[FT]バイデン政権の脱炭素政策、民主党内に渦巻く不満

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 ※ 『バイデン氏は、コロナ対策、景気回復、人種間の平等と並び、気候危機を就任後最初の数カ月の4つの優先課題の1つに挙げた。バイデン政権は、4つの課題はすべて互いに関係しており、一緒に取り組まなければならないと主張している。』…。

 ※ 「コロナ対策」「景気回復」「人種間の平等」「気候危機」…。この4つを、同時に満足させる「現実解」は、おそらく「無い」と思うぞ…。

 ※ 前三者は、わりと同時達成可能だろう…。

 ※ コロナ対策で、ワクチン接種の促進+マスク予防の促進→人の移動、飲食の再開→それ関連の業種・需要の回復→景気回復…、という因果関係にあるからな…。

 ※ 「人種間の平等」を、根本的に達成することは困難だろうが、少なくとも「暴動が生じない程度に抑えること」は可能だろう…。「経済の好調は、多くの問題を覆い隠す」わけだ…。

 ※ しかし、「景気回復」と「気候変動対策」を両立させるのは、困難だ…。

 ※ 特に、気候変動対策≒脱炭素(脱二酸化炭素)…、と捉える限り、困難だ…。

 ※ ガス・石油産業(ひいては、自動車・内燃機関の関連産業)の規制に、繋がるからな…。

 ※ それで、トランプ政権は、4番目を「軽視(優先順位を、下げ)」して、ともかくも、「好調な経済」を演出しようとした…。

 ※ バイデン政権は、民主党の「左派」と「中道」の「妥協の産物」政権なんで、「党内左派」への「一定の配慮」が必要となる…。そうでないと、「政権瓦解する」からな…。

 ※ 出発点から、そういう「難題」を、抱えているわけだ…。

『バイデン米大統領が連邦政府の管理地での石油・ガス開発を規制したことで、身内の民主党議員から、この政策は化石燃料に依存している州で雇用と地元の予算を脅かすとの警告を発せられている。

テキサスやニューメキシコといった州での反対論は、2022年の中間選挙で大きな争点となりそうなことの前触れだ。民主党は中間選挙で、石油とガスに依存する穏健な選挙区で議席を守ったり争ったりしなければならないからだ。

この政策…

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この政策は、下院および上院での僅差の過半数を維持するうえで政権が頼みにする民主党穏健派の要求と、気候変動に対して迅速な対策を望む急進左派(プログレッシブ)の要求との折り合いをつけられるのかバイデン政権の能力を試す早期の試金石でもある。

バイデン氏は大統領就任1週目に、連邦政府の管理地と海洋での石油・ガス開発のための貸し出し停止と、貸し出し・許認可慣行の「徹底検証」を命じた。また、民間の「気候部隊」を創設したほか、省庁の車両に米国製の排ガスを出さないゼロエミッション車を調達するよう連邦政府機関に指示し、カナダからメキシコ湾まで原油を運ぶパイプライン「キーストーンXLパイプライン」の建設許可を撤回した。バイデン氏は連邦議会に対して、化石燃料向けの補助金を廃止するよう要請した。

一連の政策は環境保護主義者を喜ばせたが、テキサス州西部からニューメキシコ州南東部に広がる最大のシェール鉱区パーミアン周辺を地盤とする民主党下院議員に不安を抱かせた。

議会では共和党に同調した議員も
テキサス州選出の民主党下院議員4人は新大統領に書簡を送り、「今は米国の雇用を脅かしたり、今資金を必要としている地方自治体、州政府、連邦政府のために連邦管理物件のリースが生み出す貴重な税収や使用料収入を危険にさらしたりすべき時ではない」と力説した。

テキサス州で昨年、僅差で再選を果たしたビセンテ・ゴンザレス下院議員は、大統領令は「すでに苦しんでいるコミュニティーに悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らした。

上院では4日、ニューメキシコ州選出の民主党議員2人がコロラド、ペンシルベニア、ウェストバージニア、モンタナ各州選出の民主党議員とともに共和党議員に同調し、シェールオイルの開発に不可欠なフラッキング(水圧破砕法)を禁止するホワイトハウスまたは米環境保護局の新たな規制を阻止する修正案を57対43で可決した。フラッキングの禁止は、バイデン氏が実行するつもりはないと強調してきた施策だ。

地元の当局者や業界の代表者によれば、連邦政府の管理地での石油・ガス開発向け新規貸し出しが恒久的に廃止されれば、ニューメキシコ州が特に大きな打撃を受ける。同州は過去10年間で産油量を年間6000万バレルから同3億バレルに伸ばしており、州の産油量全体の5割以上が連邦政府の管理地でのものだ。全米で見ると、連邦政府の管理地と海域は米国の産油量全体の25%を占めるにとどまっている。

石油・ガスに財源を依存する州には深刻な影響

「目下、我が州に影を落とす疑問は、学校や州政府予算のための十分な財源と、その他の重要な手段を確保できるようにするために、我々はこの先、州の資源をどうやって管理していけるのかということだ」。ニューメキシコ石油・ガス協会のロバート・マッケンタイヤ広報部長はこう語る。

「石油とガスはニューメキシコ州の予算の約3分の1をまかなっている。昨年は、その額は28億ドル(約2900億円)だった。こうした資金に取って代わる魔法のような小切手は出てこない」

テキサス州はニューメキシコ州と同じような影響は受けない。州の石油業界の大部分が私有地に集中しているからだ。だが、米ライス大学の政治学者、マーク・ジョーンズ教授は、バイデン氏の大統領令は、規制強化を含め、石油・ガス業界全体にとって「今後起きることの前触れ」であるとの懸念がなお残ると指摘する。

こうした反発は、分断されたワシントンで化石燃料から国を転換させる選挙公約を果たそうとする際にバイデン氏が直面する困難を浮き彫りにしている。しかもこれは、大統領が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の最中に追加の経済対策を共和党の賛同なしで民主党単独で可決させることを検討しているさなかの出来事だ。

「バイデン氏は可能なところでは必ず、共和党とともに法を制定する決意を固めている」。クリントン政権で気候変動問題のアドバイザーを務め、現在、シンクタンク「プログレッシブ・ポリシー・インスティテュート(PPI)」に所属するポール・ブレッドソー氏はこう話す。

「残念ながら、現在のコロナ対策(の交渉)は、より党派的なアプローチを示している。共和党は規制上の政策課題を攻撃するかもしれず、議案には手を貸さないかもしれない」

優先課題に同時に挑もうとするバイデン政権

バイデン氏は、コロナ対策、景気回復、人種間の平等と並び、気候危機を就任後最初の数カ月の4つの優先課題の1つに挙げた。バイデン政権は、4つの課題はすべて互いに関係しており、一緒に取り組まなければならないと主張している。

米環境団体、環境防衛基金の政治問題担当シニア・バイスプレジデント、エリザベス・ゴア氏は「バイデン政権は、1度に複数の危機に直面する状況に足を踏み入れている・・・これは複数の目標を同時に達成しようとするルービックキューブだ」と述べた。

しかし、多くの民主党議員は、バイデン氏が大統領選候補者討論会で米国を石油・ガスから転換させると宣言したことによって、20年の選挙戦で痛手を負ったことを実感した。

バイデン氏は後に、米国は業界そのものではなく、石油・ガス向けの連邦政府の助成金から転換すると発言の意図を説明した。だが、同氏の発言はテキサス州で民主党候補にダメージを与えた。トランプ前大統領は共和党支持に傾く同州で楽勝し、民主党は共和党から奪うことを期待していた州議会上院8議席のうち、1議席しか勝ち取れなかった。石油とガスを生産しているニューメキシコ州とオクラホマ州では、民主党は連邦議会下院で貴重な2議席を失った。

「民主党にとっての不安は、これさえなければ民主党に投票するかもしれない人たちの票を失うことだ」とジョーンズ氏は言う。「だが、自分たちの生計に対する攻撃とみなすもののせいで、一部の人々は、民主党が自分の収入源にとって悪いと考え始めるかもしれない」

By Courtney Weaver

(2021年2月8日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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