世界の企業、純利益がコロナ前回復 10~12月

世界の企業、純利益がコロナ前回復 10~12月
4四半期ぶり増益、業種で格差
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『企業業績が持ち直しつつある。世界の主要企業の2020年10~12月期は、純利益が新型コロナウイルスの影響がなかった前年同期に比べ1割強増えた。昨春に停滞していた製造業の生産・販売が復調。中国などの経済対策も下支えした。空運や外食が低迷するなど回復には格差もあり、増益基調が続くかは不透明な面も残る。

QUICK・ファクトセットで上場する1万227社の実績や市場予想を9日時点で調べた。10~12月期の…

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10~12月期の純利益は7127億ドル(約74兆円)と前年同期比14%増えた。増益は4四半期ぶり。ただ米中摩擦の影響で利益水準の低かった19年10~12月期との比較であり、本格回復とは言い難い。各国の経済対策による一過性需要も下支えする。

業績回復は業種間の差が大きい。最も伸びたのは電機で増益額全体の約3割を稼いだ。在宅勤務の拡大でパソコンやサーバーの需要が伸びた。半導体が4割増益と好調で、韓国サムスン電子や台湾積体電路製造(TSMC)が増益となった。

次いで増益額の大きかったのが素材・エネルギーで4割増益だった。販売量が回復し日本製鉄が黒字転換した。他の製造業でも生産回復が広がり、自動車や機械の増益額が大きかった。ホンダや米GE、独シーメンスが増益だった。

一方、非製造業は不振が目立つ。空運は37社のうち8割強が最終赤字で、赤字総額は115億ドルに達する。航空機需要の落ち込みが波及し、米ボーイングは最終赤字だった。小売り・サービス業は4%増益にとどまった。欧州が35%減益、米国が7%減益と落ち込んだ。米スターバックスは世界の既存店売上高が5%減り3割減益だった。

地域別でも回復に差が出ている。中国は4割増益、中国を除くアジアは7割増益だった。中国はインフラや自動車販売などで経済対策の効果が出ている。アリババ集団は通販セール「独身の日」の取扱高が過去最高となり、5割増益だった。「主要国の中で唯一プラス成長となった回復に支えられた」(張勇会長兼最高経営責任者)

日本は足元で48%増益と、9四半期ぶりの増益となる公算が大きい。一方、米国は3%減益で、巨大IT(情報技術)企業を除けば1割減益だ。小売りやエネルギーが振るわなかった。

先行きは見通しにくい。市場では業績回復が続くとの見方がある一方、「耐久消費財は巣ごもり特需で需要の一部を先食いしており、年後半にかけて企業業績がスローダウンする可能性がある」(みずほ証券の小林俊介氏)との指摘もある。

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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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ひとこと解説 業績上方修正を行う企業が増える一方、名門KNT-CTホールディングス(近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの経営統合による)の債務超過転落などに象徴される旅行・宿泊・飲食・旅客・娯楽・医療福祉業などの苦境が鮮明となっています。
株式指数的には好業績に好感する空気は続きそうですが、業績の2極化を内包したままの持続可能性は疑わしいと思います。
2021年2月10日 7:15いいね
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中空麻奈のアバター
中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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別の視点コロナ禍は構造変革の必要性をもたらしたと言える。利益はコロナ前に回復しても、中身は変化しており、セクター間の差が大きい。それだけではない。セクター内の差も大きくなっている。同じセクターにあっても、コロナ禍での需要に見合う事業を有していたかどうかで、収益格差が激しくなっている。セクターとして勝ち組であっても、構造変革の流れを見極め、収益源を柔軟に変えていく必要に迫られている。大企業程、変化していくのは難しいだろうが、それをしておかないと、まだまだ容赦なくやって来る淘汰の波に打ち勝てない。
2021年2月10日 8:56いいね
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小平龍四郎
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 「業績回復はアジアから」ということでしょうか。中国の4割増益、中国を除くアジアの7割増益は目を引く数字です。記事は中国の経済対策の効果にも言及しています。思い出すのは金融危機後の世界経済の回復を主導したのも中国だったこと。4兆元の景気対策は日本を含む周辺国も潤し、貿易を通じた中国の影響力は強まりました。
コロナ後の世界で、同じ構図が強化されるのでしょうか?気になるのは、中国の影響力の強まりが指摘される軍政下のミャンマーです。
2021年2月10日 8:38いいね
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