

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