マクロン氏 年金・失業保険改革停滞 有権者の反発恐れ
22年春に大統領選、ルペン氏と支持率拮抗
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※ 国家は、「打ち出の小槌」や、「魔法使いの杖」を持っているわけではない…。
※ 「社会福祉」というものは、その「財源」を、「自分の生活は、自分の稼ぎで賄う。その他に、病気になったり、失業したり、介護や老後に備えるために、保険料を負担する。さらには、国家財政を支えるために、税金を支払う。」という「一般国民」の負担で支えられている…。
※ これが、「到底そういう負担には、耐えられない。日々の生活を、支えていけない。」という人々ばかりになった場合には、その国家は立ち行かなくなる…。
※ 「現実解」としては、
1、高福祉・高負担
2、低福祉・低負担
3、中福祉・中負担 のいずれかとなる…。
※ 日本国は、長いこと「一億総中流」という意識だったんで、3である…、というような話しだった…。
※ しかし、世界情勢、世界経済が激変し、日本経済の有り様も、だいぶ様変わりした…。
※ なんらかの「策」が必要なのではないのか、という議論が巻き起こってからだいぶ経つんだが…。
『【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領の改革が停滞している。2022年春に大統領選を控え、有権者の反発を恐れるマクロン氏は、痛みの伴う年金と失業保険の二大改革を棚上げしたままだ。極右国民連合のルペン党首はマクロン氏と並ぶ支持を集めており、新型コロナウイルスのワクチン接種や治安対策で有権者の支持を広げる必要に迫られている。
マクロン氏は20年3月にコロナ禍対応のため全ての改革を中断すると発表して…
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マクロン氏は20年3月にコロナ禍対応のため全ての改革を中断すると発表していた。雇用情勢が厳しくなるなか、「痛みを伴う改革は困難」との雰囲気が政府内に広がり、再開の機運は高まらない。ルメール経済・財務相は1月下旬のメディア取材に「危機が去ったら、改革を再開しなければいけない」と述べる一方、「日程を管理しているのは私ではない」と自身の主導による再開を否定した。
代表的なのが年金改革だ。42種類ある複雑な年金を一本化し、職種ごとの不平等を無くすなどの狙いで19年に議論を本格化させた。幅広い業種で「給付金を減らされるのでは」という疑念を招き、反発が広がった。同年末には仏国鉄(SNCF)の無期限ストが起きた。
もうひとつの目玉、失業保険改革も滞っている。給付金を受け取るための最低就労期間を4カ月から6カ月に延ばすなどの内容で、労働者が職にとどまることを促す狙いがあった。19年に方向性は決まったが、労働組合の反対やコロナ禍で少なくとも21年4月まで施行を延期した。政府は労組との対話を続けるが、譲歩を余儀なくされるとの見方が強い。
マクロン氏が強気に出られないのは、伸び悩む支持率が理由だ。仏紙パリジャンは1月27日、22年春の大統領選決選投票で「マクロン氏が52%、極右ルペン氏が48%の支持を集める」との世論調査を報じた。支持率がこれほど拮抗するのは初めてだ。
長引くコロナ禍で財政悪化に直面している。午後6時~翌午前6時までの原則外出禁止措置を取り、飲食店の店内営業などを禁じる。これに対応した企業や従業員への支援金などで21年の累積債務は戦後最悪の水準である国内総生産(GDP)比122%に達する見通しだ。
デュソプト公会計担当相は1月下旬、コロナ対策で「今年は『どんな費用がかかっても支援する』という姿勢から脱しなければいけない」と財政支援規模の縮小の可能性に言及したが、国民の不満が高まり、支持率を低下させるリスクがある。
マクロン政権が支持率テコ入れの材料として期待するのがコロナワクチンだ。マクロン氏は2日、製薬会社などをオンライン形式の会合に呼び、生産状況などを聞き取った。ドイツとほぼ並ぶ速いペースで接種が進んでおり、メディア取材に「今年の夏が終わるまでに、希望する人全員に接種ができる」と語った。イスラム過激思想を取り締まる法案の早期成立も目指しており、治安対策に敏感な右派層の支持を得る考えだ。
フランスは6月に全土で県議会選がある。国政への直接の影響は少ないが、大統領再選への弾みをつけたいマクロン氏にとっては負けられない選挙となる。世論の動きを意識しながらの政権運営が続く。